~アルフレッド・ヒッチコックのキャリア10傑~
(本稿を編集するまで自分自身も気づかなかったんだが笑)前回で「海外女優のキャリア10傑」シリーズは終了、
日本の俳優に入る前に、世界中の映画監督のキャリア10傑を展開してみようじゃないか、、、ってことで。
第1回目は、サスペンスの王様ヒッチコック。
「たまたま」ア行がきてしまっただけであり、次回からは「アイウエオ」順とは無関係でいきますんで、そこんとこよろしく!!
さてヒッチコック。
ポピュラーなひとではあるけれど、それ以上に業界内での人気が(未だ)異常に高い。
それはたぶん、実験精神に富んでいたからでしょう。
キューブリック同様、映画史的に見て、このひとが「最初にやったこと」というのが多い。
技巧派は技巧に偏りがち、しかし物語も抜群に面白かった。
そういう意味では映画監督としてパーフェクト。
では、「ひと、として」はどうか。
パーフェクトなヤツなんて居ないから、、、とヒッチコックを擁護したくもなるけれど、実際に被害に遭ったティッピ・ヘドレンは冗談じゃない! ということでしょう。
起用する女優を並べてみれば一目瞭然、クラシカルなブロンド美女が大好きで、「自作に出たければ抱かせろ」的な側面がまちがいなくあった。
・・・うーむ。
だから思うんです、映画業界に生きる人々は、いずれかの面で「ろくでなし」であったと。
これは文芸界を批評した福田和也のことばをもじったものだが、映画界でも当てはまること。
そういう側面もあったことを意識して、巨匠の名作群を観るのも「歪んだ」映画ファンとしては一興である―と結ぶのは、ちょっと苦しいのかな。。。
(1)『サイコ』(60)
いわゆる「ネタバレNG」のはしりだが、たとえオチを知っていたとしても、インパクトのある映像なので驚いてしまうだろう。
「横領をしたヒロイン」という背景があるため、ショッキングな殺害シーンは「バチが当たった」と解釈出来るところも巧い。
※単純なのに、なぜこれほど不安を煽るのか。
タイトルデザインのソール・バス、音楽のバーナード・ハーマン、ベストの仕事っぷり。
(2)『フレンジー』(72)
ヒッチコックの残虐性がいかんなく発揮された、後期の代表作。
スター不在の小品だが、ぜひ多くのひとに触れてほしい。
(3)『鳥』(63)
一般投票では、1位は『サイコ』かこの作品になるはず。
ティッピ・ヘドレンがボロボロになるシークエンスは、ヒッチコックのサディスト趣味が全開。
(4)『めまい』(58)
そして業界投票では、まちがいなくこの作品が1位を取る。
「めまい」ショットを真似た映画が相次いだのも、よーーく分かります。
自分だって、やりたくなるもの。
(5)『マーニー』(64)
物語そのものは弱いかもしれない、ただティッピ・ヘドレンのこのショットが、あまりにも美しく、格好いいので。
(6)『レベッカ』(40)
オスカー作品賞受賞。
・・・の割には、ヒッチコックを語る際に「忘れられがち」な不遇作。
まぁたしかに、ほかの代表作と比べるとインパクトが弱い。
(だからこそオスカーを取れた、、、ともいえるのかも)
(7)『ロープ』(48)
ヒッチコック初のカラー作品。
としてより、
(1)ワンショットで展開される構成…厳密にはちがうけど
(2)上映時間と実際の経過時間が同じ作品
として有名。
(8)『泥棒成金』(55)
正直、物語そのものは忘れてしまった。
グレース・ケリーとケーリー・グラントの、長い長いキスシーン、そこにモンタージュされる花火だけ覚えておけばいいのではないでしょうか笑
(9)『北北西に進路を取れ』(59)
サービス精神全開の、ノンストップアクション。
本作を手本としているアクション系の監督も多いことでしょう。
※このタイトルデザインも素敵。
最後の最後に出てくるのが、動くヒッチコック。
(10)『裏窓』(54)
「骨折したカメラマン」というアイデアの勝利。
今回、ほとんど物語の解説はしていないが、まぁどれも有名な作品ですから!
