たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

日光庵滝氷瀑。ここもまたそろそろ終わりの気配だった。帰路の戦場ヶ原めぐりは正直、歩き疲れた。

2025年01月29日 | 日光周辺の山
◎2025年1月27日(月)

赤沼駐車場(8:35)……小田代ヶ原歩道入口(9:11)……小田代ヶ原の看板(9:19)……弓張峠・1431m(9:33)……庵滝入口(9:36)……庵滝(10:23~10:40)……庵滝入口(11:09)……戦場ヶ原入口(11:15)……湯滝方面分岐(11:24)……泉門池(11:51)……青木橋(12:08)……赤沼分岐(12:42)……赤沼駐車場(12:51)

 何年か前のこと。瀑泉さんが庵滝に行かれたブログ記事を拝見した。天気が悪かったせいだろうか、掲載写真を併せて見ながら、厳しさを感じて自分には縁のない氷瀑と思った。ただ、以来、いつかは行ってみたいとは思っていた。
 最近の庵滝記事を見ると、随分と多くのハイカーが入っているようで、弓張峠からの道はさながら登山道のように踏み固められ、迷うところもないらしい。チェーンスパイクで十分との記載もあった。つまりは、先日の赤城の氷瀑と同様に、スパイク長靴でも問題なしということだろう。26日の日曜日は混むかもと、翌日に行くことにした。

(出発。どんよりした天気。実は足尾あたりを通っている時、家に引き返そうかと思ったほどだ)


(赤沼橋)


(陽が出て来た。帰らなくて良かった)


 赤沼茶屋の駐車場に車をとめて歩き出したが、空はどんよりの曇り空。がっかりしたが、歩いているうちに、弱い陽があたるようになってほっとした。このまま晴れてくれればいい。今日は長い歩きになりそうだったので、曇っていたら、せっかくの氷瀑見物も陰鬱なものになる。

(ゲートがいくつか現れる。すべて解放されている)


(ここから小田代ヶ原歩道になるようだ)


 しばらくは戦場ヶ原エリアの端を歩くことになる。雪道は締まって明瞭。駐車場に入ろうとした際に出発したのを見かけた男性二人組が休んでいたので先行した。長靴姿が珍しいのか、こちらの顔、スタイルよりも足元ばかりを見られていた。長靴が珍しいのだろう。二人とも、チェンスパのようだったが、ザックにはアイゼンを引っかけていた。おそらく庵滝かと思うが、やはり、庵滝を切り上げた帰路で二人に出会った。「あぁ、さっきは…」と声をかけたが、きょとんとしていて、足元を見てようやくこちらに気づいたようだった。
 長距離歩きで、早々とはいえ、若いのを追い越すというのは珍しい。これも、基本的に平坦な道歩きからだろうが、弓張峠から先は、地味な登りが続き、少しばかりきつかった。

(一旦、車道歩きになった。右手は小田代ヶ原。あれは三岳だろうか。それとも湖上山、外山か? 以下、記す山名は、男体山以外、まったく自信がない。間違っていたら悪しからず。また看板、標識には「小田代原」と「小田代ヶ原」の表記がある。後者で統一した)


(小田代ヶ原)


(そのまま車道歩きしている方が近いが、敢えて、歩きやすい遠回りをしている)


(結局は車道歩きになる。弓張峠の位置がはっきりしないが、カーブのこの辺かと思う)


 千手ヶ浜に通じる車道に出ることもあったが、極力車道歩きは避けたかったので再び小田代ヶ原寄りに戻って弓張峠に出たりしている。その分、余計な距離が加わり、時間もかかっている。せいぜい15分程度のものだろうか。体の良い記し方をしているが、単に道を間違って遠回りしただけのことで、ここは迷わずに車道歩きをし、帰りに戦場ヶ原を回る方が賢いかもしれない。

(ここから右手に。庵滝までは雪道トレッキングのように明瞭になっていた)


(弓張峠までの小田代ヶ原歩きとたいして変わりはない。強いての違いは緩い登りか)


(外山沢との合流点。沢は右上から左下に下っている。雪に覆われているから、地形を注意しないとわからない。この先、外山沢は右手になったり、左手になって、やがて地図の庵沢になる)


(ここは渡渉点だが、穴ボコがあるからわかる)


 弓張峠先の庵滝入口は明瞭で、道もしっかりしていた。踏み抜きもなさそうだ。これではツボ足でも行けるのではないのだろうかといった状態だった。注意書きがあった。「往復12キロ」とあった。まさかここから6キロもあるのかと思ったが、これは赤沼からの往復の距離で、帰路では戦場ヶ原を迂回したので、実際は14.5キロの歩きだった。滝までの区間は片道2キロ少々かと思う。この注意書きに「自己責任云々」の文字は見かけなかった。晴れているからいいが、曇りや降雪なら道もわかりづらく、沢沿いに歩けば良いだけのことだが、沢そのものは狭く、雪に覆われているため、沢の流れがわかりづらい。天気次第、トレース、いや、雪道の見え具合ではやめた方が良いかもしれない。現に、緑沢の分岐では、窪みと地図でここかと思ったが、緑沢は雪に隠れ、さらに水の流れすら感じなかった。
 前述したが、弓張峠までは長かったものの、確かに楽だった。ここからは緩いながらも登りが続く。距離があれば累積してきつくもなる。こんなところでと思うようなところで立ち休みを数回した。

(ポッコリしたピーク。初めてだし、後で知ったことだが、あそこを目指せば庵滝だ)


(外山沢が左になって)


(ここは緑沢の分岐。緑沢は右。庵滝は雪道沿いに左に行く。ここまで来たら、庵滝はすぐだ)


(何となくあっけない気分だが庵滝に至った)


 目の前先に花札のカスに似た、屹立とまではいかないが、樹々をかぶった岩峰のピークがずっと見えてきて気になった。果たしてそこに庵滝があったわけだが、良い目印にはなるだろう。右手に緑沢らしき窪みが見え、ちょっと先に行くと庵滝が見えた。ここまで帰りの二人と出会い、滝下には二人休んでいたが、その二人もまた帰るところで、滝見をしているのは自分だけになった。

(庵滝に近づいて。このお二人、帰るところだった)


(眼前で。実はもっと大きい姿を期待していた)


(正面からの右瀑。上を見れば、カタツムリの角を付けた人面に見える)


(こちらは左瀑。中に入れそう)


(真下から見上げて)


(滝つぼ。さして深くはなく、氷瀑では流れも緩い)


(ここを渉って、右から左に移動したが。手前はツルツル。ヘタすれば滝つぼに落ちる。知らないから渉ったが、ここの通行はやめておいた方がいい)


(左の隙間。きれいだ)


(反対側から)


(元に戻らず、左側から下って、右を正面から)


(この太い氷柱。つながってはいなかった)


(滝の直登はできないが、左から巻けるような気がする。ただ、確実に多本爪のアイゼンとピッケル、ヘルメットが必要だ。長靴では無理。ただ、登りきったところで、その先で庵沢にすんなりと下りられるのか)


(これは人面部分のアップ。氷は薄くなって。岩肌の水の落ちが見えている)


(改めて)


(まあ、見事な氷柱だ)


(名残惜しい気がした。だれもいなかったせいだろう。満足)


