![]() | 反ナショナリズム講談社このアイテムの詳細を見る |
今回のタイトルでいうまでに過激なことは直接には言ってはいないが、姜尚中の思想の根底に質のいい「アホでマヌケ日本アジア人!」というような言葉を感じないでもない。
それは、あくまでも日本人を非難するためにというよりは、姜氏の在日で先祖を「日本人」として戦争で亡くしたと言う複雑な想いが絡まった結果に、今の国際情勢および、日本のナショナリスティックな現状を憂えるゆえの言葉であるといえる。
姜氏はマルクス主義的に、歴史を進歩継続していくものとしての捉え方、また歴史修正主義的、自由主義史観てきに民族が共有するものとしての「歴史」をという虚像を無理に描こうとする考えを痛烈に批判し、個々人の偶然の行動の集積として歴史を捉えようとしている。
その時代状況の中で仕方なしに、偶然に行動した個人の切実な行動の結果が行動を作るというような考え方といえるのではないだろうか。
本の装丁、文庫版というイメージから受けるものと違い理解するにはなかなかの高レベルな本ではあるが、政治について考えたいという人には示唆が多い書物だといえる。