Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(403)

2022-01-19 00:10:00 | コラム
くちべ「に」→「に」ーと

昔から「そういうひと、状態」はあったはずだけれど、ニート(Not in Education, Employment or Training=NEET、無業者)ということばが頻繁に使用され、社会問題化されていったのは今世紀に入ってからのこと。

ガキのころは、同じような状態のひとを「プー、プー太郎」といっていたもんね。

本音をいっちゃえば・・・
無気力なのも、実家暮らしだからでしょ。
なんらかの事情で家を離れることが出来ないのだろうが、独り暮らし始めたらニートなんかやってられないよ。

家を出ろ、働け!

と、独り暮らし歴がずいぶんと長くなった自分だったらいえる・・・

はずだけれども、そう突き放したところで問題が解決するというわけでもなく。

このニートの問題と相性がいいのが、小説や漫画、映画であったりする。

わが終生の愛読書『それから』(夏目漱石)の主人公・代助も、ニートっちゃあニート。
「ちゃあ」というか、あきらかにニート。
裕福な暮らしが出来るのも、親のおかげなんだもの。


「―夜も眠れなくてね」
「ポルノでも観るんだな」
「えぇ、だから働こうと思って」


そっけない答えかたをするものだから無愛想なのかと思いきや、ジョークとかもいうトラビス(=76年の『タクシードライバー』)も、ドライバーの前はニート。

しかし代助と同様、生活という意味では切羽詰まった感じはしない。
ベトナム名誉除隊の身であるからして、国から手当が出ているのでしょう。


現代のニートは、もっと深刻っぽく。

最初に想起するのは、『百円の恋』(2014)。
安藤サクラの演技がひたすら熱く、痛い。


もう少し肩の力を抜いてニート問題を扱ったのは、タイトルがそのものずばりな『俺はまだ本気出していないだけ』(2013)。

じゃあやれよと返すほかないのだが「やろうと思えば自分、やれちゃうから」といえているうちは、まだ深刻ともいえないのかもしれない。



これをジャンル映画に落とし込んだ技ありの作品は、『ニート・オブ・ザ・デッド』(2014)。

ひとを選ぶタイトルかもしれないが、これが意外と面白かった。


もうひとつ。
かつて大人気アイドルではあったものの、独特な個性が俳優業では活かしきれていないところがある前田敦子が、真の意味で俳優になったなぁと感心した『もらとりあむタマ子』(2013)。



この映画のあっちゃん、すごくいいです。
ちゃんとしてなくて笑笑


※しりとり3連続でいきます^^

あすのしりとりは・・・
にー「と」→「と」むくるーず。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(404)』
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする