Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(70)クリストファー・プラマー

2023-04-20 00:10:00 | コラム
29年12月13日生まれ・2021年2月5日死去、享年91歳。
カナダ出身。

プラマーといえば、なんといってもトラップ大佐。
2000~2010年代に沢山の映画で重鎮や黒幕などを演じるも、スクリーンに映るたび「おっ、トラップ大佐だ!」と思っちゃうんだもの^^

ジュリー・アンドリュースの映画だけど、トラッ、、、じゃない。プラマーも激シブで素晴らしい!



<経歴>

オスカー/エミー賞/トニー賞の演技三冠を獲得した偉大なるひと。


娘さんは、アマンダ・プラマー。


誰?と思うひとにはこちら、そう『パルプ』のあのイカレ女!!(^^;)



53年よりブロードウェイでキャリアを築き、
58年の『女優志願』で映画俳優デビューを果たす。

『エヴァグレイズを渡る風』(58)、『ローマ帝国の滅亡』(64)。

65年、『サウンド・オブ・ミュージック』に主演。
ガキのころは有名な音楽の数々と魅力的な長女にしか興味が向きませんでしたが(^^;)

成人してから観返してみると、戦時下を巧みに取り入れたストーリーテリングの巧さとプラマーの渋い演技に感心しきりでした。

『将軍たちの夜』(67)、『ワーテルロー』(70)、『らせん階段』(74)、『スカイエース』(76)、『サイレント・パートナー』(78)、『ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど』(79)、『ある日どこかで』(80)、『ドーバー海峡殺人事件』(84)。

出演作は日本でもコンスタントに劇場公開され、ほとんどのひとが「トラップ大佐の新作!」と認識しているのは「もはや」微笑ましいことなのかも・・・

と思いつつ、このひとが精力的な活動を展開していくのはじつはここからで。

『ドラグネット 正義一直線』(87)、
『スタートレックVI 未知の世界』(91)のチャン将軍、スパイク・リーの力作『マルコムX』(92)、『ウルフ』(94)、
キング原作のミステリー『黙秘』(95)では主人公の秘密を探る警部を好演、
『12モンキーズ』(95)、人気キャスターを演じた『インサイダー』(99)、
『ビューティフル・マインド』(2001)、『アレキサンダー』(2004)、『シリアナ』(2005)、『インサイド・マン』(2006)、『Dr.パルナサスの鏡』(2009)などで大活躍。

そして2011年、『人生はビギナーズ』でオスカー助演賞を受賞。
82歳、演技部門では最高齢だそうです^^



その後もフィンチャーの『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)、
『Dearダニー 君へのうた』(2015)、
2017年には、スキャンダルにより降板を余儀なくされたケビン・スペイシーの代役として『ゲティ家の身代金』に「緊急」出演、
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)でも元気な姿を拝めましたが、

2021年2月5日、自宅で死去。
死因は、転倒に伴う頭部打撲だったそうで…。

合掌、
映画の遺作は『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』(2020)でした。


次回の列伝は、クリストファー・ランバートさんから。

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明日のコラムは・・・

『許可はまだ、ですが。。。』
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令和版・海外俳優列伝(69)クリストファー・ウォーケン

2023-04-19 00:10:00 | コラム
43年3月31日生まれ・80歳。
アメリカ出身。

猫大好き、踊るのも得意なウォーケンは、ウィキペディアでは「舞台のミュージカル俳優出身であるため、多くの出演作品の中で多かれ少なかれ踊っている」と記されています。

たしかにそうなんだけど、「多かれ少なかれ」って!笑笑



ジョークの通じるひとなんだ、、、というイメージもキャリア中盤からでしょう。
それまでは演じるキャラクターが低体温過ぎて、ちょっと怖い感じあったもんね。


<経歴>

映画俳優デビュー作は、71年の『ショーン・コネリー/盗聴作戦』。
窃盗団の一員ザ・キッド役でした。

『グリニッチ・ビレッジの青春』(76)、『アニー・ホール』(77)を経た78年、マイケル・チミノがベトナム戦争を描く『ディア・ハンター』で精神をやられるニックを熱演、オスカー助演賞に輝く。

つらいけど、観るべき映画のひとつ。



再びチミノと組んだ『天国の門』(80)は「スタジオつぶした失敗作」とされているけれど、映画としては「かなり」良質。

『戦争の犬たち』(80)、
スティーブン・キング原作、予知能力を持つ男の悲哀が胸に迫る『デッドゾーン』(83)、


『007 美しき獲物たち』(85)における悪役、


『ミラグロ/奇跡の地』(88)、『ホームボーイ』(88)、『キング・オブ・ニューヨーク』(90)、『バットマン リターンズ』(92)…うん「ジョーク通じなさそう」イメージは、ここまでのキャリアによるものでしょう。

それが変わったのが、『トゥルー・ロマンス』(93)や『パルプ・フィクション』(94)のキャラクター。
ほんとうに、こころの底から楽しんで演じているように見えたから。



よく分からないけれど面白いインディーズ『サーチ&デストロイ』(95)でも踊っていたし笑、



『デンバーに死す時』(95)や『バスキア』(96)、『ラストマン・スタンディング』(96)、『スリーピー・ホロウ』(99)、
『マリー・アントワネットの首飾り』(2001)、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002)などなど、とくに90年代後半~2000年代前半は人気監督からのラブコールが絶えませんでした。


