Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(454)

2023-04-13 00:10:00 | コラム
しんしあぎ「ぶ」→「ぶ」ぎーないつ

現役の映画監督で、いちばんの推し。
そりゃもちろん、スコ爺ことマーティン・スコセッシ。

ついで塚本晋也、

3番目にくるのがPTAことポール・トーマス・アンダーソン52歳になるのだが、


「最も先端をいく映画監督」というお題であれば、最初に名前を挙げるだろう。

デビュー時から天才だった―ことはたしかだけれども、初期にかぎっていえば「次世代の〇〇」みたいな存在だったわけで。

最初に注目された『ブギーナイツ』(97)では「スコセッシの後継者、現る」と評され、
『マグノリア』(99)では「いや、彼は次世代のロバート・アルトマンかもしれない」と恐れられる。

うんたしかにこの映像スタイル、『グッドフェローズ』(90)的だったもんね^^


だが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)あたりになると、
「おや、PTAはスコ爺でもアルトマンでもないのかもしれない…」と思われるようになり、

『ザ・マスター』(2012)で「そうか!彼は前人未到の地を目指しているのだ!」と気づくにいたる。


『ブギーナイツ』は、70~80年代のポルノ映画界の周辺、その隆盛と衰勢を描いた佳作である。


巨根を売りにしてポルノ俳優として成りあがる主人公ダーク・ディグラー役に、マーク・ウォールバーグ。
いぶし銀の監督役に、すでに一線から退いていた感のあるバート・レイノルズ。
女優やりながら娘の親権を元旦那と争うアンバー役に、わがいとしのジュリアン・ムーア。

そして。プレイ中でもローラースケートを外さないローラーガール役に、ヘザー・グラハム。



「ポルノ女優だからすぐにやらせてくれるんだろ?」みたいな「偏見への怒り」も描かれるには描かれるものの、そこはあくまでもサイドストーリーでしかなく・・・

①歴史としては一般映画と変わらぬ流れを汲んでいること=衰勢の一大要因を「ビデオの流通」としている、
②躓きのきっかけとしてクスリに走ったりする描写もまた、一般映画のそれと変わらない、

この2点が勝因で、
たとえばアダルトビデオ業界を舞台にした日本の作品って、『全裸監督』(2019)もそうだったかもしれないが「かなり特殊なもの」として描くでしょう、

普遍性を目指したり、共感させようとするよりも、
(そういうのもあるけどね)

「異世界感」が際立つ創りになっているというか。


あっちの世界もこっちの世界も変わらない、むしろ地つづきなんだ。
そんな描きかたが、とっても新鮮だったのだよなぁ!!





次回のしりとりは・・・
ぶぎーない「つ」→「つ」がわまさひこ。

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明日のコラムは・・・

『愛をとりもどせ』
コメント
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