Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

秋刀魚のにおい

2012-10-21 00:15:00 | コラム
だいたい、20時~深夜3時までのあいだにジョギングをする。

60~70分くらいかけて、10kmをゆっくりと。
コースは近くを流れる恩田川沿いで、体力と時間を気にせず走り続ければ横浜に出て、川はいつの間にか鶴見川になっている。

この時期は上にはウィンドブレーカー「的なもの」を羽織るが、下は膝までのスパッツのまま。
しかし左膝に爆弾を抱えているのでバンテリン製の黒サポーターを装着、さらに右足首も痛め易いので同じく黒サポーターを装着―ほとんど桜庭和志のような満身創痍状態で走っているわけだ。

じつはそこまでするほど悪化していないのだが、形から入るヤツでね。


そのコースには交番があり、そこの時計で途中までのタイムなどを確認するのだが、ここに警官が居るところをいちども見たことがない。
もう3年くらいジョギングを続けているのに、、、である。

灯りはついているが、ひとの気配がしない―おいおい大丈夫なのかと通り過ぎると、しばらくは一軒家が続く。
この一帯は、走る時間が早ければ早いほど夕飯の匂いが漂ってきて危険である。

きょうは煮物だね。
カレーかな。
酸っぱい感じがするけど、なに?

鼻が悪いはずなのに、この一帯を走るときだけワンちゃん並の鼻として機能するみたいだ。

そんな夕飯の匂いから、家族構成なんかを想像してみたり。
いや、そうでもしないと空腹感にやられて走っていられなくなるのだ。

とくにこの時期は、秋刀魚の匂いがひどい。
走る日、走る日、どこかの家で秋刀魚を焼いている。

トーゼンだが、こっちのジョギングなんかお構いなしで焼きまくっている。

そのままで食べるのか?
醤油をたらす??
大根おろしつきで???

関係ないが、
この前の『ガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ)で浜田雅功が「さんまのひつまぶし」を試していたけれど、あれはぜんぜん旨そうじゃなかったぞ!!

とかなんとか、いろんなことを考えちまう。

くそっ! こっちは帰還後、熱い湯に浸かってビールを呑む・・・まではよいが、大量の米にレトルトカレーをかけるだけというのに!!

それでも充分に幸福のはずだが、ひとは上ばかり見るイキモノだからね。


じゃあ遅い時間帯に走ればいいのだが、閉じこもって文章書いたりマスかいたりしていることが多いから、他者の存在を確認したいという思いが強い。
早い時間帯であれば、ひとともすれ違うし、同じようにジョギングをしているひとだって居る。
ひとの姿が見えなくても、家々の灯りや、そこから漂ってくる夕飯の匂いで「生活」があることが分かる。


ひとりで居ることが好きと公言してきた割には、寂しがり屋ということか。


仕方がないので、秋刀魚の缶詰を食べながら、ももクロの『走れ』を聴くことにした・・・って、オメーも焼けばいいじゃんか!! というオチである。


※トップ画像は、小津の遺作『秋刀魚の味』(62)。原節子より岩下志麻のほうが好きなので、一連の作品? より、こっちのほうが好みだったりする。

※※まだ『Z』が冠せられる前のライブより




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「ゲバ」リズム 追悼、若松孝二

2012-10-20 00:15:00 | コラム
若松孝二の追悼文の半分を仕上げて煙草を吸っているところで、シルビア・クリステルの訃報が入ってきた。

訃報というのは不思議と続くものだが、無関係といえば無関係、しかし、べつの畑の住人ともいえず、ハダカを通して世の中を見つめようとした点で同胞ともいえるふたりの死者・・・なんだか感慨深くなったので、前半の構成を切り崩す形で、まずはクリステルについて語りたい。


何百人という数のAV女優にインタビューしてきたが、この仕事を始めた当初はオリジナルな問いなど用意出来ず、最初はきまって「この世界に入るきっかけは?」と聞いていたものだった。

そのなかでいちばん面白いというかエッジの効いた返しだと思ったのが、
現役女子大生の「合コンとかに参加するたび、男の子から“AVに出ていそうな顔だよね”と冷やかされ、うまく返すことが出来なかった。だから“うん、その通り。ほんとうに出ているの♪”といって驚かしてやりたくて、出ることに決めた」というもの。

嘘か誠かはあまり関係がない、その時点で聞き手が「面白い子だ」と思うのだから。

現在は、敢えてそういう問いは投げかけない。
何遍も聞かれうんざりしているだろうし、そんな問いでは彼女たちの「奥の奥」に辿り着けないだろうと思って。
その代わりに、まず自分の嗜好―基本は「ぶっかけ」、一心不乱なフェラが好きだからカメラ目線は不要、出来ればソックスは脱がないでほしい―を告白し、そういう変態的なユーザーに対して「どう思う?」と聞くようにしている。

「やっぱりファンタジーの世界だから、そういうひとが居ていいし、それに応えられるように頑張りたい」
「優等生だねぇ。優等生過ぎる、といっていいくらい。それ本心?」
「嘘はついてないですよ」
「こういうのに出たいとか、そういう希望はない?」
「ありますよ、そりゃ。いまのAVって、やっぱり男性ユーザーがメインでしょ」
「うん」
「彼氏に付き合わされて観る女子も居るけど、なにがいいのか、よく分からない子って多いと思うんです」
「そうかもね」
「でも横を観たら、彼がギンギンになっていたりして」
「(笑う)」
「昔より女性監督が増えたり女性ユーザー向けが出てきたりしていると思うんですけど、まだぜんぜん。だから、あたしは、100%“女のための”AVを創ってみたい」

そう思ってかどうかは分からないが、シルビア・クリステルは、そんな女子の性的欲望の象徴としてスクリーンに裸体を晒すことになる。
74年、自分の生まれた年のことだった。

『エマニュエル夫人』は世界中でスマッシュヒットを記録したが、支持した大半は女性だったという。

自分の性事情を告白すれば、『エマニュエル夫人』を観て勃起はしなかった。もっといえば、シモの世話になったこともない。
それは日本のピンク女優にもいえることで、美保純や宮下順子でナニをナニしたことはないのだった。

だが男というのは不思議なイキモノで、スクリーンやブラウン管ごしではあるものの、ハダカを見たというだけで、その女に対し寛容になる。
寛容というのはちがうかもしれない、知り合いでもないのに情が芽生えるというか、馬鹿みたいな表現でいえば「ハダカを見せてくれてありがとう」みたいな、そんな感情があるから、好き嫌いを超えて一目置くようになる。
ネット上では否定的意見が絶えなくても、やまぐちりこや飯島愛のDVDが本棚にあったりするのは、そういうことなんじゃないか。
「俺、あいつの乳首、知ってるんだぜ」みたいな。みんな、知っているというのに。

そんなわけだから、
たとえ顔や身体が好みでなく、物語そのものに感情移入出来なかったとしても、なんだかんだいってクリスタルの主演作に注目してしまう自分が居た。
さっきフィルモグラフィを調べてみたら、日本で触れられるすべての作品を観ていることに気づき、ハッとしたところなのである。

17日死去、享年60歳。
ちと若いが、ヘビースモーカーの宿命か、咽頭癌や肺癌を患い、脳卒中で倒れ、夏から入院していたという。

『エマニュエル夫人』の藤椅子や、いちど聞いたら忘れないテーマ曲は、現在でも沢山のパロディが生まれている―ソフトコアとはいえ、ポルノがこうした市民権を得るのは難しいこと。というか、このシリーズ以外にそれを成し遂げた作品はない。

そういう意味で、どえらいことをやってのけた女優なのだった。

合掌。

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「生命力のあるひとなので、楽観していたけれど・・・。いいお顔をしていました。闘い続けた男の終焉でしょう。喧嘩のしかたや酒の呑みかたまで教えてもらった、面白いオッサンでした」(崔洋一)

クリステルのような女優を沢山集めて映画を撮っていたのが、若松孝二である。

近年はテーマを「政治」に特化したイメージがあるが、その本質は変わらなかった。
寺島しのぶの熱演が光る『キャタピラー』(2010)を、反戦映画ではなくエログロウンゲロミミズの映画と解釈したものも居るのではないか。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008)は、長谷川和彦の代わりに撮った映画だと思った。
『キスより簡単』を映画化(89)した際には眩暈がしたが、生き残るためだったのかもしれない。

やさぐれた青春を送っていた若松少年は傷害の罪で警察に捕まったことがあるが、
映画業界に身を置くようになってからも、激高したりひとを殴ったりする「習性」は変わらなかった。
それが原因でクビになったり先輩に嫌われ異動になったりしたが、その終着点が「幸運にも」ピンクだった。

もてあますエネルギーをすべてフィルムに焼きつけたら、とくに若い観客から熱烈な支持を得るようになる。
こうして、戦う映画監督・若松孝二が誕生した。

初期映画は内容よりもタイトルに秀でていて、よほど処女性に価値を見出していたのか、『処女ゲバゲバ』(69)や『ゆけゆけ二度目の処女』(69)など、観客を選ぶ映画を量産する。
そう若松孝二という人物を簡潔に評せよといわれれば、自分は「生涯、観客を選ぶ映画を撮り続けた」と評す。
ベタかもしれないが、これを「ゲバリズム」と命名しよう。

監督作でゲバリズムの究極を挙げるとするなら82年の『水のないプール』、
プロデュース作でゲバリズムの究極を挙げるとするなら、それは『愛のコリーダ』(76…トップ画像)になるだろう。

前者は内田裕也が主演、クロロホルムを撒き散らし女を強姦するというサイテーな内容だが、奇妙でイビツな哀しみと怒りが充満し、なんともいえぬ高揚感に襲われる。

しかし若松孝二の最大の功績は、後者の制作過程にあった―と、個人的には思う。

阿部定と吉蔵の「事件」を「神話」と捉えようとした『愛のコリーダ』は、いろんなものと戦って完成にまで漕ぎつけた労作である。
最大の敵は「表現」で、ハードコアポルノをNGとしている日本への挑戦として、撮影したフィルム(セックス本番撮影)をフランスに直送、つまり外国で現像し編集作業をおこなった。

監督オオシマの凄まじい野心は、映画に触れれば分かる。
しかしその野心を支えたのがプロデューサーの若松であったことは、この制作過程を知らなければ分からない。

監督とプロデューサーの共闘と、その結晶。こうして『愛のコリーダ』は、神話として完成した。

神が降りたとかいうのは、神が乱用される現代ではひどく安っぽい表現かもしれない。
だが『愛のコリーダ』のフィルムに神が宿っているのは、この映画に触れた大半のものが知っている。

若松孝二とは、そういうことを成し遂げたひとなのだ。

17日死去、享年76歳。

合掌。





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mismatch

2012-10-19 00:15:00 | コラム
ギャラあるいは給料が出ると欠かさずケンタッキーフライドチキンに向かう―という行動を、上京してからずっと続けてきた。

つまり20年間、月に1度以上であるからして、

12×20で240回、

1度の注文で少なくとも15ピースは頼むから、

240×15で、3600ピースは食べたことになる。

少なく見積もったので、実際には4000ピースを超えているはずである。
1ピース(現在)240円だから、合計96万円! サイドメニューだって注文するわけで、100万円は使ってきたわけだ。

