仕事のトラブル、
業績の悪化、
自宅の問題。
加えて、哀しい気分に拍車をかけるのは、
相変らず、触ろうとすると、
「脱兎のごとく」走り去るショコラ。
一緒に暮らしているのに、
うさぎと触れ合えないなんて・・・。
やっぱり、ひっくり返して、
しつこく、お腹をぐりぐりしたのが悪かったのか。
それとも、
うっかり、夕ご飯をあげないで、
朝まで寝こけてしまったのが悪かったのか。
思い当たることが多すぎるので、
さらに、哀しい気分になったりする。
出かけたついでに、花見に行く。
春らしく、空はぼんやりと煙っている。
浅間神社は、満開には少し早かったが、
桜祭りで、夜は提灯をともすらしい。
そここに、巫女さんが歩いている。
公園のしだれ桜もきれいだったけれど、これは境内の桜。
見たようには、撮れないねぇ。
湧玉池のあひる。
ぽかぽかとあったかな日差しの中で、
他のあひるはのんびり昼寝しているのに、
この子は、あちこちせわしなく泳いでいる。
一回り小柄な鴨も、あちこちうろうろ。
春だね。
荒れ放題の庭のそここに、
たんぽぽ、野げし、はこべ、ヨモギ、セリ等が出てきた。
今年は、三つ葉は少ないけど。
片隅を少しだけ耕して、葉大根と、春菊を蒔く。
ノンタンが居たら、食べさせてあげたかったもの。
もうしばらくしたら、ゆすらの実もなるね。
ノンタン、甘い実大好きだったね。
そんなわけで、
毎日、ショコラの食卓が、豊かになっていく。
その割には、がっついて食べなくなってしまった。
年とったのか(ショコラも8才超)、
それとも、
ライバルが居なくなったから、
慌てて食べる必要がないのか?
朝、人間が起きるので、隠れる。
その後、隙をみて、
掃除され朝食が用意されたケージに入る。
一通り食べたら牧草入りベットに収まって眠る。
人間は出かけ、とても落ち着く。
寝る、食べる、水を飲む、を繰り返しまったり過ごす。
夕方、もう一人の人間から野菜等をもらう。
雨戸が閉められ、暗くなり、とても落ち着く。
一通り食べたら牧草入りベットに収まって眠る。
時々、日中の間にためていた糞やシッコをする。
夜、人間が戻る。
夕方の野菜は食べ終わったので、ペレットを催促する。
なかなかもらえないので、ふてくされてベッドに戻る。
ようやく準備ができ、ケージのドアが開いたら、
一直線に、外トイレに向い、匂いを確認する。
それから、ためていた糞とシッコをする。
ケージの外のペレット等を食べる。
さて、食べている間も、シッコの間も、
人間への警戒を忘れてはいけない。
油断をしていると、毛をむしられ、爪が切られ、
耳やお腹をぐりぐりされてしまう。
人間の視線を感じたら、速攻、
暗くて落ち着く隙間を探して隠れる。
人間が眠るまで、静かにまったり過ごす。
深夜、電気が消えるまで。
深夜、眠ろうとする人間の布団の回りで、
ばったんばったん、飛び跳ねる音がする。
姿は見えない。
手を伸ばすと逃げてしまう。
「見えないけれどもあるんだよ」
金子みすずの詩を口ずさんでみる。
ノンタンが居なくなって、
毛繕いしてもらえなくなったショコラ。
小汚いので、人間が毛繕いする。
かなり、嫌らしい。
その結果。
人間がパソコンを構っていると、
後ろでご飯を食べたり、水を飲んだり、寛いでいる。
ふっと振り向くと、さっと隠れてしまう。
姿が見当たらないので探すと、
入ってないコタツの中に隠れている。
電気を消し、人間が布団に入ると、
ばたばたと走り回っている。
電気をつけると、さっと、隠れてしまう。
野生動物か、ショコラ。
まあ、ケージの掃除がすんだ頃、
人間の隙をねらって、
ちゃっかり、中に入りペレットを待っていたりする。
野生では生きられそうにもないな。
目薬をさしたり、毛換りの毛を抜いたりしている間に、
どんどん、ショコラと疎遠になっている。
夜間放牧中のショコラ、
手の届かない距離にいれば、のんびり野菜等を食べている。
別に触ろうとしなくても、ちょっと側によるだけで、
身の危険を感じて、隠れてしまう。
時には、振り向いただけで、逃げられてしまう。
一緒に暮らしている人間としては、非常にさびしい。
目にするのは、うさぎが生息している証の、糞の山、
ふわりと漂う、シッコや、食糞の匂いだけ。
朝ご飯のために、ケージに戻るのも、
目を離した隙を狙い、駆け込んでいるらしい。
呼んでも、隠れ家から出てこないのに、
目を離した隙に、ケージに戻りペレットを食べている。
そこまで、敬遠しなくてもと思うが、
首根っこを掴んで、引っ張り出すと、余計に逃げたくなるらしい。
時間が必要だな。