Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

やっぱり「ここ」が好き(16)

2017-12-26 00:10:00 | コラム
『ディア・ハンター』(78)

ベトナム戦争を描いた映画で「たったひとつ」を選ぶことは出来ない。

あらゆる面で双璧と評価出来る作品があるためで・・・
だから自分は、『地獄の黙示録』(79)と『ディア・ハンター』のふたつを挙げる。

捕虜にされたことから精神を病んでいくクリストファー・ウォーケンばかりが評価される作品だが、デ・ニーロの抑えた演技も、メリル・ストリープの切な過ぎるキャラクター造形も素晴らしいと思う。

いちばん好きなシーンは、やっぱりここ。

まだベトナムの地獄を知らぬ面々が、『君の瞳に恋してる』を大合唱する。




ベトナムへ行くまでの過程が、「ちょっと」長過ぎるといったひとが居る。

いやいや。

ベトナムから帰還してからの対比のためにも、あの「のどかな」日常風景は必要だったんだよ。

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『やっぱり「ここ」が好き(17)』
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やっぱり「ここ」が好き(15)

2017-12-25 03:41:07 | コラム
『ジャッキー・ブラウン』(97)

QTタランティーノの映画のなかでは「比較的」人気の低い作品だと思うが、個人的には『イングロリアス・バスターズ』(2009)の次に好きな作品。

この映画を機に、QTは「映画小僧」から「映画監督」へと成長を遂げた。

若い男女の恋もきらきらして眩くて素敵だけれど、もう若くない男女の恋も味わい深い。


いちばん格好いいシーンは冒頭のクレジットで、これは何度もリンクしている。

ただ、いちばん好きなシーンとなれば、終幕を挙げる。

反復されるテーマ曲『110番街交差点』(ボビー・ウーマック)が、冒頭よりも「深い意味」を持つところが素晴らしい。





この生活から抜け出したい。
自分を変えたい。

そうやって、必死にもがく市井のひとびとの物語―トラビスもキャリーもそういうキャラクターだったわけで、どうやら自分、そんな物語がいちばん好きみたいだ。


♪ Across 110th Street

110丁目を越えれば

Pimps trying to catch a woman that’s weak

女衒どもが弱みを持った女をひっつかまえようと狙ってる

Across 110th Street

110丁目を越えれば

Pushers won’t let the junkie go free ♪

売人どもはただじゃヤクをよこしゃしねえ


※和訳引用…『komasafarina’s』さんのブログより

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やっぱり「ここ」が好き(14)

2017-12-24 00:10:00 | コラム
『独裁者』(40)

同世代の独裁者ヒトラーに向けて放った、チャップリン命がけの傑作。

独裁者ヒンケルと床屋のチャーリーが「うりふたつ」であったことから起こるアレヤコレヤを、チャップリンならではの笑いと毒で描いてみせる。

いちばん有名なシーンは、「当然」最後の大演説だが、自分がいちばん好きなのは、ムッソリーニ(っぽい)独裁者とのガキのような意地の張り合い。



バカ過ぎて呆れてしまう笑


これだけだと短いので・・・
記憶喪失だった床屋チャーリーが、ユダヤ人狩りを知らなかったことから起こる、町のトラブルのシーンを。



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お母さん、みじめだ。

2017-12-23 00:10:00 | コラム
「―なるほどね」
「…それ、口癖だよね」
「ん?」
「ほんとうに、なるほどって思っていない可能性がある」

ハニーとの会話で、なんとなく「なるほどね」と返したら、そう突っ込まれ、二の句が継げなかった。

たしかにそうだ。
誰と会話を展開するにも、「なるほど」を多用する。
「し過ぎる」くらいに多用する。

ハニーが指摘したとおり、これはたぶん口癖である。

「ヘヴィだ」が口癖の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)のマーティと同様、ただ発しているだけであり、ほんとうに「なるほど」「ヘヴィ」と思っているのかは疑わしい。


まぁでも、それを見抜かれた? としても実害は大したことなさそうなので、改善などは考えないようにしよう。
口癖のひとつやふたつ、みんなあるだろうし。
以前、(冗談抜きで)60秒に1度の割合で舌打ちをするひとに会ったことがあるが、あれは癖になっているのだろうなと思うし、そういうひとに比べれば「なるほど」という口癖なんて可愛いほうだろう、可愛過ぎて抱きしめたくなるくらいだろう。


かーちゃんは、よく「みじめ」というひとだった。

内容は忘れてしまったが、夕飯を作りながら自分に向かって「お母さんは、みじめ」と発する。

これもまた、口癖だったように思う。


なんて返していいか、分からなかった。

だから、ただ苦笑を返していたと記憶する。

なんとかしてあげたいと思ったことはたしかだが、ハナタレ小僧に出来ることなんかない。


先日、久しぶりにかーちゃんの夢を見て、この口癖のことを思い出したんだ。

目覚めて、ほんとうにみじめだと思っていたのかな、、、と考える。

・・・・・。

いやいや、(ほんとうにみじめだったと)考えると、なんだか哀しくなるから、単なる口癖だったんだ―と思うことにしよう。




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やっぱり「ここ」が好き(13)

2017-12-22 00:10:00 | コラム
~年末特別企画、その伍~

『誘う女』(95)

有名人になるためだったら、夫だって殺害する―三面記事に載りそうな俗っぽい実話をもとに、ガス・ヴァン・サントがメディア論を展開する傑作。

この映画から、ニコール・キッドマンが女優開眼した。

いちばん好きなシーンは、カーラジオから『スウィートホーム・アラバマ』(レーナード・スキナード)が流れるシーン。



こんな感じで目の前で踊られたら、夫殺害に手を貸してもしょうがない、、、と、一瞬思ってしまう。

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『お母さん、みじめだ。』
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