あと少しで、母の葬儀も終わる。
最期の見送りの日が、晴れていてよかった。
朝は曇っていたけれど、晴れてきて。
最期の見送りの日が、晴れていてよかった。
カトリックの母にとって、仏式の葬儀なんて、ただの儀式にしか過ぎないだろう。
ここ数年、ほとんど顔も見せなかった妹が、自分の記憶に残る母のエピソードを住職に伝え、昔の価値基準でつけられた戒名とか。すべて。
でも、母なら、ま、こんなもんでしょと思ってるに違いない。
大切なことは、生きてるうちにどれだけ会って、話をして、楽しい時間を過ごすかっていうこと。死んでから、どんなに豪華なお葬式したって、お墓にお供え物したって意味がない。
それが、生前に母が言っていたこと。
葬儀の前、自宅に安置した母に、たくさんの人がお悔やみに来てくださった。そのたびに、私は、母から聞いていた楽しかったエピソードをお話して。心からの感謝を伝えて。あの時間が、母にとっても、私にとっても、ほんとうの葬儀だったんじゃないかな。
斎場に咲いていた名もない花
だんだんいろんなことができなくなった母に、きついこと言って、悲しませたり、けっしていい娘ではなかったけど。
それでも、楽しいこともたくさんあったよね。
お疲れさまでした。おやすみなさい。