ゴロゴロ

うさぎのおなかが、なっている。
よくないなと、おなかをさすってみる。
どうなのだろう。少し鬱陶しそうなような、そうでもないような、うさぎの気持ちが、いまいちわからない。6年たってもこの程度とは。

しばらく見て、水をやってみたら、飲みたいという。シリンジに食いついてくるから、わかりやすい。しばらく水を飲んだので、葉っぱでも食べるかと近づける。食べたいらしい。意外に食べる。お腹がゴロゴロいってはいるが、痛くはなさそうだな。

今、うさぎが動かせるのは、首と頭だけ。だから、おなかの痛いポーズもとれない。横たえて置いておくと、次に見るときまで、手も脚も同じ位置にある。糞も同じ位置に落ちている。

なかなかの寝たきり度だね。

でも、食べさせてもらって、飲ませてもらって、お腹がすいたり、喉が乾いたりしなければ、辛かったり苦しかったりはなさそうだ。

では人間は、うさぎが辛くないように、仕事はほどほどにしておきましょう。

うさぎの意志で

寝たきりのうさぎを見て、家族が言う。無理やり生かしておくのも痛々しいねと。

別に無理やり生かしているわけではない。強制給餌もしていない。強制は嫌だという。

だけど、
おなかがすけば頭をあげて食べ物を探している。動けないからなにもないと諦めてしまうけれど。

人間がそばに近づくと、頭をあげて催促する。
「何か食べたい。」
「何かくれるの？」

野生なら生きられないけれど、野生ではないから、まだいいね。ショコラ。

嘘つきうさぎ？

以前に職場で、うさぎが寝たきりなのだと話した。
だから、昼休みは帰ってご飯を食べさせなくてはならないのだと。
ふんふん。

しばらくして、「うさぎはどうなの？」と聞かれたので、寝たきりだけど、生きてると答える。
ふんふん。

また、しばらくして、うさぎ？うん、まだ生きてる。寝たきりだけどね。

「わかった。そのうさぎ、空使ってるんだよ。今ごろは起きてのびのびしていて、あなたが帰ると、動けません、柔らかい草下さい、お尻拭いて下さいってするんだ。」

そうか。そういえば、うさぎは弱ったところを見せないって言うから、嘘つくのは得意だな。

ショコラ、弱ったふりしなくても、大丈夫だよ。元気でも待遇変えないからね。

さて、どうかな。

もう11才

ショコラが家に来たのは2009年8月30日。
その日のブログに書いてあるから、数日前かもしれない。
箱うさぎさんの募集の記事に5才とあったから、11才なのは間違いない。

8月の終わりまでは難しいかなと思っていたのに、最近、涼しくなったからか、よく食べるようになった。チンゲン菜の青い部分1枚に、ケール4口位、ペレット数粒、あと、パセリやらヨモギやら一口、二口、そして、落ちていたら、食糞も数粒、これは大切。シリンジから水も飲むし、糞の量も増えた。

さて、人間は考える。
予約した旅行、どうしようか。

うさぎとして、大切なこと

それは、食糞。

ペレットよりも、野菜よりも、
食糞が好き。

食べていないので、もうほとんど食糞も出ていないのだけれど。
ほんの少し、食糞かもね、と 口元に近づけると、必死になって頭を伸ばして、食べたいという。

婆さんになっても、うさぎだね。

昨日の夜ご飯

うっかり人間が寝こけていたので、夜10時。
お腹がすいているらしく、頭を動かしている。
小松菜を縦半分にちぎって口元に持っていく。食べる。2枚食べて、次は嫌だという。
まだ、食べたいけれど、小松菜ではなくて、と。
水菜の葉2枚、
キャベツの葉をちぎって2枚、
春菊の葉も2枚かな。
すぐ、他のものが欲しいという。
そうはいっても、在庫があるものと、ないものがあるので。
ケール、もっとよこせという。
ちぎって、1枚、2枚、
4枚くらい食べる。
試しに、ペレットを1粒差し出すと、喜んで頭を伸ばす。
いいのか。
口に入れると、何回も、何回も、ずっと噛んでいる。
飲み込めるのか、心配になるほど。
あとはもういらないらしい。
満足そうな顔をして、頭をよこにしてしまう。