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん女優列伝(37)伊藤蘭』
(本稿を編集するまで自分自身も気づかなかったんだが笑)前回で「海外女優のキャリア10傑」シリーズは終了、
日本の俳優に入る前に、世界中の映画監督のキャリア10傑を展開してみようじゃないか、、、ってことで。
第1回目は、サスペンスの王様ヒッチコック。
「たまたま」ア行がきてしまっただけであり、次回からは「アイウエオ」順とは無関係でいきますんで、そこんとこよろしく!!
さてヒッチコック。
ポピュラーなひとではあるけれど、それ以上に業界内での人気が(未だ)異常に高い。
それはたぶん、実験精神に富んでいたからでしょう。
キューブリック同様、映画史的に見て、このひとが「最初にやったこと」というのが多い。
技巧派は技巧に偏りがち、しかし物語も抜群に面白かった。
そういう意味では映画監督としてパーフェクト。
では、「ひと、として」はどうか。
パーフェクトなヤツなんて居ないから、、、とヒッチコックを擁護したくもなるけれど、実際に被害に遭ったティッピ・ヘドレンは冗談じゃない! ということでしょう。
起用する女優を並べてみれば一目瞭然、クラシカルなブロンド美女が大好きで、「自作に出たければ抱かせろ」的な側面がまちがいなくあった。
・・・うーむ。
だから思うんです、映画業界に生きる人々は、いずれかの面で「ろくでなし」であったと。
これは文芸界を批評した福田和也のことばをもじったものだが、映画界でも当てはまること。
そういう側面もあったことを意識して、巨匠の名作群を観るのも「歪んだ」映画ファンとしては一興である―と結ぶのは、ちょっと苦しいのかな。。。
(1)『サイコ』(60)
いわゆる「ネタバレNG」のはしりだが、たとえオチを知っていたとしても、インパクトのある映像なので驚いてしまうだろう。
「横領をしたヒロイン」という背景があるため、ショッキングな殺害シーンは「バチが当たった」と解釈出来るところも巧い。
※単純なのに、なぜこれほど不安を煽るのか。
タイトルデザインのソール・バス、音楽のバーナード・ハーマン、ベストの仕事っぷり。
(2)『フレンジー』(72)
ヒッチコックの残虐性がいかんなく発揮された、後期の代表作。
スター不在の小品だが、ぜひ多くのひとに触れてほしい。
(3)『鳥』(63)
一般投票では、1位は『サイコ』かこの作品になるはず。
ティッピ・ヘドレンがボロボロになるシークエンスは、ヒッチコックのサディスト趣味が全開。
(4)『めまい』(58)
そして業界投票では、まちがいなくこの作品が1位を取る。
「めまい」ショットを真似た映画が相次いだのも、よーーく分かります。
自分だって、やりたくなるもの。
(5)『マーニー』(64)
物語そのものは弱いかもしれない、ただティッピ・ヘドレンのこのショットが、あまりにも美しく、格好いいので。
(6)『レベッカ』(40)
オスカー作品賞受賞。
・・・の割には、ヒッチコックを語る際に「忘れられがち」な不遇作。
まぁたしかに、ほかの代表作と比べるとインパクトが弱い。
(だからこそオスカーを取れた、、、ともいえるのかも)
(7)『ロープ』(48)
ヒッチコック初のカラー作品。
としてより、
(1)ワンショットで展開される構成…厳密にはちがうけど
(2)上映時間と実際の経過時間が同じ作品
として有名。
(8)『泥棒成金』(55)
正直、物語そのものは忘れてしまった。
グレース・ケリーとケーリー・グラントの、長い長いキスシーン、そこにモンタージュされる花火だけ覚えておけばいいのではないでしょうか笑
(9)『北北西に進路を取れ』(59)
サービス精神全開の、ノンストップアクション。
本作を手本としているアクション系の監督も多いことでしょう。
※このタイトルデザインも素敵。
最後の最後に出てくるのが、動くヒッチコック。
(10)『裏窓』(54)
「骨折したカメラマン」というアイデアの勝利。
今回、ほとんど物語の解説はしていないが、まぁどれも有名な作品ですから!
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明日のコラムは・・・
『にっぽん女優列伝(37)伊藤蘭』