Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(443)

2023-01-26 00:10:00 | コラム
てぃーんうる「ふ」→「ふ」るめたるじゃけっと

奇人変人スタンリー・キューブリックの個人的5傑を挙げてみましょうか。

(1)『フルメタル・ジャケット』(87)

(2)『バリー・リンドン』(75)

映像美を堪能。
大作だがじつは「わりとチマチマした?」物語で、映画の規模との落差が激しいところが面白い。

(3)『2001年宇宙の旅』(68)

理解なんかする必要ないです、映像に身を委ねましょう。

(4)『現金に体を張れ』(56)

スーパークールな犯罪劇。
これ観ちゃうと、初期のQTは単なるガキだと思えてくる。

(5)『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(64)

シニカルさという点ではこれがベスト、そのスタンスは、ひとを喰った冒頭のクレジットから徹底している。

…こんな感じ。
そう、『時計じかけのオレンジ』(71)も『シャイニング』(80)も圏外なのだった!!


次に、ベトナム戦争をテーマとした映画の個人的3傑を。

(1)『ディア・ハンター』(78)

(2)『地獄の黙示録』(79)

そして、
(3)『フルメタル・ジャケット』!

両方に入った、『フルメタル・ジャケット』の優勝!^^



キューブリックの映画のなかでいちばん好きな理由はふたつあって・・・

1、初めてリアルタイムで触れたキューブリックの映画だから。

これ、大きいと思うのよ。
たとえばもう少し早く生まれて「ソレ」が『シャイニング』であったとするならば、1位は変わっていた可能性が高い。

2、『時計じかけのオレンジ』で最後に皮肉った「洗脳と、その限界」をさらに考察したテーマに感動したから。


『ディア・ハンター』と『地獄の黙示録』を「大局的な視点で捉えたベトナム戦争映画の総決算」だとするならば、『フルメタル・ジャケット』は、そこから抜け落ちた視点でヒトを見つめた哲学映画といった趣き。

ヒトを殺人マシーンへと洗脳していく過程を丹念に描いた前半と、


殺人マシーンであるにも関わらず、少女狙撃兵に苦戦するところを皮肉っぽく描く後半と。

キューブリックの意図は極めて明快、
洗脳も、育った環境には太刀打ち出来ない、、、そういうことでしょう。

更生したかのように見えて「ぜんぜん」変わっていなかったアレックス(=『時計じかけのオレンジ』)を描くことで、キューブリックは「洗脳と、その限界」を説いてみせた。

16年後に発表した『フルメタル・ジャケット』でもその考えは変わらない、、、いやむしろさらに強固になったというか、
「生まれついての」狙撃兵に、仲間を次々と殺されていく主人公の姿を通して、それを証明したかったのではないか―自分は、この映画をそのように解釈しています。




あすのしりとりは・・・
ふるめたるじゃけっ「と」→「と」ーましんまっけんじー。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(444)』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

へんな記憶力^^

2023-01-25 00:10:00 | コラム
妙なことばかり覚えている。

漢字の忘れも、映画人の名前もフルでいえないことが多くなってきたのに、他者が発した映画の感想だけは「なぜか」「絶対に」忘れないのだった。

当の本人も忘れている、、、にも関わらず!!

「―たしか、〇〇はつまらないっていったよね」
「えっ、いった!? ぜんぜん記憶にない」

「〇〇がベストワンだったよね」
「えー、誰にも明かしてないと思ったけど…いったことあったっけ」

などなど、いつも驚かれる。

前述のとおり「映画人の名前など」は忘れがちなので記憶力がハンパない!ということにはならない、のが残念。

それこそ淀川センセーのように、
昔観た映画のワンシーンを「まるで、きのう観てきたかのように」語る知識人を目指していたはずなんだが・・・

いったいどこで、道を誤ったんだか(^^;)(^^;)(^^;)(^^;)(^^;)



…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(443)』
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本女優別10傑(37)小松菜奈

2023-01-24 00:10:00 | コラム
~小松菜奈のキャリア10傑~

「コマツナ」ちゃんこと、菜奈さん26歳。
旦那の菅田将暉とともに、好調をつづける人気若手の筆頭。


嫌いでもないのに「無理して」ふたりに罵詈雑言を浴びせようと考えてみましたが、まったく浮かびません(^^;)

完璧なカップル、そして双方とも演者として、まちがいのないキャリアを歩んでいるといえるでしょう。


(1)『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)

この映画に関しては、俳優どうこうではないかな。
映画そのものの、強度が強過ぎる。

こういう作品ばかりだと疲れる、、、かもしれないが、自分は、こういう作品に出会うために劇場に向かうのであります!



