Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

年末特別企画 この技術がすごい!(9)

2022-12-26 00:10:00 | コラム
特別企画、第九夜は「素早いカッティング」。

ちょいと強引だけどね、短い時間に沢山のショットをつなぎあわせる「吸引のモンタージュ」と呼ばれるものだから。

でもまぁ、映画史の公式?テキストでもないのでよいでしょう^^


アクション映画に多い手法だが、



それでも、もうコレしかないと思うのです。

『俺たちに明日はない』(67)


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明日のコラムは・・・

あすで最終回、
『年末特別企画 この技術がすごい!(10)』
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年末特別企画 この技術がすごい!(8)

2022-12-25 00:10:00 | コラム
特別企画、第八夜は回想形式。

ここへきてやっと、自分の専門となる脚本技術の登場。

回想は、使いかたによってはとんでもない傑作を生む。
といわれているけれど、
多用すればいいってものでもなく。

直線で語ったほうが分かり易い、効果的な物語もあるんですよ。


1→2→3→4→5の順は単純だから、5→1→4→3→2で語ってみよう、、、っていう考えでは十中八九「成功しない」。

1から語ったのでは真相が2で分かってしまう、
真相は最後の最後に明かすべきだから、話の順を変えてみよう―少なくとも、このくらいは考えてくれないと!


自分が選出する「回想形式の優れた映画」チャンピオンは、同率で3つ。

『アマデウス』(84)と『生きる』(52)、


そして『切腹』(62)。



「回想を」「受けた」ほうのキャラクターが、それまでの哲学や信念を打ち砕かれる―3作品に共通するクライマックスであり、これがつまり「使いかたによってはとんでもない傑作を生む」回想の効果だと思う^^

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『年末特別企画 この技術がすごい!(9)』
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年末特別企画 この技術がすごい!(7)

2022-12-24 00:10:00 | コラム
特別企画、第七夜はオーバーラップ。

以前はディゾルブと呼ばれていた編集技術で・・・
(元々映されていた)映像Aに(新たに映し出された)映像Bが徐々に重なっていき、と同時に映像Aが薄くなり消えていく/映像Bが濃くなり最終的に映像が切り替わること。

フリッツ・ラングの大傑作『メトロポリス』(27)にも登場、


つまり技術としては古典も古典、基本も基本というか。

わが神も、わが神映画で多用しているし^^




そんな基本の技術の王者は、やっぱり『サイコ』(60)の「バスタブの排水口/ジャネット・リーの瞳」でしょう。


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『年末特別企画 この技術がすごい!(8)』
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年末特別企画 この技術がすごい!(6)

2022-12-23 00:10:00 | コラム
特別企画、第六夜はレンブラント・ライト。

画家、レンブラントにちなんだ名前が冠せられたライティング技術。


レンブラントといえば、光と影。
これは妻サスキアを描いた代表作で、


自分すんごい好きなんですよ、ずっと眺めていられる。


ライトの当てかたなどの解説はプロに任せて笑、
簡単にいえば「陰影」が極端に際立ち、異様な「立体感」を表現出来ます。

「フツーではない」空間を作り出せるというか。

『ゴッドファーザー』(72)の屋内シーンの多くは、レンブラント・ライトを採用して撮影。



ただ、その徹底さという意味で『コックと泥棒、その妻と愛人』(89)に敵う映画はないでしょう。

ほぼ全編をレンブラント・ライトで撮影、
奇怪な物語、ゴルチエの衣装、ナイマンの音楽と見事に調和して抜群の効果をあげています。


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『年末特別企画 この技術がすごい!(7)』
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年末特別企画 この技術がすごい!(5)

2022-12-22 00:10:00 | コラム
特別企画の第五夜は、「銀残し」。

難しいことをいうと・・・
現像の際「必要になるはずの」「銀を取り除く作業」を「敢えて省く」ことにより、映像に独特な個性を持たせる撮影用語のこと。

どういうこと?
と思っちゃうでしょうが、それがどういう効果をもたらすのかが分かればいい話で。

カラーだけど、カラーじゃないような。
もちろんモノクロではないけれど、なんとなくモノクロに見えることがあるような。
くすんだ感じの、彩度の低い色を。

そんな、市川崑からの難題に挑んだのは撮影監督・宮川一夫。
60年―『おとうと』を発表、世界で初めて銀残しをやってのけ、賞賛を受ける。


この技術を気に入り、自作で多用しているのはスピルバーグとデヴィッド・フィンチャー。

ほら、『プライベート・ライアン』(98)や『マイノリティ・リポート』(2002)、
それから『セブン』(95)の映像って独特でしょう、ほかの映画と比べて全体的に暗く、眩さが少ない?っていうか。。。

『セブン』の追跡シーン、とくに外に出てからの映像は、ことばは妙だけど「銀、残しまくり」でこの技術を最も効果的に使った映画なのではないかと。


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『年末特別企画 この技術がすごい!(6)』
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