それ以降の作品に・・・
実在した女賞金稼ぎを描くトニー・スコットの『ドミノ』(2005)、
俊英マーティン・マクドナーが注目されるきっかけとなった『セブン・サイコパス』(2012)、
イーストウッド御大の『ジャージー・ボーイズ』(2014)など、
さすがに高齢なので多作ではないものの、観て損はない佳作ばかりでウォーケンのホンを選ぶ目は確かなのだなぁと。

最新作は、2020年の『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告』。
デ・ニーロと共演、ふたりとも元気でうれしいです^^

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令和版・海外俳優列伝(68)クリストフ・ヴァルツ

2023-04-18 00:10:00 | コラム
56年10月4日生まれ・66歳。
オーストリア出身。

QTことタランティーノの最も優れたところは、

ストーリーテリングではなく、
耳のよさ(=選曲)でもなく、

そのキャスティング・センスにあるのではないか。

英語表記は「あのワルツ=waltz」と同じになる素敵な俳優・ヴァルツは、舞台の世界ではそれなりに名の通ったひと、、、だったかもしれないが、映画の世界では無名にちかかった。

そもそも映画キャリアなんて、ないに等しかったし。
そんなヴァルツがQTに見初められ、オスカー俳優になったときすでに50歳を過ぎていた、なんとまぁ夢のある話でしょうか!




<経歴>

70年代後半より、舞台俳優として活動をスタート。

映画俳優デビュー作は、82年の『トルスタンとイゾルデ』。
こちら観ていないので、なんともいえません(^^;)

そこから「だ~~~~~いぶ」年月が流れ、
2009年、QTによる「歴史修正主義」映画『イングロリアス・バスターズ』でナチス親衛隊ハンス・ランダを怪演、


これにより、オスカー助演賞を受賞する。
(カンヌの演技賞も受賞)

ブラピのスター性、メラニー・ロランの麗しさをも凌駕するインパクトでしたもん、このひとすげぇ!QTさすがだ!!みたいな。

オスカー効果は絶大で、次々にオファーが舞い込むようになり・・・
『グリーン・ホーネット』(2011)、『おとなのけんか』(2011)、『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』(2011)などに出演、
いずれもさすがの演技、ただハンス・ランダが強烈に過ぎて。

と思っていた矢先に再びQTがヴァルツを起用、
『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)で賞金稼ぎを好演、2度目のオスカー助演賞を獲得する。

映画としては『イングロリアス・バスターズ』のほうが好みだけれど、ヴァルツが演じたキャラクターとしては『ジャンゴ』のほうが深くて好きかな^^

撃たれたとき、ジャンゴ同様に哀しかったし。。。


ではヴァルツは、今後もQTの映画でしか輝けないのか??

否。

『ビッグ・アイズ』(2014)を経た2015年、『007 スペクター』で悪役フランツを演じて絶賛を浴びる。

※『ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)にも出演。


近作に、『ダウンサイズ』(2017)や『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)など。


若手ではないのでガツガツした感じはしませんが、3~4年にいちどのペースで代表作が生まれている気がします。

演技力は周りが引くくらいですから、要はホンの問題。
がんばれ監督さん、すんごい才能を持て余していてはいけないよ!!

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煙草の覚悟は出来ていたが(^^;)

2023-04-17 00:10:00 | コラム
先日、朝刊の一面に触れてびっくらこいた。

朝・夕刊のセット現在4400円から、4900円への値上げ!!



たしか・・・
自分が新聞奨学生やっていたころは、3650円。
30年間で1250円も値上げしたことになる。

同じころ煙草1箱の価格が220円、現在600円。

紙媒体と嗜好品のちがいはあるが、どっちが「より、ひどい」のかは分からん。

ただ煙草は嗜好品ゆえか覚悟は出来ているんだよね、きっと1000円を超えても(癌にならないかぎり)吸いつづけるだろうし。

いっぽう新聞は・・・。

奨学生をやっていた。
当時の専業さんが最寄りで店長をやっている。
10日にいちど、坊主刈りにする際に使用する。
あと料理とか、爪切りとか?

それくらい?の理由で購読をつづけているわけだが、

あ!
あと金曜夕刊の映画レビューだけは必読。

それで4900円だものなぁ、
批評家・柳下毅一郎の文章はそのくらいの価値がある!といいたいところだが、5000円を超えた時点でどうなるか分からない、、、かもしれません。




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4時間でも許される!!

2023-04-16 03:11:52 | コラム
わが神・スコセッシの最新作『Killers of the Flower Moon』が、どうやら「ほぼほぼ」完成したらしい。

これを映画化する!というニュースに触れてすぐに原作のノンフィクション、『花殺し月の殺人―インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』を読む。

現在3周目、これをいうと友人は驚くが、
いやいや遠藤周作の『沈黙』なんか、映画公開までに10回は読んだからね、まだまだ少ないほうです^^


レオ主演、(たぶん)デ・ニーロ共演、もう期待しかない、
ただ原作を読んだ時点で「こりゃ長くなるぞ…」と思っていたが、なんとなんと240分超らしい(^^;)

いいもん、いいもん。
おしっこ我慢すればいいだけじゃん!

いまは流れとして「映画の理想はやっぱり90分前後なんじゃないだろうか」説が支持されていたりするのだが、ひとりやふたりくらいベルトリッチ精神を継承する監督が居たっていいじゃん!!

初披露は5月のカンヌを予定、
ちなみに映画祭には北野武の『首』も出品、


熱いねぇ、熱すぎる。

日本は早くて、9月あたりかな。

思えば。。。

『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)といい、


『アイリッシュマン』(2019)といい、


今回の映画といい、
スコセッシなりの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』をやろうとしているんじゃないのか。

・・・だとするならば、4時間なんて短いぜ!!ってな話なのでR。

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