とんだチキン野郎だぜ。

日本人平均の何倍くらいチキンを喰らっているのか誰か調べてほしいが、
この行為は多重債務者時代も続けられた。

だから借金地獄に陥るんだよ! と突っ込まれそうだが・・・
そのころの一日の流れは、こうだ。

(1)ATMでギャラあるいは給料を「1円単位」まで下ろす。
(2)プロミスのATMで借金返済。納めた直後に融資限度額が少し戻る・・・といっても数千円程度だが、それを借り入れる。
(3)アイフルのATMで借金返済。以下同文。
(4)武富士のATMで借金返済。以下同文。
(5)アコムのATMで借金返済。以下同文。
(6)レイクのATMで借金返済。以下同文。
(7)オリコのATMで借金返済。以下同文。
(8)アプラスのATMで借金返済。以下同文。

こんな風にして、数時間はATMめぐりに費やされる。
その結果、たとえば20万円下ろしたとしても、手元には2万円程度しか残らない。
ないのに、その足でケンタッキーに向かうのである。

ちゃんぽん馬鹿だが、それに比べれば現在はほんとうに楽だ。

金下ろして、ケンタッキー町田店に直行。
チーフらしきおばさんに「いつもありがとうございます」と感謝されながら、両手にチキンな袋を持ち帰還する。

そんな感じで一昨日もケンタッキーで大量テイクアウトをしてきたのだが、随分前の『さまぁ~ず×さまぁ~ず』(テレビ朝日)で三村マサカズが面白いことをいっていたのを思い出した。

チキンは食べたいが、ポテトはマクドナルドのがほしい。
そう思って、試してみたんだそうだ。

しかし。

いつもは大好きなマックのポテトが、美味に感じられなかったというのだ。

三村の出した結論は、マックポテトの「カリカリ感」がチキンの濃さに負けてしまっていると。
「カリカリ感」はパン類にマッチするのであって、チキン類にはミスマッチだと。
チキン類にマッチするのは「じゃがいも! じゃがいも!!」したケンタッキーの太いポテトであり、
各ファストフードにおけるポテトの太さや食感のちがいは、じつはそーとー計算されてのことなのだ、、、と。

ほんとうだろうか。

というわけで、自分も試してみた。

結論からいうと、三村のミスマッチの法則は正解。
べつに不味いというわけではないが、マックポテト特有の「後を引く」感じが消えてしまっているのだった。

そうか、それでケンタポテトはあんなに太かったのか。
4000ピースも喰っているクセして、ぜんぜん気づかなかった。

ありがとう三村とカーネル・サンダース、少しだけ利口になった感じがするよ。


まぁそれでも、きっちり18ピースとポテトL×2を完食しているのだから、なにがなんだか分からないチキン野郎のままなのだけれどもね!!


最後に。
トップ画像は、現役を引退したばかりのバドミントン潮田玲子だが、彼女はほんのちょっとだけケンタッキーのCMキャラクターを務めていた。
引退やら結婚やらでネットのニュースに載ることが多い最近の彼女、なんで? というくらい否定的なユーザーコメントが多い。
美人で引退後の就職先も決まっていて幸福な結婚もして・・・それに対するヤッカミかと思ったが、まぁそれもあるのだろうけれど、ブログに彼氏への想いをポエムにしたことがきっかけで「イタい」という評価を受けたらしい。否定コメントの嵐も、それ以降だったようだ。

じつは北京五輪当時、写真集を買っちゃうくらいオグシオ、とくに潮田玲子のことが好きだったんだが、ポエム程度では評価を変える気なんかない自分でも、最近ちょっと魅力が落ちたな・・・と感じていたのである。

なんかエラソーだけどね自分、エラソーついでにいってしまえば、それはたぶん単純なことで、
男女ペアのイケシオになってから魅力半減、
個人的にはオグシオのオグのほう、小椋久美子はあんまり好きではなかったのだが、ふたりで居るからこそ潮田玲子は「より」魅力的に見えた、、、ということなのだろう。





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初体験 リッジモント・ハイ(21)

