Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

血まみれOK

2017-04-20 00:10:00 | コラム
格闘技に関して、マニアの生態・言動というものは10年前と比べて「ほぼ」変化がない。

16日、横浜アリーナで総合格闘技MMAの興行『RIZIN』が開催され、そのもようはフジテレビで19時から放送された。

翌日、視聴率が発表され、芳しくなかったことからネット上で「戦犯探し」が始まる。

(1)ヘビー級が充実していない、軽量級を楽しめるのはファンだけ

(2)実力差があり過ぎるカードが多い

(3)フジの編集が悪い

頷けるところがないでもないが、あれ、この展開ってどこかで見たような・・・。

そう、PRIDE末期/DREAM末期のころと「まったく同じ」なのである。


ネットに書き込んでいるものの共通点は、真のファンであるということくらい。
(自分も、そんなひとりだよ)

きっとみんな、職場や学校で一緒に盛り上がってくれる仲間が居ないのだろう、
15~20年前の熱狂を体感してしまっているからタチが悪く? あのころをもういちど! と願うオッサンが多いはずで。

ただ、真のファンであっても、意見を異にする大きな案件がひとつあって。

それが、いわゆるジョシカクである。

今回、主催もフジも「女子」をメインに位置づけている。

大晦日の視聴率で結果を残したRENAを目立たせるのは当然といえば当然、だからポスターでも「完全に主役」であった。



しかし今回、RENAやジョシカク選手たちをメインにした編集スタイルで結果を出せなかった。
(男子の試合のほとんどが大幅カット)

たったいちどの興行で「やっぱり女子はダメだ」といい切ってしまうのには異を唱えたいが、
それ以上に驚いたのが、流血や顔の腫れなどを観慣れているファンたちが「女子にかぎっては、顔面の攻撃を禁止にしたほうがいい」といい始めていること。


女子って、そんなにヤワじゃない。

悪いけど、観ている男のほうが、ハート弱いんじゃね? と思った。


いや、いいたいことは分かるよ。

いまはキレイなファイターも多いし、そういう子たちの顔面崩壊シーンを観たくない、お茶の間にしたって、そういうのを楽しめるような悪趣味な家庭は少ないだろうっていう考え。

でもRENAのMMA初挑戦の相手、イリアーナ・ヴァレンティーノのことばを思い出してほしい。


「格闘技は理解されにくい。でも、あたしたちはこれに一生を賭けると決めたから」


本人たちよりも、ファンのほうが覚悟が出来ていないと思うんだ。


※倒れなかったロンダは、えらいよ




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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(9)麻生祐未』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(204)

2017-04-19 00:10:00 | コラム
すくーるば「す」→「す」し(寿司)

ガキのころ、家族で食べにいった寿司屋が一軒。

来月の帰省時に姉夫婦と久し振りに食べに行くことになったのだが、当時は庶民的だったのに、大将が引退すると息子さんが経営方針を一新、ランクアップを図って予算も「それなりに」用意しないと入れない完全予約制の店になった。

こう書くと批判的に読めるかもしれないが、いやいや、行くのが楽しみでねぇ。

お金は、ちょいと心配だけど汗汗


自分の好きな寿司ネタは・・・

(1)サーモン

(2)ぶり

(3)アナゴ


イメージで「大トロでしょ?」といわれるが、まぁ嫌いじゃないけれど、一貫ニ貫で充分かな。

あと関係ないが、いつからこんなに「炙りなんとか」が流行り、有難がられるようになったのでしょう?

ピンとこないのだけれどね、個人的には。

それより食い物ではないけれど、キャラクター「寿司こびと」をお薦めしておきたい。

かわいいよね。




年に数回は寿司を喰うが、その8割は宅配系。

きまって「銀のさら」。
馬鹿舌なので、ある一定の水準を超えると、味がどうこうというのは分からない―だから、周囲の評判がいいところを選んだ結果である。

外食は、ほぼ「くら寿司」。
質より量ってことで。

最寄りの「くら寿司」、土日はずぅっと混んでいる。

駐車場のガードマンを3人雇うくらいだもの、昔は「小僧寿し」のひとり勝ちだったのにねぇ。

そんな「小僧寿し」という店名は、志賀直哉の短編小説『小僧の神様』が由来となっている。

自分が読んだのは、中学2年生のころだったと記憶する。

番頭たちから聞いた鮨屋に行ってみたい小僧の物語。
当時、芥川龍之介にハマっていた自分は、同じころに『芋粥』を読んでいて、正直、こっちの物語のほうが好きだった。

「芋粥を好きなだけ喰ってみたい!」という夢を抱く主人公だが、実際に芋粥を食べると、すぐにお腹いっぱいになり「もう、いいや」と思ってしまうオチが、いまでいう「あるある」であったから。