おやすみね、ショコラ。
今日も、おいしかったね。

けっこう、贅沢だったり

スーパーに捨ててある
キャベツの葉が、
お気に入りだったのに。

うっかり高級品の、
ケールなんか買ってきてしまった。
ほんの一束が300円近い。

ケールはおいしい

キャベツの葉よりも、
水菜よりも、
もちろん小松菜よりも、
食べたいという。

たくさんではないけれど。

ぜいたくだな、ショコラ。

不思議に生きてたり

小松菜をちぎって与えたら食べないのに、ノゲシの若葉を近付けたら、もっとよこせと言う。キャベツも水菜も飽きたけれど、春菊なら食べてもいいよと。

ずっとほとんど食べれないので、お尻も脚も骨と皮で、一口食べるのも疲れてしまうのに、でも好き嫌いしてる。

らしいね。

今日は昼間少し食べたからか、夕方、少し柔らかい糞をしていた。下痢かもしれない。食糞とは違う悪臭がする。

なかなかたいへんだね。

水分が足りないのではと、もらったシリンジで強制給餌をしてみる。首を振って拒否する。強制は嫌だという。

どこまでも、食べるものは自分の意志で決めたいということだな？

らしいね。

そんなショコラだから、できるなら、最期の記憶は、「春菊は（ノゲシは、大葉は、ドクダミは）おいしいな。」にしてあげたい、なんてこっそり考える。まだ生きてるのに、失礼だな。

ショコラ、何が食べたい？

冷たいね

人間は、9月の連休の予定をたてた。
少し遠い場所への一人旅だ。
その頃には、もう、ショコラは生きていないだろうと思っているから。

まだ、生きているのにね。

人間のこういうところがなかなか合理主義で、冷たいなと思う。

ここに来たのが、君の運命だから、仕方ないね、ショコラ。

・・・

水が飲めなくなり、ほとんど、食べられなくなり、持ち上げても体はぐにゃりとして、糞は小さな小さな粒が、少しの粘液と一緒にお尻の毛に絡み付いている程度。尿は利尿剤のせいで、わずかに出ているけれど、普通ではない薬品のような匂いがする。
何か治療すれば、少しは長く生きられるかもしれない。高度な治療をしていたら、まだ、元気でいたかもしれない。
だけど、ここには高度の治療はないし、かかりつけの病院には片道30分かかる。信頼していた先生が頸椎ヘルニアで診察できなかったということも含めて。
ごめんね、ショコラ。

とりあえず先生とも話したことは、苦しくないようにということ。ステロイドを使い続けることがよいのか、利尿剤を続けることがよいのか、それもわからない。ただ、息が苦しくないように、少しでも苦しい思いをしないように、それだけだったりする。

ショコラ、それでも、本当は苦しかったりしないか？

まだ、生きたいのだと

明け方、人間がふと目を覚ましたので、うさぎの様子を見る。
せっかく三つ葉を買ってあったから、葉のところをちぎって口元に近づけてみる。
食べるらしい。
一口食べ終わると、少しだけ頭を持ち上げて、まだ食べるという。
もう一口分口元に持っていくと、また食べて、次の一口を催促する。
だけど三つ葉を近づけると、今度は、それではないのだと口を閉じる。

ではこれならどうか。
貴重なキャベツの外葉をちぎって近づける。
食べるらしい。
一かけらを食べ終わると、少しだけ頭をこちらに向けて催促する。
もう一口、もう一口、そうやって、キャベツの葉、3分の1位を食べた。

自分の意志で。

ステロイドの影響はあるかもしれない。だけど、無理やり食べさせられるのではなく、自分の意志で。

ショコラは、まだ食べたい、まだ生きるのだと言う。

命だなと思う。立派にうさぎだね。

ならば人間は、最後まで見届けましょう。

がんばれ、ショコラ。