2012-10-18 00:15:00 | コラム
体重が100kgを超すガキに、服を選ぶ資格なんてない。

米国ならともかく、
そうでなかったとしても現代の都会ならともかく、約20年前の群馬の片田舎であるし。
というわけで、肥満児だった自分はひたすら、いまでいうスウェット「みたいなもの」を着ていた。

かーちゃんが買ってくれた上下揃いの。
ウエスト部分がゴムでビヨーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンと伸びるやつ。
洗濯する度に毛玉がいっぱいつくような。

これだ

それで文句はなかったし、お洒落をしようなどという発想も浮かばなかった。

そんなことよりも、ポテトチップスの在庫は切らしていないか、冷蔵庫にサイダーが入っているのか・・・のほうが、重要だったのだ。

減量を決意したのは、複数の理由が合わさった結果である。

(1)童貞を捨てたい

(2)順序が逆のような気もするが・・・女子にモテたい

(3)体型が理由(それだけが理由ではないが)で、いじめられていた

(4)自分のことを好きになりたかった

いまとなっては(4)の意識が最も強かったような気もするが、これらの理由から減量を決意した。
「お洒落がしたい」という理由は入らなかったし、痩せてそういう気持ちが芽生えるようになるとは思ってもみなかった。

そう、痩せた途端に、

「ジーンズ穿いてみたい!」
「ベルトしてみたい!」(ベルト要らず、、、だったのよ)
「タンクトップ着てみたい!」

と思ったのである。

それにしても「タンクトップ着てみたい!」には、我ながら笑える。
決してお洒落アイテムではないのに、肥満児に最も適さないものだから着てみたくなった、、、ということなのだろう。


さぁあとは、アルバイトで貯めた金を使ってお洒落アイテムを買うだけだ。
片田舎といっても、駅前まで行けば同世代のアンちゃんが好むアイテムくらいは売っている、、、しかし、そこで買うことはしたくなかった。

なぜ?

恥ずかしいのである、はじめての「おつかい」が。
クラスメイトに洒落気づいたところを、見られたくなかったのである。

そこで。
ある日曜日、自転車に乗り館林市を越え太田市に入る・・・も、まだまだペダルを漕ぎ続け、ほとんど伊勢崎市、、、というところまでやってきて、やっとのことでジーンズショップ? の前で自転車を止めた。

ヴィンテージのジーンズでもお探しですか? ってな距離である。

しかし入店するも、なにをどうすればいいのか分からない。
ただここはたぶん、一期一会の店。さすがにクラスメイトは居ないだろうし、恥ずかしい質問をしても店員と二度と顔を会わせることはない。

だから、

「イマドキの若いひとが穿くジーンズ、ほしいんですけど」

と聞いたのだった。

イマドキって、ねぇ。

けれども店員さんは嘲笑することもなく、懸命になって自分に似合うものを探してくれた。

そこで購入したのは、初ジーンズだというのにLeeのブラック、それからベルトと、27歳くらいまで愛用することになるトレーナー。

「この組み合わせ、かなりグッドです」という店員さんを信じての買い物だった。

ん?

そのとき、どんな格好で買い物に行ったのか・・・だって?
お洒落アイテムひとつもなかったんだろ・・・だって?

そのとおり。

やっぱりスウェットだったんだな。
リンク画像よりはマシだけれど、決して格好いいとはいえない感じの。

だから。

買ったものを試着室で着て、そのまま帰ってきたというわけ。毛玉のちょっとだけついたスウェットを、自転車のカゴに入れて。


店員さん、ありがとう。
あのころに比べれば、少しはお洒落になったんじゃないかな、自分。。。


※きょうのトップ画像は、映画史上で最もお洒落な学校制服のデザインだと思う『トレインスポッティング』(96)。
少しスカートが長過ぎる気もするけれど。

※※ジーンズつながりで、ジェニファー・ラブ・ヒューイットの格好いいCMを




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初体験 リッジモント・ハイ(20)

