ムーミンシリーズの中に、この世の終わりにおびえるフィリフヨンカという話がある。
ムーミンは出てこない。
殺風景な海辺の家で、世界の終わりの予感におびえて暮らす、
一人暮らしの女性(フィリフヨンカ)の物語だ。
彼女の一人暮らしの家に、ひどい嵐が襲ってくる。
彼女の予感どおりに、世界の終わりを思わせるような。
この地方に、大きな地震がくると言われていたのは、私が子どもの頃だった。
学校に防災頭巾を持って行き、座布団代わりにしていた。
幸い、まだ、大きな地震は起こっていない。
晴れた日、ふと、こんなに晴れていて大丈夫なのかと心配になる。
車通りのない静かな道を走っていると、ふと、あの日の道路を思い出すことがある。
この場所は、何も被害がなかったのに、道路には動かない車が連なっていた。
どこかで、ここが無事でいることが、許されるのかと思ってしまう。
世界の終わりにおびえるフィリフヨンカは、嵐の夜をのりこえ、
なくしてしまったものもあったけれど、最後は、晴れた海で絨毯を洗っていた。
どこかすっきりした顔で。
私は、何におびえ、何を乗り越えなければいけないのだろうか。
消費税増税前なので、大枚はたいて家の改装をし、家具等を購入する。
だけど、気持ちのどこかで、こんなことをしてる場合ではないと思っている。