で、寿司と映画の関係を。

トップ画像は、QTタランティーノによる『キル・ビル』のVol.1(2003)。

ブライド(ユマ・サーマン)が探す、伝説の刀鍛冶・服部半蔵(千葉真一)が沖縄で営んでいる「不味い」寿司屋。

ここでの会話は映画全体のカラーを壊していると思うのだが、いいのだQTが撮りたかったシーンなのだから。


トマトだってひとを襲うのだから、寿司だって―という発想で創られたのが、『デッド寿司』(2013)。




ふざけた映画といえばそれまでだが、監督の井口昇はひたすらこの手の映画を手がけており、その徹底ぶりは称賛に価する。


マーク・ハミル、千葉真一、そしてあの『ネバーエンディング・ストーリー』(84)のノア・ハザウェイまで担ぎ出した? 珍作は『SUSHI GIRL』(2012)。



今世紀にあって「未だ」女体盛りが出てくるのには ??? だが、ただ寝ていただけの彼女が重要な存在となっていく後半の展開は面白かった。


もっと真摯に? 寿司と向き合ったのが、米人監督によるドキュメンタリー映画『二郎は鮨の夢を見る』(2011)。

銀座「すきやばし次郎」の店主・小野二郎の日常に肉薄、「きょうは寿司を食べるぞ」という日に、その直前に鑑賞するのが最も効果的であろう一作になっている。


次回のしりとりは・・・
す「し」→「し」ーそー。

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『血まみれOK』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(203)

2017-04-18 00:10:00 | コラム
ぷろれ「す」→「す」くーるばす

小学校、徒歩。
中学と高校、チャリ。

であったから、スクールバスに縁がなかった。

日本においてはそっちのほうがふつうで、それは米国の文化と思っていた。

わが群馬ではそんなバス見たこともなかったし、東京に出てきてチャリを走らせていると「ごく、たまーに」見かけるが、それは私立にかぎっての話でしょう、、、と。(幼稚園のバスは、よく見るけれど)

ただ、なんというのだろう、サイアクな結末を迎えた千葉の事件を考えると、子どもを守るにはスクールバスという選択肢も増やしていかなければいけないのではないか、そんな風にも思ったり。


スクールバスと映画。

スピルバーグの名を世に知らしめた『激突!』(71)。

タンクローリーを操るドライバーは、主人公にだけ意地悪。

だってスクールバスを助けて(トップ画像)あげたりするのだから笑


ふたつの作品が同年に創られたという偶然も面白い『ダーティハリー』(71)の犯人は、サイアクなことに、スクールバスをバスジャックする。




こ、こえぇ・・・。


『ダークナイト』(2008)のジョーカーは銀行を襲撃したあと、どこかから調達したスクールバスに乗って逃走を図る。

「本物のスクールバスに混じる」というのは抜群のアイデアで、だからパトカーもジョーカーの乗るスクールバスを完全スルーしたのだった。


ところで。
なぜスクールバスは黄色ばかりなのだろう?
と思ったら、これは「連邦統一安全規格」というものによって決められたことなんだって。

子どもの乗降中、ほかの車は一時停止しなければならない、などの特別なルールがあるため、目立てば目立つほどいいってこと。


タクシーも同じ理由(=目立つ)で黄色? と思ったけれど、これは統一されているわけではなく。

ただ「黄色が主」であることはたしかで、トラビスの愛車も黄色(イエローキャブ)だった。




運転手「乗るの? 乗らないの?」
ガンプ「知らないひとの車に乗っちゃいけないって、ママが」

『フォレスト・ガンプ』(94)でのワンシーンは微笑ましいが、スクールバスの悲劇を描いた映画もある。

カナダの俊英、アトム・エゴヤンによる『スウィート ヒアアフター』(97)。



スクールバスの事故によって十数人が死んでしまい、その集団訴訟の顛末を弁護士の視点で捉える。


幼稚園のバスだが、日本映画から1本。

説明描写を極力省いた演出がクールな、阪本順治の『トカレフ』(94)。

大和武士が演じるのは幼稚園バスのドライバーで、このバスに乗っていた息子が誘拐され、殺されてしまうのだった・・・。


千葉の事件を考えると・・・と書いたが、基本的にはドライバー以外は子どもだし、それはそれで危ないのかなぁ??


