四つ葉のクローバー

鼻水ぐすぐすのショコラは、

結局、麻酔をかけた歯の検査は行わなかった。

あごの湿性皮膚炎の症状も良くなりつつある。

とりあえず、お薬で様子を見る。

 

点鼻薬をもらって帰るとき、

先生が、すすっと外に行って、

ショコラにと、四つ葉のクローバーをくれた。

 

幸せになれってことかな。

 

２年前、５才のショコラをもらって来た日、

その足で、健診に来た。

ぼさぼさで、涙目で、後ろ足はひどい尿やけだった。

こんな状態のうさぎがいるのかと、正直びっくりした。

 

あの時からみたら、少しは幸せかな。

 

でもね、朝晩、仰向け抱っこされて、

抵抗むなしく、点鼻薬をさされて、

毛繕いをしてない尻の毛は、ブチブチ抜かれ、

ついでに、首筋に思いっきり薬もぬらて。

あうあう、ぶひぶひさせられているんだけど。

だから、当然、人間が近づこうとすると、

あっという間に、逃げ去ってしまうのだけど。

 

それでも、

ノンタンの横に目を細めて寝そべっている姿は、

少しは、幸せなのかもしれない。

 

四つ葉のクローバー、おいしかったですか？

ショコラ。

ショコラ、くしゃみをする。

金曜日、ショコラがくすん、くすんとくしゃみをしていた。

今までも、慌てて食べてむせては、くすくすしていたが、

回数が多すぎる。

抱き上げてみると、片方の鼻にべたりと白い鼻水がからんでいる。

・・・・困った。

湿性皮膚炎の原因が歯でないか確認するため、

日曜日には、麻酔をかけて歯の検査をする、かもしれない。

風邪っぴきの状態で、麻酔なんかかけて大丈夫だろうか。

 

湿性皮膚炎だった。

暴れるショコラを、獣医師は膝に抱き、

もう一人が、チクチクと顎の下のぬれた毛を刈っていく。

うまいこと押さえられているので、暴れたいショコラだけど、

なかなか暴れられない。

ようやく終わったあとは、よくがんばったねとほめられていた。

いいな、ウサギは。

毛を刈られたあとは、なんだかえらいことになっていた。

皮膚が固くなり、赤くなり、ずいぶん、痛々しい。

これから朝晩、抗生物質入りの軟膏を塗るらしい。

暴れるショコラには馴れているので、まぁなんとかしましょう。

来週の通院を言われる。

もしかしたら、麻酔をかけて歯の様子を見るかもしれない。

よだれからくる湿性皮膚炎ではないかと疑っている様子。

ほんと、耳穴が汚かったり、糞の調子が悪かったり、

いろいろと世話がやけるウサギだな、ショコラ。

・・・

ご飯前に薬を塗る。

案の定、思いっきり抵抗される。

だからとはいえ、しっかり塗りたくってやったのはいうまでもない。

アゴが濡れている。

ショコラの左顎が濡れて、毛が固まっている。

またまた汚くしているなと、とっつかまえて拭いてみたのだが。

どうも、皮膚が固くなっているようだ。

念のため右の顎と比べてみるが、手触りが違う。

毛だけでなく、皮膚もしこっているような。

もう少しと、触ってみたら、思いっきり抵抗された。

痛いのか？

食欲はどうかと見てみると、もさもさと牧草を食べている。

ものすごぉく食欲があるウサギだから、

少々の痛みでも、食べるのかもしれない、とも考える。

病院に連れて行くべきか、どうしようか。

暑いからなぁと逡巡していたら、診察時間を過ぎてしまった。

やむをえない、明日、病院。

 

気になるのは、膿瘍。

今までウサギ３代、この病気にだけは、ならなかったのだけど。

ショコラは賢い

毎朝、人間は起きるとケージの掃除をする。

人間がケージの掃除をし始めると、うさぎ達が寄ってくる。

牧草を交換し、トイレの掃除をすると、

ショコラはいつのまにかケージに入り込み、

朝のペレットを待ちわびている。

 

ほんとに、待っている。

 

意地悪な人間が、わざと後回しにして、

ノンタンのケージを掃除したり、水を換えたり、

床に散らばった牧草を掃いたりしている間、

今か今かと、ペレットを待っている。

 

うさぎ４代と暮らしてみたが、

こんなに食いしん坊のウサギはみたことがない。

それに、

こんなに賢いウサギも、はじめてかもしれない。

 

あんまり待っているので、

いつものように、一掴みのペレットを与えると、

ものすごい勢いで食べ始める。

こんなにがっついているウサギも、はじめてかもしれない。

 

おっとりしたノンタンを呼び戻し、

ペレットを与える頃には、

すっかり食べ終わったショコラが、

どでっと寝そべって寛いでいる。

 

食べ終わったら、愛想を振舞うのも、

おしまいらしい。

 

ショコラは、

逃げ足が速いばかりではなく、

なかなかに賢いウサギかもしれない。

男脳？女脳？

職場の男性が、

なんだかおばさん化している、

という会話のなかで、

男脳と、女脳の話になった。

解決するのが男脳で、

共感するのが女脳だとか。

なるほど。

自分は男脳かなとテストしてみたら、

中性だった。

意外に共感したいタイプらしい。

そうかなぁ。

 

元気がない人が居たとする。

だいじょうぶ、と声をかけ励ますのは、

きっと女脳だろう。

病院に行くべきだと言うのは、

男脳に違いない。

そして、自分は当然、

「病院に行けば」と言うだろう。

 

そういえば母も、このタイプだ。

むしる

ノンタンの目の上の毛が少し抜けている。

たぶん、ショコラがやったな。

一晩放牧した朝、

ノンタンの白い毛が落ちていることがある。

たぶん、ショコラがむしったに違いない。

時たま、ショコラがノンタンを追いかける。

ノンタンは抵抗するでもなく逃げていく。

そして、しばらくたつと、

何事もなかったかのように、

わざわざショコラの側に行き、寝そべる。

あるいは、

ショコラのほうが、ノンタンに寄り添い、

顔をなめられたり、なめたりしている。

このまま２匹同時放牧を続けてよいのか。

考えないわけではない。

むしられているノンタンの様子を見ていると、

ショコラにおびえているわけでもないらしい。

引き続き、現状維持とする。

どっちみち、ここは、婆様２匹の

グループホームみたいなものだしね。

寝そべって寛いでる間は、よしとする。

 

 

結局、

放りっぱなしにしていても、

見ないふりをしていても、

問題が解決するわけではなく、

ただ、悪化していくに過ぎない。

 

対処できるのが、自分だけならば、

それは、

自分が、対処しなければいけないこと。

 

誰の犠牲にもならず、

誰も犠牲にしないように、

力を尽くさなければいけない。

 

弱っているのになぁ・・。