2022年度の映画総括、第四夜―。
今宵は、映画界の総括を展開します。
…………………………………………
①MCU論争
MCUとは、2008年から映画制作が始まった「マーベル・シネマティック・ユニバース」(Marvel Cinematic Universe)の略。
大雑把にいえば「漫画・アニメ発のスーパーヒーロー映画」のことで、いちばんの特徴は「単体のようでいて、その実、つながっている」ところ。
興行ランキングの大半がこれらの映画に占拠されていることから、巨匠陣から「否!」の意見が殺到した。
スコセッシ「映画館をアミューズメントパークのように変えるタイプの映画は、映画とは全く別の体験だと思う。賛成のひとも、反対のひとも居るだろうけど、あれはシネマとはいえない」
コッポラ「スコセッシはマーベル映画に“卑劣だ”といわないだけ優しい。自分ならそういうね」
ケン・ローチ「マーベル映画はハンバーガーのような商品。大きな利益を上げるためのものでしかなく、それは皮肉な活動ともいえる。映画芸術とは何の関係もない」
タランティーノ「現在のハリウッドが、それだけにしか興味がないように見えるからボクは批判する。他の作品が入る余地があまりないんだもの」
それを受けMCU組は反論、
ジェームズ・ガン「人々が作品を観もせずに、スコセッシの『最後の誘惑』を批判したときは憤りを感じたけど、そんな彼が僕の作った作品をそれと同じように批判しているのは悲しい」
ロバート・ダウニー・Jr.「世間では、スーパーヒーロー映画というジャンルが映画というものの芸術性をダメにしたという意見がたくさんある。もしそれが問題だっていうなら、僕はその“問題”の一部になれたことを嬉しく思うよ。だって、(スーパーヒーロー映画というジャンルは)まるで野獣のように大きな足音を立てながら、ほかの競争相手たちをどんどん踏み潰していったんだよ。それって、驚異的なことじゃないか」
サミュエル・L・ジャクソン「映画は映画。誰もがスコセッシの映画を好きだというわけでもないし、それぞれに意見があっていいと思う。それで誰かが映画作りをやめるきっかけにもならないし」
この問題で「受け手」が難しいというか頭をポリポリと(^^ゞかかざるを得なくなるのは、結局は好きなほうを応援してしまうことになるから、、、という。
自分の場合は、もちろん前者。
しかし、とくに若い映画ファンは自分たちの青春―熱狂するもの―に水を差された感じになってしまい、いわゆるクラシックの創り手たちに対し「老害!」と拒否反応を示しがちになってしまうのよね。
私見をいえば。
もちろん前者を支持しつつ、いいぞもっとやれ、喧嘩しようぜ!!と煽りたいんですよ。
海外の映画祭で受賞した北野武に、津川雅彦が噛みついたようなもので。
あるいは、押井守がアンノに対し文句しかいわない、、、みたいな(^^;)
それでいいと思うんです。
喧嘩はやめて~♪
ではなく、もっとやれ♪♪ と煽る自分のようなヤツも多いのではないかしら。。。
映画監督だって、にんげんなんだもの。
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②ウィル・スミス殴打問題
これは本ブログで何度も取り上げているので割愛。
ただ「こういうことがあったことを忘れてはいけない」という考えから、ここにトピックスとして記しておく。
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③映画倍速問題
『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ―コンテンツ消費の現在形』という本が話題に。
「社会一般編」でも述べたことの繰り返し―そういうひとも居るだろう―になるのだけれど、
でもね、実際はそれほど多くもないんじゃないの??と思っていたりもする。
話を聞くと、ニュースだったりスポーツだったりを「倍速」していることが多く、「編集のリズム」が大事になってくる映画を「倍速」しているひとって、ほんの、ほんのほんのごく一部らしいし、
はっきりいって、そういうひとたちと「可能なかぎりかかわらない」生活が出来るのであれば、勝手にすれば?というのが本音なのです。。。
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④『レイジング・ブル』初スクリーン鑑賞
この項目のなかでは、最も個人的なこと、、、ではある。
しかし。
影響力がないに等しい自分のようなヤツでも「まっき~が発信しているから観てみた」というひとが何人か居て、
そうだよな、友人から昔「映画の福音を伝える使徒になってくれ」といわれたことがあるんだもん、
頑張らなくっちゃ!!と思ったものである。
午前十時の映画祭・事務局のみなさん、ありがとう。
来年も名作の劇場上映、つづけてください!!