あすのしりとりは・・・
すくーるば「す」→「す」し。

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HA-GE

2017-04-17 07:00:52 | コラム
とある現場で。
自分より若いイケメンくんの髪が「やばい」ということが、本人不在の状態で笑い話になっていて、ちょっと不快に思った。

「自分だって坊主にしているから気づかれないだけで、たぶん長髪にしたらハゲっていわれていると思うよ」

一同、自分の頭に注目する。

「…いやいや、まっき~は大丈夫じゃない?」


好みの問題であろうか、ハゲをネタにする笑いは好きじゃない。

だからトレンディエンジェル斎藤さん(トップ画像)の芸風も、あんまり好きじゃない。

短所とされていることを武器にするという発想は「おおいに、あり。」なんだけれどもね。

たとえば米オスカー授賞式で、こんなことがあった。

いまほどセキュリティがしっかりしていなかった大昔、全裸の男がステージに飛び出した。




司会のデヴィッド・ニーヴン曰く「いつかは、こうなると思っていました。感動的でさえある。おそらく彼は、生まれて初めて彼自身の短所で笑いを取ったのではないでしょうか」




素晴らしいじゃない?
面白いじゃない?

これこれ、これですよ!


見た目で笑う・笑わすというのは直接的で分かり易いことだけれども、それは1回で充分、連続投下されると飽きてしまう。

というか、個人的にハゲをいじってそれほど面白いとは思えないので、自分の気に入りの芸人さんまで誰かのハゲをいじっていたりすると「えー、あなたもそんな笑いの取りかたするの?」とガッカリすることもある。

フットボールアワーの岩尾ちゃんとかね。


アリアナ・グランデが日本のテレビ番組に出演したとき、近藤春菜の鉄板ネタに触れて一切笑わなかった。




CM中、アリアナは春菜に「あなたはかわいい、あなたはかわいい」と連呼したのだとか。


ハゲやデブ、チビとブス。

そこから生じる笑いを全否定するつもりはないが、知性がほしいよね知性が! と、知性のかけらもない男だけれど、そういっておこう。

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初体験 リッジモント・ハイ(218)

2017-04-16 00:10:00 | コラム
伊藤智仁に野茂英雄、田中マーくんとダルビッシュ。

どうやら自分は、ピッチャーが好きみたい。

始球式アイドル? 稲村ちゃんも大好きだし。





さて。
野球を素材とした日本の映画は、救いようのないつまらなさである。

演技陣は豪華だが、篠田正浩の演出がピリッとしていない『瀬戸内少年野球団』(84)、
真田広之はよい役者なのに、この映画の演技にかぎっては恥ずかしくなる『ヒーローインタビュー』(94)、
珍作として名高いのは、イチローの競技映像が使用される『走れ!イチロー』(2001)。

野球先進国のはずなのに、これはどうしたことか。

野球漫画・アニメは、傑作が多いのにね。

※『巨人の星』の続編で登場する、スクリュースピン・スライディングは、少なからず『キャプテン翼』に影響を与えていると思う




翻って米映画は、野球モノに「めっぽう」強い。

最も娯楽性に富んでいるのは『メジャーリーグ』の第1作目(89)、最も完成度が高いとされているのは、おそらく『フィールド・オブ・ドリームス』(89…トップ画像)だろう。

自分はこの映画でシューレス・ジョーを、そして「ブラックソックス事件」を知った。

また、変化球としては『裸の銃を持つ男』(88)なんていうのもある。




わはは!!


さて。
自分が「初めてプロ野球を生観戦」したときの話。

19歳だから、いまから24年前、93年の夏だった。

場所は東京ドーム、巨人VS阪神。

たしか、、、たしかだが、巨人が勝ったと記憶する。

どちらもヒイキ球団というわけではないから、試合内容を覚えていない・・・というのもあるが、憧れのひととの初デートであったため、正直、野球とかどうでもよかったのである。


自分はこのころ新聞奨学生をやっていて、購読客の娘さんに恋をしていた。

彼女は大の野球好きで、集金時、必ず野球のチケットをねだってくるのだった。

ふつう実家暮らしの女子大生が、新聞の集金を心待ちにしていることなんてある?

これほんとうの話で、自分がドアベルを押し「朝日新聞の集金でーす」というと、彼女はダッシュしてきて玄関を開けてくれるのである。

チケット目当てであったことはバカでも分かるが、それでも毎月そうされると、自分のこと嫌いではないことはたしかだろうな、、、とか思ってしまうものじゃない?

それで、居間に親御さんが居ることを承知で、デートに誘ったというわけなのだった。


どうだったかって?

なにもないよ、ただフツーに野球デートをして、フツーに飯を喰い、フツーに別れただけである。

大事な購読客だし・・・というのはイイワケか、あぁそうですよ、いまみたいに大胆にエッチがしたいとかいえるキャラじゃなかったからね、チキン過ぎるデートであり、だからたぶん、現在の彼女はそんなこと忘れているのかもな~。

ちなみに彼女の名前は、「あき」。

もうひとり、購読客の女子大生で「亜希」という子が居て、自分はこのひとにも惚れていた。
というか、本命は後者の「亜希」さんだった。

以来、自分が創るシナリオのヒロイン名は、必ず「亜希」になった・・・って、あれ、ぜんぜん野球の話をしていないな苦笑


おわり。

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明日のコラムは・・・

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