遠く九州の従兄妹が、急に、揃って来ることになった。
母と、伯母に会いに寄るという。
若くして亡くなった伯母の子、はるか年長の従兄妹たちだが、
数年前、母と伯母が九州に行ったときも、それはそれはよくしてくれたらしい。
これはぜひ、おもてなしをしたい。
別の従妹も来ることだし、今が旬の桜えびを出したいと思う。
ということになったのが、2日前。
近所に桜えびの踊りを出す店があるらしい、と伝えたら、
寿司とかき揚げを注文したらしい。
踊りは頼まないのかと聞けば、好みがあるのでやめるという。
昔の人間は、相変わらず、桜えびを生で食すのに、抵抗があるんだな。
(衛生状態も、保管方法も変わっているのに)
昨晩、遅く帰ったら、ドイツソーセージの店で、生ハムを買ったから、
生野菜とあわせて出したいという。
あわないと思うが、気持ちなのでわかった、明日朝、買いに行くと伝える。
さらに、お酒も出したいが、コップ(お猪口)もないという。
わかった、何か探すと伝える。
そういうわけで、11時頃、来客が来る前に、準備をすることになった。
スーパーの開店を待てないので、取り急ぎ、農協の売店に行く。
途中、昔からの雑貨屋があるので、もしかしたらと寄ってみる。
さして広くない店に、雑然と雑多な商品が置かれている中に、
冷酒のグラスらしきものを見つける。
他にないかと親切なお店の奥さんに、窮状を訴えてみる。
冷酒を出したいのだが、何で出せばよいかわからない云々。
見せられた冷酒グラスは2個、数が足りない。
小さめの切子ガラスのコップがあったので、聞いてみる。
半分位つげばいいでしょうということで、買い求める。
HOYAのクリスタルガラス製、どうみても高級品。
「5000円だけど、在庫にしていてもしょうがないから」と、
おおまけにまけて、2000円に、有難く購入する。
それにしても、さすがに、この店は侮れない。
ない物があったとき、一度寄る価値は絶対ある。
さらに、農協に寄る前に、酒屋に行き、
一度だけ飲んだことがある、正雪の大吟醸を求める。
コップ1杯だったけど、それはおいしかった記憶がある。
酒屋の奥さんの話では、今年も県知事賞をとったというし。
農協により、生野菜はないが、不知火(デコポン)を買い求め、
開店時間になったスーパーで、生野菜を買う。
あとは、料理が届けば、この地域らしいおもてなしになるかと。
九州からきた従兄妹は、それほど飲みはしなかったものの、
桜えびのかき揚げをおいしく食し、数時間の滞在で帰って行った。
本当は、母がもう少し若ければ、桜えび買って来て揚げたてを出し、
魚も買ってきて、寿司を握るくらいはできたかもしれないが。
遠くから来た人たちに、この地域の名産品でおもてなしするのも、
なかなか悪くないなと思う。
だけど、お酒にしろ、桜えびにしろ・・・最近、
勤務先のおもてなし方法に、染まってるかもしれない。