Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(368)

2021-03-16 00:10:00 | コラム
どりーさつえ「い」→「い」し(医師)

幸福なことに―というべきでしょう、病院には外科的なことで世話になるばかりで、内科の受診を受けたことは「ほぼほぼ」ない。

外科なんて文字どおり外的な痛みだけだからね、内的な痛みとか、想像するだけでしんどいもの。

外科の先生が荒っぽいというのは、けっこう当たっていると思う。

実際、自分が受けた先生は荒い・粗いひとばかりだった。

理学療法士はソフトなひとが多かったけど。


妙な表現になるが・・・
「なにかしらの危機や葛藤」が必須ともいえる物語の世界においては、医師という存在は引く手あまたの大人気キャラクターといえる。

以下、映画に登場する「印象的な医師」10選を。

「好き嫌い」ではなく「印象的な」ですよ、念のため。


『レナードの朝』(90)

実話を映画化、
慢性神経病患者専門の病院に勤務する医師マルコム(ロビン・ウィリアムズ)が、患者レナード(ロバート・デ・ニーロ)にパーキンソン病の新薬を投与すると・・・。

デ・ニーロ信者である自分が、どう捉えてもデ・ニーロの演技を好きになれない困った作品。

けれども、マルコムを演じたウィリアムズはよかったね。




『エレファント・マン』(80)

外科医フレデリックを演じたのは、名優アンソニー・ホプキンス。

「彼」を初めて見たときの涙は、とっても印象に残る。



『カンゾー先生』(88)

坂口安吾の『肝臓先生』をイマヘイが軽快に映画化、柄本明は好演しているものの、

誰ですか、麻生久美子のお尻しか印象に残らない! とかいっているひとは!?


『静かなる決闘』(49)

梅毒に感染した医師・三船の苦悩を描く黒澤映画。

彼を想う千石規子がいいんだ、これがまた。


『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』(98)

これまたロビン・ウィリアムズが、実在した医師を演じている。

知識や技術と同じくらい「治療にはユーモアが必要」という考えを説くアダムス医師の半生を描いている。


『ディア・ドクター』(2009)

「ウソ」をテーマにした西川美和の野心作。

鶴瓶さん、演技すばらしいですね。




『インファナル・アフェア』(2002)

ケリー・チャンが演じるのは、精神科の先生。

このひとに診てもらえるのだったら、いっちゃうけど、精神の落ち込みくらいなんだ!? って思っちゃう。


『サイダーハウス・ルール』(99)

ラーチ医師を演じたマイケル・ケインは、オスカー助演賞受賞。


中絶の賛否を扱っている物語なので、一部の地域・宗派によっては本作はNG扱いだそうで。


『RONIN』(98)

日陰者のための医者は、やっぱり日陰者。

でも技術はたしかです。


『酔いどれ天使』(48)

ナンダカンダいって、志村喬が演じた医者がベスト。

赤ひげ先生と迷ったけど、ふたつめの黒澤映画からは酔いどれ先生を選出!



次回のしりとりは・・・
い「し」→「し」んぶん。

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明日のコラムは・・・

『イマサラ感』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(367)

2021-03-15 00:10:00 | コラム
きーふぁーさざーらん「ど」→「ど」りーさつえい。

デジタル撮影やドローン撮影がメインとなりつつある現代であっても、映画撮影風景といえば、やはりクレーンであり、ドリーであると思う。

クレーンは分かり易いが、






ドリーって?

カメラを水平に移動させるための「台車」のこと。

また、それを用いた撮影方法のこと。

専用のレールの上を、カメラ乗せた台車が動くアレね。

エンドクレジットで「Dolly grip」と表記された人物を確認してみてほしい、彼ら彼女らは、台車を正確に移動出来るスタッフたち。

この手法が多用されるのは・・・

たとえば、人物が歩いているさまを捉えるショット。

Aがひとりで歩いているさまを捉える客観ショットの場合もあれば、AとBふたりが歩いているさまをどちらかの主観ショットで捉える場合もある。

たとえば、立ちすくむAに徐々に近づいていくショット。
その逆に、徐々に離れていくショット。

ズームとちがうの?

レンズの操作のみと、カメラそのものを動かすのとではまるでちがう。

・・・って、マニアみたいなことをいってもね。


では、絵的に面白い動画を。

そういう技術を組み合わせて撮られた「ドリーズームショット」と呼ばれる技法がある。

「めまいショット」といったほうがピンとくるのだろうか、ヒッチコック有名だし。



面白いでしょう、妙でしょう。

大雑把にいえば・・・
カメラをドリーで後方に引き、それと同時に「被写体の画角が変わらぬよう」ズーム調整する技法。

人物の切迫感などを、俳優の演技ではなく映像で表現しちゃおうというね。


映画監督をやりたいなぁと思った瞬間から、これらのオモシロ映像がテキストに変わるわけです。

いわゆる映画学生は、何度も再生し、一時停止し、研究し、絵コンテ再現し、実際に撮ってみる。

カメラが軽量化され、ステディカムと呼ばれる「手持ち撮影」が容易になって以降も、
さらにいえばデジタル化が進みスマホで映画が撮れるようになっても、
さらにさらにいえば、ドローンを飛ばす撮影が可能になった現代でも、
クレーンやドリーが廃れないのは、そこに映画的なロマンがあるから、、、なのではないかしら。