(2)『渇き。』(2014)

実質的な長編デビュー作。
物語としてはやや破綻しているが、悪魔的な女子高生役が完全にハマっていた。



(3)『恋は雨上がりのように』(2018)

オタク層から人気の高かった漫画を映画化、簡単にいえばおじさんと女子高生の恋物語、
キャスティングによっては総スカンだろうが、おじさんを大泉洋が演じたので問題?にはならなかった。


(4)『バクマン。』(2015)

声優を目指すヒロイン役の「薄さ」は、どうしたことか―と思わないでもないが、このエンディングロールに免じて及第点かな~。。。



(5)『沈黙 ―サイレンス―』(2016)

この歳でスコセッシ組の現場を体験出来たこと、じつにうらやましい。



(6)『来る』(2018)

ホラー小説『ぼぎわんが、来る』を中島哲也が映画化、
コマツナちゃんは、「霊媒師の血を引くキャバ嬢」という変わったキャラを嬉々として演じていて面白い。


(7)『さよならくちびる』(2019)

門脇麦ちゃんと共演、ふたりに見惚れていたら終わっていたので、正直あんまり覚えていない(^^;)



(8)『予告犯』(2015)

ネット上に端を発する犯罪を描く、人気漫画の映画化作。
メインは生田斗真と戸田恵梨香で、コマツナちゃんはそれほど目立たず。


(9)『閉鎖病棟 ―それぞれの朝―』(2019)

ファンから映画化・ドラマ化・舞台化の要望がたいへん高い帚木蓬生の小説『閉鎖病棟』は、2001年と2019年に映画化されていて、これはその後者。

出来はけっして悪くないのだが、わざわざ「それぞれの朝」という副題をつける理由って、どこにあったのか。。。


(10)『糸』(2020)

中島みゆきの名曲『糸』からヒントを得た物語、少々クサいが瀬々敬久の演出なので、ソツなくまとめていて後味よし。


…………………………………………

明日のコラムは・・・

『へんな記憶力^^』
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やっとカーテンを(^^;)

2023-01-23 00:10:00 | コラム
団地5階、
隣りの棟までの距離が「まあまあ」離れている、
夜景が「そこそこ」きれい、

という理由で、つけてはいるものの、カーテンを「ほとんど」しない。



のだが、ココに住んで15年以上が経過し、やっとのことで、

あっ!
カーテンしないから、暖房の効きが弱いのか!!

ということに気づき、いまさらながら「寝るときはカーテン」するようになったのだった。。。


あったかい!!

バカかよ^^


※まあ好きか嫌いかでいったら「好きなほう」に入る曲だが、冷静に聴くと、秋元康って気持ち悪いよね…となる(^^;)


…………………………………………

明日のコラムは・・・

『日本女優別10傑(37)小松菜奈』
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

令和版・海外俳優列伝(52)カーク・ダグラス

2023-01-22 00:10:00 | コラム
16年12月9日生まれ・2020年2月5日死去、享年103歳!
アメリカ出身。

103歳の大往生だったカーク・ダグラスといえば、
クラシック好きにとっては「硬派」「大作」そして、キューブリックを悩ませた人物というイメージでしょうか。


自分の世代にとっては、マイケルの「よき」パパ。



※世代的にこのCMは、あとで知ったのだけれど…ジョン・バリー、そしてフランケンハイマーまで出ていたのね!!



<経歴>

少年時代を貧民街で暮らした苦労のひと。
新聞配達やボクシング(!)などで家計を助け、やがてアメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツに入学。
このときの同級生がローレン・バコールで、彼女の薦めもあって46年の『呪いの血』で映画俳優デビューを果たす。

『暗黒街の復讐』(48)、『チャンピオン』(49)、『ガラスの動物園』(50)、『死の砂塵』(51)、『探偵物語』(51)、『ユリシーズ』(54)、『海底二万哩』(54)。

50年代真ん中あたりから製作業も兼務するようになり、このあたりは息子マイケルにきっちり受け継がれたようですね^^

『炎の人ゴッホ』(56)、ドク・ホリデイを好演した『OK牧場の決斗』(57)、
しつこい演技指導に辟易しつつ、その才能はきっちり認めていたらしいキューブリックの『突撃』(57)、
『ガンヒルの決斗』(59)、

再びキューブリックを起用、しかしコレをきっかけに「キューブリックのハリウッド・システム嫌い」が加速したとされるいわくつきの『スパルタカス』(60)。


この映画、たしかに見どころは多いのですが、観たあとになにも残らないというか、キューブリック印がほとんど感じられないのですよね。
自宅に引きこもるようになったのも、なんとなく分かるなぁ(^^;)

『脱獄』(62)、『五月の七日間』(63)。

このころ来日も果たしていて、「赤ひげ」三船にも会っている!


『パリは燃えているか』(66)、『暗殺』(68)。

75年、『明日なき追撃』で念願の監督デビューを果たす。
演者としても得意な西部劇でしたが、ニューシネマ直後で「このジャンルが求められていない」時代だったこともあり、評判は芳しくなかったようです。
観ましたがたしかに、印象に残るのはモーリス・ジャールの音楽だけだったかも。。。


デ・パルマの『フューリー』(78)は本国でスマッシュヒットを記録、
日本では「それほど…」でしたが、B級好きにはたまらない「妙なおかしみ」のある怪作でした。

『ファイナル・カウントダウン』(80)以降は「たまに映画に顔を出す」程度となり、その代わりマイケルが大活躍。

オスカーを取ったときのマイケルのことば「ボクを常に陽の当たる場所へと導いてくれた」は感動的だったなぁ!


2020年2月5日、自宅で死去。
(死因は非公表)

享年103歳、遺作は2003年の『グロムバーグ家の人々』。


そろそろ伝記映画が創られそうな気がしますね。
出来ればマイケルがプロデュースして、しかもキューブリックとの確執もきっちり描いたやつを希望!!


次回の列伝は、カート・ラッセルさんから。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『やっとカーテンを(^^;)』
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする