2022年の総括第8弾、最後はやっぱり映画で。
きょうから3日間は、本年度の劇場公開映画16傑を展開。
最終日に、全体を俯瞰してみるつもりです。
第一夜目は、16位~11位を発表。
それでは、いくぜ!!
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第16位『すずめの戸締まり』
メジャー3作目にして、すでに「巨匠感」さえ漂わせる新海誠の最新作。
1・2作目にあった「におわせ」ではなく、日本の特徴的な災害をそのまま物語に組み込みんだところ、
さらには、分かり易さを求められたがゆえに多用していたであろうモノローグさえ排したところに覚悟を感じた。
もちろん「物語」には賛否があるだろう、しかし『秒速~』のころの繊細な描写をさらに研ぎ澄ませていく「表現」に関して文句をいうものは居ないのではないか。
この点において新海誠は、「ド」のつくメジャーであるにも関わらず、「超」のつく孤高の存在だと思う。
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第15位『LOVE LIFE』
静かだが、こころが「ざわつく」映画の名手・深田晃司が、ミュージシャン矢野顕子による同名アルバムにヒントを得て描く、とある夫婦の再構築の物語。
その再構築のさまが、オセロという絶妙な小道具によって表現されている。
白へ黒へと反転が加速し止まらぬ怖さ…木村文乃がキャリア最高の演技を披露し、今後が楽しみになった。
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第14位『ポゼッサー』

殺しのターゲットの「近しい他者」の意識に入り込み、殺人を遂行する。
「遠隔殺人」が可能になった近未来を描く、ブランドン・クローネンバーグの監督第2作。
ノーランやスピルバーグが好みそうな題材だが、手がけたブランドンの父親は奇人デヴィッド、血は水よりも濃いことを完全証明するような悪夢的映像が展開され頭がくらくらした。
あきらかに万人受けする作風ではないが、マニアはすでに父と子それぞれの最新作を期待していることだろう。
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第13位『PLAN75』

期待の俊英・早川千絵による初監督作であり、カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)の次点に選出された力作。
75歳以上が自ら生死を選択出来る制度が施行された「ある時代の」日本を舞台に、その制度で揺れ動く人々を描く。
つまりは近未来の楢山節考。
SFといえばハリウッドの専売特許―と勝手に思っていたが、こういう設定であれば日本でも勝負出来るし、ちょうどゴダールの(はっきりいって)自死のニュースもあっただけに、いろいろ考えさせられるところがあった。
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第12位『HYODO 八潮秘宝館ラブドール戦記』

埼玉は八潮市の住宅街―世界にひとつしかないラブドール秘宝館「八潮秘宝館」を経営する男、兵頭喜貴のキテレツな日常を追う、愛すべきドキュメンタリー。
面白いのはこの秘宝館が一部のマニアによって聖地化され、海外からのファンも訪れるようになったこと。
孤立もしない、近隣住民からの抗議も(それほど)ない。
ここはユートピアか? と思った。
題材ゆえ、さらにいえば兵頭氏の自撮りセックス映像もあるため「当然のように」年齢制限のかかった映画だが、あらゆる世代が元気になる要素を秘めている佳作だと思う。
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第11位『マイスモールランド』
難民申請が不認定となり、在留資格を失った在日クルド人サーリャの苦難の日々を描く青春映画。
彼女は劇中で「しょうがない」と何度もつぶやく。
手に記された「赤い丸」はなかなか消えないのに、「日本人であること」は常に揺らいでいるのが象徴的だった。
モデルの嵐莉菜は逸材だが、いまの日本映画はこういうひとをうまく起用出来ないのが問題、よい次回作に恵まれますように!
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明日のコラムは・・・
『監督だって、にんげんだもの。。。その弐~2022回顧⑧~』
きょうから3日間は、本年度の劇場公開映画16傑を展開。
最終日に、全体を俯瞰してみるつもりです。
第一夜目は、16位~11位を発表。
それでは、いくぜ!!
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第16位『すずめの戸締まり』
メジャー3作目にして、すでに「巨匠感」さえ漂わせる新海誠の最新作。
1・2作目にあった「におわせ」ではなく、日本の特徴的な災害をそのまま物語に組み込みんだところ、
さらには、分かり易さを求められたがゆえに多用していたであろうモノローグさえ排したところに覚悟を感じた。
もちろん「物語」には賛否があるだろう、しかし『秒速~』のころの繊細な描写をさらに研ぎ澄ませていく「表現」に関して文句をいうものは居ないのではないか。
この点において新海誠は、「ド」のつくメジャーであるにも関わらず、「超」のつく孤高の存在だと思う。
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第15位『LOVE LIFE』
静かだが、こころが「ざわつく」映画の名手・深田晃司が、ミュージシャン矢野顕子による同名アルバムにヒントを得て描く、とある夫婦の再構築の物語。
その再構築のさまが、オセロという絶妙な小道具によって表現されている。
白へ黒へと反転が加速し止まらぬ怖さ…木村文乃がキャリア最高の演技を披露し、今後が楽しみになった。
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第14位『ポゼッサー』

殺しのターゲットの「近しい他者」の意識に入り込み、殺人を遂行する。
「遠隔殺人」が可能になった近未来を描く、ブランドン・クローネンバーグの監督第2作。
ノーランやスピルバーグが好みそうな題材だが、手がけたブランドンの父親は奇人デヴィッド、血は水よりも濃いことを完全証明するような悪夢的映像が展開され頭がくらくらした。
あきらかに万人受けする作風ではないが、マニアはすでに父と子それぞれの最新作を期待していることだろう。
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第13位『PLAN75』

期待の俊英・早川千絵による初監督作であり、カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)の次点に選出された力作。
75歳以上が自ら生死を選択出来る制度が施行された「ある時代の」日本を舞台に、その制度で揺れ動く人々を描く。
つまりは近未来の楢山節考。
SFといえばハリウッドの専売特許―と勝手に思っていたが、こういう設定であれば日本でも勝負出来るし、ちょうどゴダールの(はっきりいって)自死のニュースもあっただけに、いろいろ考えさせられるところがあった。
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第12位『HYODO 八潮秘宝館ラブドール戦記』

埼玉は八潮市の住宅街―世界にひとつしかないラブドール秘宝館「八潮秘宝館」を経営する男、兵頭喜貴のキテレツな日常を追う、愛すべきドキュメンタリー。
面白いのはこの秘宝館が一部のマニアによって聖地化され、海外からのファンも訪れるようになったこと。
孤立もしない、近隣住民からの抗議も(それほど)ない。
ここはユートピアか? と思った。
題材ゆえ、さらにいえば兵頭氏の自撮りセックス映像もあるため「当然のように」年齢制限のかかった映画だが、あらゆる世代が元気になる要素を秘めている佳作だと思う。
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第11位『マイスモールランド』
難民申請が不認定となり、在留資格を失った在日クルド人サーリャの苦難の日々を描く青春映画。
彼女は劇中で「しょうがない」と何度もつぶやく。
手に記された「赤い丸」はなかなか消えないのに、「日本人であること」は常に揺らいでいるのが象徴的だった。
モデルの嵐莉菜は逸材だが、いまの日本映画はこういうひとをうまく起用出来ないのが問題、よい次回作に恵まれますように!
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明日のコラムは・・・
『監督だって、にんげんだもの。。。その弐~2022回顧⑧~』