被保険者(受益者)の窓口負担増に:
新聞の見出しは「医療費3割負担 拡大検討」と大きく出て「75歳以上、政府が大綱明記」と補足して、間もなく92歳を迎える超後期高齢者の心胆を寒からしめただけではなく、彼は矢張り何時になっても「増?メガネ」だったのだと正直憤慨している。
産経新聞の報道によれば「その大綱とは現在75歳以上の窓口負担は原則一割で、一定以上の収入があれば二割、単身で年収383万円以上など現役並みの所得の場合は三割で、所得に応じて応分負担となっている」とあった。要するに「一定以上」の者の負担を場合によっては三割にしようと言っていると解釈した。
超後期高齢者だって負担を増やさねばならなくなった事情は分かっているし、そうしたいという意味くらいは理解している。何処の官庁がそう言いだしたのか知らないが、考え方が安易すぎると言いたくなると同時に「何処まで高齢者の懐具合を把握できているのか」と尋ねたくもなる。
また、60歳にも達していない官僚と議員たちは、一度でも大病院や繁盛せざるを得ない医院やクリニックに群がる高齢の患者の様子を視察したことがあるのだろうかと疑う。当方が6週間置きに通って検査と診断を受けている国立国際医療研究センター病院の循環器内科などは、一寸した老人クラブの様相を呈している。その老人たちを観察してみれば、闇雲に3割負担などを押しつけるのは宜しくないだろうと思わずにはいられない。
負担を増やすことを企画している者たちは「引退して楽になったであろうはずの生活に入った高齢者たちは、決して身体的に楽ではない勤務とその緊張感から解放されると、それまで遠慮したのか、なりを潜めていた病気という名の悪魔が衰え始めた免疫という障壁を乗り越えて循環器系を始めとしてありとあらゆる器官を責め始めるので苦しめられている」と認識できているのか。
当方をその理不尽な攻撃から救ってくださったのがお医者まであり、近代医学なのである。その医療費を負担できたのは在職中に懸命に積み立ててきた健康保険料である。病気ばかりしている老人に、この際患者たちに負担を増加させて苦境を切り抜けようと企画した所管の官庁と国会議員たちはその現実の状況を見て言っているとは思えない。知らないだろう。知らないから「負担増」に持っていこうとするのだろう。
という具合に批判はしてみたが、どうすれば負担増を回避できるかなどを考えてもいない。何故かと言えば、それは私の仕事ではないし、そんな事を考えねばならない時期はとっくの昔に通り越したのだ。言いたい事は「足りなくなってしまったから直ちに病気ばかりする高齢者から取り立てようという発想しかない人たちの単純な思考体系だ。
当方だって好き好んでステントを7本も入れるとか、慢性心不全になった訳でもないし、前立腺癌対策でホルモン治療をしているのではない。負担を増やそうというのならば「発病しないようにする方法を専門のお医者様方にお伺いを立ててからにしろ」と言ってやりたくなるというもの。彼等の負担増派は頭が良いのか良くないのか、良く分からないが、好ましくないことをやるのは良くないのでは。
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