 氷瀑の第一印象は「小さい」だった。こんなものかと思うほどだが、赤城の氷瀑に比べたら高さもあって、真下に行くと圧迫感があった。ここもまた、氷柱の裏側では水がかなり流れていて、部分的に欠けているように見えるところもある。
 勝手を知らずに、滝の真下を右から左に移動した。氷はツルツルでどきりとしたが、そこを危険な思いをして渉る必要はなく、下から左に行く直通の道がついていた。
 一通り眺め、滝下にシートを敷いて菓子パンを食べた。また来ることがあるかは何ともいえないが、一度は観ておいたほうが良い氷瀑かと思う。晴れていて良かった。震えながら観ては、面白くもないだろう。
 そろそろ帰るかと腰を上げてシートを畳む。観られて良かった。わざわざ来なかったら、いつまでも、行っていれば良かったと後悔するだろう。余談だが、地図上の庵滝はさらに上流に位置しているが、これでよかったのかはわからない。緑滝も気になる存在だが、そちら方面に向かうトレースはなく、無雪期に歩いた記事を見かけたが、庵滝に向かう踏み跡はかなり散らばり、緑滝に至っては、素人はやめた方が無難というか危険のようだ。考えないようにしよう。

(戻る)


(別に狭苦しいところを歩いて来たわけではない。こんな広いところは、無雪期でも寝転がっていたい感じがする。この辺から、滝に向かう人が増え出した)


(シカ除けの間を下って)


(車道に出た)


 帰路は楽だった。下りだからに過ぎない。これから庵滝に向かう人たち10人ほどと出会った。やはり、近年になって人気のスポットになっているのだろう。
 車道に出て弓張峠。車道を歩きたくはなく、せいぜい、往路道をそのまま戻れば楽だろうが、せっかくここまで来たからには、戦場ヶ原でも探索することにしよう。高山という手もあるが、過去に2回、積雪期に登り、こちら側に下ったが、トレースもなくちょっと往生した思い出がある。まして逆歩きになるので今回はやめておこう。

(左に入って、泉門池方面へ。往路でもここから車道に出た)


(気持ちの良い歩き。ここの歩道も踏み抜きはまったくなかった)


(ここで湯滝方面へ)


(まだ小田代ヶ原エリア。左から太郎山、小真名子山、大真名子山で、その間の奥の白い山は女峰山かと思う)


(小真名と大真名。女峰をアップで。女峰かは自信なし)


(男体山)


(ひたすら歩いて戦場ヶ原に向かっている)


 泉門池方面に向かったのは往路時と同じコースになるが、その先で湯滝方面に分岐した。ずっと平坦で、歩くには楽だが、同じ風景が続くと次第に飽きてくる。スノーハイクをしている方七人ほどとすれ違った。庵滝がなければ、湯滝まで歩いて周回するのも面白いかもしれない。しっかりした雪道がずっと続いている。

(終点に近づいてはいるが、赤沼まではまだ遠い)


(泉門池から男体山)


 やがて<赤沼2.8KM>の標識が出てきた。まだそんなにあるのかとがっかりした。ここまで来たら、湯滝1.7キロの方が近いが、それをやったらバスで赤沼に戻ることになる。本数が多いわけでもないだろう。泉門池を見て戻る。たいして面白いところでもない。せいぜい池を入れて男体山を撮れるだけだ。

(大好きな太郎山が左にはっきり見えたので)


(こっちがはっきりしているか。女峰山には無理でも、せめて太郎山には、もう一度は登っておきたい。名前に魅かれて初めて登ったのは40年前。今は通行禁止になっているハガタテ薙コースだった。大きな丸い石が脇を落ちて来たのを記憶している)


(青木橋)


(右手に湯川)


(明らかに三岳。この山は一応は登っているが、中途半端に歩いて、完全に回ったわけではない)


(やはり、日光の御大といった威厳がある)


(赤い川)


(カモが二羽泳いでいた)


(ここで往路と合流してラスト200m)


(ようやく戻ったといった感じになった)


 日光連山を眺めながら青木橋を渡る。途中、休憩を入れた。あとは湯川沿いの歩き。もう退屈の限界のところで<赤沼0.2KM>の標識。歩き疲れた。
 駐車場に着いた。歩いている時はまだよかったが、休憩したり、立ち止まると寒かった。汗をかくことはなかった。ズボン選びに失敗し、薄手だったため、ヒートテックを履いてはいてもずっと下半身が寒かった。
 エンジンをかけ、車内で暖気になるのを待った。天気が崩れることはなかった。庵滝も良かった。赤城の氷瀑も庵滝も遅ればせながら観た。今季の氷瀑はもう終わりだろう。だれもが行く雲竜渓谷にはさして興味はないし。