…………………………………………
⑤『ドライブ・マイ・カー』現象
腐ってもオスカー、
であるからして、アクションもない、静謐な180分の映画が興行的に大健闘をみせてくれた。
「ワケわからん」という声もちらほら聞こえたが、いっぽうで「こういう映画もあるのか」と新鮮な驚きを覚えたという声も。
映画祭や映画賞の効用ってココなんだよ。
殴打事件をパロディにして笑ったり、どっちかだけを吊るし上げることじゃないんだ。
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~2022年・劇場公開映画16傑~
第01位『チタン』
第02位『水俣曼荼羅』
第03位『リコリス・ピザ』
第04位『麻希のいる世界』
第05位『もっと超越した所へ。』
第06位『コーダ あいのうた』
第07位『焼け跡クロニクル』
第08位『流浪の月』
第09位『ビリーバーズ』
第10位『トップガン マーヴェリック』
第11位『マイスモールランド』
第12位『HYODO 八潮秘宝館ラブドール戦記』
第13位『PLAN75』
第14位『ポゼッサー』
第15位『LOVE LIFE』
第16位『すずめの戸締まり』
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明日のコラムは・・・
『コレ流しながらモノ書きます^^』
今宵は、映画界の総括を展開します。
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①MCU論争
MCUとは、2008年から映画制作が始まった「マーベル・シネマティック・ユニバース」(Marvel Cinematic Universe)の略。
大雑把にいえば「漫画・アニメ発のスーパーヒーロー映画」のことで、いちばんの特徴は「単体のようでいて、その実、つながっている」ところ。
興行ランキングの大半がこれらの映画に占拠されていることから、巨匠陣から「否!」の意見が殺到した。
スコセッシ「映画館をアミューズメントパークのように変えるタイプの映画は、映画とは全く別の体験だと思う。賛成のひとも、反対のひとも居るだろうけど、あれはシネマとはいえない」
コッポラ「スコセッシはマーベル映画に“卑劣だ”といわないだけ優しい。自分ならそういうね」
ケン・ローチ「マーベル映画はハンバーガーのような商品。大きな利益を上げるためのものでしかなく、それは皮肉な活動ともいえる。映画芸術とは何の関係もない」
タランティーノ「現在のハリウッドが、それだけにしか興味がないように見えるからボクは批判する。他の作品が入る余地があまりないんだもの」
それを受けMCU組は反論、
ジェームズ・ガン「人々が作品を観もせずに、スコセッシの『最後の誘惑』を批判したときは憤りを感じたけど、そんな彼が僕の作った作品をそれと同じように批判しているのは悲しい」
ロバート・ダウニー・Jr.「世間では、スーパーヒーロー映画というジャンルが映画というものの芸術性をダメにしたという意見がたくさんある。もしそれが問題だっていうなら、僕はその“問題”の一部になれたことを嬉しく思うよ。だって、(スーパーヒーロー映画というジャンルは)まるで野獣のように大きな足音を立てながら、ほかの競争相手たちをどんどん踏み潰していったんだよ。それって、驚異的なことじゃないか」
サミュエル・L・ジャクソン「映画は映画。誰もがスコセッシの映画を好きだというわけでもないし、それぞれに意見があっていいと思う。それで誰かが映画作りをやめるきっかけにもならないし」
この問題で「受け手」が難しいというか頭をポリポリと(^^ゞかかざるを得なくなるのは、結局は好きなほうを応援してしまうことになるから、、、という。
自分の場合は、もちろん前者。
しかし、とくに若い映画ファンは自分たちの青春―熱狂するもの―に水を差された感じになってしまい、いわゆるクラシックの創り手たちに対し「老害!」と拒否反応を示しがちになってしまうのよね。
私見をいえば。
もちろん前者を支持しつつ、いいぞもっとやれ、喧嘩しようぜ!!と煽りたいんですよ。
海外の映画祭で受賞した北野武に、津川雅彦が噛みついたようなもので。
あるいは、押井守がアンノに対し文句しかいわない、、、みたいな(^^;)
それでいいと思うんです。
喧嘩はやめて~♪
ではなく、もっとやれ♪♪ と煽る自分のようなヤツも多いのではないかしら。。。
映画監督だって、にんげんなんだもの。
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②ウィル・スミス殴打問題
これは本ブログで何度も取り上げているので割愛。
ただ「こういうことがあったことを忘れてはいけない」という考えから、ここにトピックスとして記しておく。
…………………………………………
③映画倍速問題
『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ―コンテンツ消費の現在形』という本が話題に。
「社会一般編」でも述べたことの繰り返し―そういうひとも居るだろう―になるのだけれど、
でもね、実際はそれほど多くもないんじゃないの??と思っていたりもする。
話を聞くと、ニュースだったりスポーツだったりを「倍速」していることが多く、「編集のリズム」が大事になってくる映画を「倍速」しているひとって、ほんの、ほんのほんのごく一部らしいし、
はっきりいって、そういうひとたちと「可能なかぎりかかわらない」生活が出来るのであれば、勝手にすれば?というのが本音なのです。。。
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④『レイジング・ブル』初スクリーン鑑賞
この項目のなかでは、最も個人的なこと、、、ではある。
しかし。
影響力がないに等しい自分のようなヤツでも「まっき~が発信しているから観てみた」というひとが何人か居て、
そうだよな、友人から昔「映画の福音を伝える使徒になってくれ」といわれたことがあるんだもん、
頑張らなくっちゃ!!と思ったものである。
午前十時の映画祭・事務局のみなさん、ありがとう。
来年も名作の劇場上映、つづけてください!!
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⑤『ドライブ・マイ・カー』現象
腐ってもオスカー、
であるからして、アクションもない、静謐な180分の映画が興行的に大健闘をみせてくれた。
「ワケわからん」という声もちらほら聞こえたが、いっぽうで「こういう映画もあるのか」と新鮮な驚きを覚えたという声も。
映画祭や映画賞の効用ってココなんだよ。
殴打事件をパロディにして笑ったり、どっちかだけを吊るし上げることじゃないんだ。
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~2022年・劇場公開映画16傑~
第01位『チタン』
第02位『水俣曼荼羅』
第03位『リコリス・ピザ』
第04位『麻希のいる世界』
第05位『もっと超越した所へ。』
第06位『コーダ あいのうた』
第07位『焼け跡クロニクル』
第08位『流浪の月』
第09位『ビリーバーズ』
第10位『トップガン マーヴェリック』
第11位『マイスモールランド』
第12位『HYODO 八潮秘宝館ラブドール戦記』
第13位『PLAN75』
第14位『ポゼッサー』
第15位『LOVE LIFE』
第16位『すずめの戸締まり』
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明日のコラムは・・・
『コレ流しながらモノ書きます^^』