2012-10-17 00:15:00 | コラム
数年くらい前の話―。
仕事なしの完全オフだったその日、渋谷の街を浮浪者のように歩いていたら、職場で仲良く話す女子とばったり出くわした。

彼女は開口一番、「ふだんと、ぜんぜんちがう。なんかお洒落」
「そりゃあね、こっちだっていい歳だし」
「デート?」
「だとしたら、もっとお洒落する」

彼女は職場で「お洒落番長」みたいな存在だったから、そういう子に評価されるとうれしい。

とはいえ、そんなに気合が入っていたというわけでもない。
彼女に評されたあとデパートの大きめのトイレに入って全身をチェックしてみると・・・
グリーンのニットキャップ(冬だった)に、グリーンのスニーカー、ちょっと独特な迷彩柄のハーフパンツ(冬なのに)・・・という具合に、なんとなく色がまとまっていた。しかも、ちょっとだけ見えるTシャツは「真っ赤」であり、それがアクセントになっていたようで、これらはすべて「たまたま」だったのだが、彼女は「なんか見直した」とかいってくれる。

ふだんの格好がどんだけひどいんだ? という話だが、今回のテーマは「お洒落」でいってみようか。

(1)リングはつけていない。
リストバンドは好きで、いろいろ持っているけれど。
金属とタオル地では価格に大きな差があるが、使いようによってはリストバンドだってお洒落アイテムと化す、、、と信じている。

(2)ネックレスの類も、なし。
頑張ってつけてみたこともあったが、やっぱり似合わない。自分でもそう思うし、付き合った子からも「そういう感じじゃない」と評された。

(3)タトゥーに抵抗感はないが、自分はやらない。
格闘技をやっている友人が多く、そのほとんどが腕や背中に入れている。
マイク・タイソンの毛沢東タトゥー、須藤元気のナスカの地上絵タトゥーまでいけば立派なアートだと思うが、入れ過ぎてキッタネー感じになっているひとも居るよね。
また、いきがっているアンちゃんも多く、右腕に十字架のタトゥーを入れ、常にそれが見えるよう腕まくりしている知人が居たのだが、こういうのとは一生仲良くなれないだろうな・・・と思う。

理想はワンポイントで、映画でいうと『サイダーハウス・ルール』(99)のシャーリーズ・セロンの足にちょっとだけ入ったタトゥー(トップ画像)、ああいうのが好み。

(4)ヘアスタイルは、ここ数年はずっと坊主。
坊主によくあうから・・・という理由で、顎髭を伸ばしている。
理想は、顎のほうが頭の毛より「若干」長い状態。長過ぎてもいけない。

(5)いちばん凝るのが、Tシャツ。
自己主張が出来るから。
勝負Tシャツも5枚ほどあるが、最近はこれが多いか

紳士かつ真摯にいくよ、気をつけて・・・というわけである。

(6)パンツの上に穿くものは、常にハーフパンツ。
雨も冬も無関係、このまま死ぬまでハーフな男。

暑いけどお洒落のために重ね着をしたりするひとが居るでしょ、あの逆パターン? だ。つまりお洒落の基本とは、やせ我慢である。

(7)靴は9割がスニーカー。
フットワークの軽さを表現するため。

・・・このくらい、だろうか。


女子の好み?

とりあえずスカート穿いてくれたら、オッケーみたいな。
出来れば短めで、ソックスは長めがいいけれど。


そんな自分が初めてお洒落を意識したのは、高校1年の秋。
減量に成功してからのことだった―。

つづく。


※少々長いが、大好きな「帰郷」シーンなので。
『サイダーハウス・ルール』より。
注目してほしいところが、ふたつ。
駅員さんを演じているオヤジ(原作者のジョン・アーヴィング)、
そして主人公の帰郷を静かに喜び、鏡を前に髪を整える女子メアリー・アグネス。




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