(今回の歩き)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

(付録。いろは坂から般若滝)


(同じく方等滝。上段は堰堤。いずれも、5年前の11月に、いろは坂の路肩に車をとめて、間近まで観に行った。遠望では感慨もあまりない)


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2 コメント

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Unknown (瀑泉)
2025-01-30 22:26:32
たそがれオヤジさん、こんばんは。
庵滝の氷瀑、行って来られましたか。
今シーズンは、どんなものかと少しばかり気にはなっておりましたが、見事なブルーアイスが見られたようですね。
それに、行かれたのが月曜ということで、トレースも有ったようだし、静かに鑑賞が出来たようで何よりでした。

自分の過去記事を見たら2015年2月だからもう10年前でした。あの時は降雪直後で、環境観測所入口から庵滝までトレースは無し。
人が多いにも関わらず、自分と爺様とにーちゃんの実質3人で1時間40分ラッセルをして、ようやく辿り着いた氷瀑よりも、
ラッセル泥棒の連中に腹が立ったのを今でも覚えています(笑)。
まぁ、それはさておき余談ですが、「地図上の庵滝はさらに上流に位置している」の庵滝は、実際は外山滝(40m)と呼ばれています。
ただ、この外山滝を見るのは無雪期でも容易ではありません。いかんせん庵沢は、奥日光一の険谷で、幾つか滝を越えても手前のCS滝が
行く手を阻みます。自分も下からは無理なので上から行けないかとは思っているのですが、体力もいるし単独では厳しそうです。
それと、緑沢の緑滝はF1からF4からなる連瀑帯(F4 35mのみ緑滝と称する場合もある)ですが、F1(18m)の氷瀑なら見られるかも知れません。
ただ、冬は滅多に人は入らないし、スノーシューでも大分踏み抜くようですが。
ところで庵滝の氷瀑、やはりスケールが小さいとの印象を持たれたようですね。そういう方は、一度は雲竜渓谷の氷瀑をご覧いただくことをお勧めします。
やはり氷の殿堂と言われるだけあって、スケールが違いますし、平日に行かれるならおそらく人もそこまで多くは無いでしょうから。
正直、此処の氷瀑は一度見たから良いかと思っていますが、雲竜渓谷の氷瀑は4度足を運んでいても、また見たいと思っていますから。
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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2025-02-01 16:35:52
瀑泉さん、こんにちは。
瀑泉さんにそれほどに雲竜渓谷をお薦めいただくようなら、やはり行かなきゃなんて思ってしまいます。ブログには記しておりませんが、矛盾した話、実は、暖冬の由、早々に行った方がいいかななんて、頭の予定には入れてしまったのですが、迷っていました。寒波の襲来で、まだ持ちそうですね。気分によっては行くかもしれません。ただ、無雪期に行った際、やたらと長い距離を歩いた記憶があり、まして、歩きコースは面白くもなく、基本的にはピストンになりますから、途中で、嫌になって戻る事態にならなきゃいいですが。今回の庵滝よりも歩く距離は短いようですけどね。
庵滝の上流、そして緑滝もまた、瀑泉さんのご説明で納得です。庵滝については、踏み抜きもないしっかりしたトレースというか雪道を歩きましたけど、あれが降雪後のラッセルでは、雪をかぶった外山沢さえ判別できなかったのでは1時間40分でも速かったのではと思いますよ。とにかく、その外山滝と緑滝については、私なんか、ただの滝見で、ちょい氷瀑ですから、頭からは離すことにします。そもそも、F1とかF4といった記号滝の世界は縁のない世界ですわ。
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