あすのしりとりは・・・
どりーさつえ「い」→「い」しゃ。

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『シネマしりとり「薀蓄篇」(368)』
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つなぐ、25年。

2021-03-14 00:10:00 | コラム
エヴァの完結編にあたる(と、思われる)『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開されている。

劇場はすごい熱気、
でもなんか、去年の鬼さん現象とはちがう雰囲気。





どちらかというと『スター・ウォーズ』シリーズの熱狂にちかいのかな、
熱気が「やや」黒いのは世代によるものでしょう、ファミリー感はぜんぜんなし、単身、とくに男、さらにいえば「おっさん」の熱気。

そうだよな、約25年かかっているのだもの、着地するまでに。

25年といえば、『ツイン・ピークス』だってそうだった。

エヴァもそうだと思うが、これを機に前作やオリジナルを初鑑賞、、、という向きだって居ないことはないでしょう、
けれども熱狂を作り出す中心に居るのは、25年前にのめり込んだひとたちなのだよね。

あぁ生きていてよかった! みたいな。
作品の歴史に自分の25年を照らし合わせることによって生まれる感慨が、けっして清らかなものではないから「黒い」熱気になると。

映画だけにかぎったことではない、
長いこと向き合ってきたからこそ味わうことが出来る「なにか」って、たしかにあるのだよなぁ。。。


「One Last Kiss」

初めてのルーブルは
なんてことはなかったわ
私だけのモナリザ
もうとっくに出会ってたから
初めてあなたを見た
あの日動き出した歯車
止められない喪失の予感






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『シネマしりとり「薀蓄篇」(367)』
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なんでもかんでもガーリックパウダー

2021-03-13 00:10:00 | コラム
自宅にある調味料香辛料の類を列挙してみる。

※順不同、思いついたまま

醤油


味つけ塩こしょう


ラー油
ねりからし
マスタード
ケチャップ
とんかつソース
マヨネーズ

ガーリックパウダー


わさび
ポン酢
めんつゆ

・・・・・くらいなものかな。

このうち、料理の際―って、ほとんどしないけど―に必ずといっていいほど用いるのが、味つけ塩こしょうと、ガーリックパウダーのふたつ。

自分のなかでは、これ万能。

これさえ混ぜ込んでおけば? とりあえず不味くはならないと思っている。

実際、不味いと感じたことはない。

まぁ舌と胃の偏差値が最低レベルだからね、で、バカみたいに香辛料をぶっかけることによって「さらに」舌と胃がバカになると。

そのとおりですよ、どーせ。

そうやって開き直りつつ、さっきチャーハンを作った。

で、ガーリックパウダー阿呆みたいにふりかけた。

うん、やっぱり美味い。

たいしたもんだよ、ガーリックパウダーは。


※傑作映画『コックと泥棒、その妻と愛人』…グリーナウェイ、ナイマン元気してるかなぁ!



※ずっと観ていられる



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『つなぐ、25年。』
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映画スタッフ別10傑(2)カイル・クーパー

2021-03-12 00:10:00 | コラム
~カイル・クーパーのキャリア10傑~

前回登場したソウル・バスの後継者と目されていたグラフィックデザイナー、カイル・クーパー。

しかしまだ50代なのに、ここ数年「映画作品」に関わってない。

家庭などの事情か、あるいはこの世界がイヤになってしまったのか分からないけれど、90~2000年代の人気は凄まじいものがあった。

その結果、カップヌードルのCMも担当。
クーパーのブランド力があって許された作品であって、これ無名のCM作家だったらすぐにクビだろうね、美味そうに見えないもん((´∀`))




もう映画には関わらないのかなぁ、寂しいなぁ!!


(1)『セブン』(95)

オープニングが有名だが、敢えてエンディングを。

上から下におりるタイプは珍しかったよね。



(2)『フェイク』(97)

実録モノっぽい雰囲気で絵をつなぎ合わせていて、お見事。


(3)『スパイダーマン』(2002)

ワクワクさせてくれるねぇ!



(4)『アルゴ』(2012)

こちらも実録モノ。

ビッグバジェットから小品まで「なんでもござれ」派だが、デジタル技術をふんだんに用いているという共通点がある。

ゆえにアイデア満載だったバスと比較され「クーパーは現代技術あってこそ」なんていわれることもあったが、いやいや、それは、いつの時代に生きたのかっていう問題であってね。。。


(5)『ミッション:インポッシブル』(96)

音楽もタイトルバックも、オリジナルへのリスペクトを忘れなかった。




(6)『ニューヨーク・ストーリー』(89)

クーパー、初映画作品。

NY派三巨匠によるオムニバス、そのスコセッシ篇におけるタイトルクレジットを担当している。


(7)『隣人は静かに笑う』(99)

スリラーっぽい雰囲気が抜群なのは、クーパーをはじめとする技術班の繊細なテクニックあってこそ。


(8)『トロン:レガシー』(2010)

初見は、じつは、少しやり過ぎ?みたいに思ってしまったけれど。

そう思えたのはたぶん、本編があまりにも…だったからだろうなぁ。


(9)『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)



全ジャンルいけるが、最も得意とするのはこのジャンルでしょうね。


(10)『XーMEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)

このひとのよいところは、オリジナルや前作を知っているひとには「ニヤリ」とさせ、知らないひとには「ほほぉ」と感心させるところ。

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明日のコラムは・・・

『なんでもかんでもガーリックパウダー』
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