人間
①
主人公=永山くんは作家志望であり,漫画家志望でもある。
大きく何かがあるというよりは,主人公とその周り、主人公と記憶の物語。
自分とは?記憶とは?何を信じて生きる?
又吉さんの錨なんだろうか?
<自分の記憶って誰のもんなんかな?188>
もう一人の自分。モラトリアム。
記憶:
◎ 記憶の核心
自分が把握している自身の記憶なんてものは、やはりほんの一部分でしかなく,おなじ人生であったとしても、どの点と点をむすぶかによって、それぞれ喜びに満ちた物語にも暗澹たる物語にもなり得るのかもしれないとおもった。282
0-0-0書き出し★★★★★↑
自分も含めて僕たちは人間をやるのが下手なのではないか。人間としての営みがつたないのではないかという疑問が影島の疾走以降頭から離れなかった。292
研究者たちもブータンシボリアゲハを目撃してたけど存在せえへんって決めつけてるから見えへんかったんかもな。自分がみたいようにみてただけで。231
事象には揺れがあるんやと。だから自分の目で見て感じた世界がすべてではないという事実からも俺たちは逃れられへんのかなとおもって。267
②-a★★★★★
◎ 自分
◎ 俺もおなじやねん。自分のなかになんかなんもない。結局何かに対する反応でやってる。
▲ここ★★★★★
◎なんにもないということは全部あるということです。263
私なんて誰でもないよ、ただの箱とかそういう、いや箱でもない。なにかを入れる額みたいなやつ。自分に意味なんてないから。自分ではない誰かの人生でいい。233
しんどいことなんて誰にでもあると思うねんけど,みんな平気そうな顔して暮らしてるから偉いよな。自分が弱いだけなんかな。219
最初に受けた痛みは薄まることがなく残ってんねん。消えたふりしても、自分のすべての行動に影響を及ぼしている。220
限られたことしか覚えてられへんくせに、いまという時間があることのすごさも忘れる。217
★ ★★★★自分が書きたいことを書けばいいのに,それでは需要がないから仕方ないと,どいつもこいつももっともらしいため息を吐くのだろうけど,結局は言い訳だろう。125
★ 均一化が進行すると、それぞれにあった個性が失われ,その繊細な変化に反応する嗅覚までも退化する。個人の抱える問題を考慮したりしない世界。181
★ 芸人が文化人と呼ばれるとき,必ずそこに蔑称のニュアンスが含まれていると俺は認識しているから腹立たしい。文化人なんて息苦しいだろ。180
昔の友人からの手紙:
踏むことのなかった犬のクソみたいな人生5
▲
仲野が批判した芸人が仲野に対して言った言葉
影島:芸人でありながら,芥川賞を受賞する。
「創造力と優しさがない奴は例外を認めずただの豚」115
カスミ:永山の新しい彼女的存在。玉に体が変異し老人になったりする。
仲野くんが大変なことになっている。
仲野は、主人公がかつて見下し,今は漫画家として活躍する人物。
「おまえは絶対になにも成し遂げられない」という言葉を放たれた人物。6
▼
影島:永山はどこか自分にかぶせ意識している。
⇒分身的な何かんなのか?
⇒影島は奥:ハウスの旧友?
核心:影島は永山が忘れたもの、捨て去ってしまったものを持っていた。
:拒絶したいはずの影山の言動や風貌に、なぜか懐かしさを感じることがあったから。かつては自分も持っていた感覚。生きていくために面倒だから捨てたもの。影島を見るたびに、「自分も同じようにできたはずだ」と言い訳のように自分おのが頭の中で響いていた。184
◎永山は影山に共感しているというより,影山の主張がそのまま自分一去っているように感じ得た。
★★★★★影島と自分の人生は無関係のはずだし,彼の情報を積極的に集めているつもりはなかったのに、影島の活躍を見聞きするたびに、創作における自身の高揚が削がれていくような気がした。世間いたいこうするための最後の手段である聖域が、彼の存在によって瓦解し,マスメディアによって破壊され尽くすような恐怖。120
ハウス:
学生時代学生がたむろする家
▲
仲野との出会い:
グループ展で永山の作品が注目され出版されることになり,飯島さんの盗作だと,出版社編集者に吹いて回っている。
永山は、仲野に「殺すぞ」87
飯島さん:リーダ的存在
めぐみ:絵本作家を目指す少女⇒永山は好意を寄せているのか?49
②-bモラトリアム★★★★★
モラトリアム・罪の意識:
⇒過剰な自己嫌悪に加えて、露骨に自分本位な世界の捉え方63
◎◎◎ここ
僕たち罪の意識は自分が凡人であることによるのではないかと思ったが,その言葉を口にする気持にはなれなかった。
罪と言う言葉が頭から離れなくなった。自分は絵を描くことが好きという他に,明確な目標があるわけではない。漫画家になりたいのか,イラストを描きたいのか自分でも分からなかった。絵を描いて認められたいという欲求がただ漠然とあるだけだった。34
▲
何ものかでありたいと願う感情よりも、常になにかを表現したいという欲求が先立っていることだけは疑ったことがない。
絵を描くということの他に自分を突き動かすことがなく,いつからか漫然と漫画を描いてみたいと思うようになった。44
◇ 永山の幼少期
子供の頃から誰かと比較され,無惨な敗北を繰り返して来た。39
世界が全く平等ではないこと。自分がのぞむ役割が与えられるとは限らないこと。40
◎ 才能
もしかしたら、才能ある奴なんて一人もいないのかもな
自分はなにかしらの存在であると自分自身を騙した人と,それ以外かもしれへんやん。正直、その可能性に賭けてるとこあんねん。58
①
主人公=永山くんは作家志望であり,漫画家志望でもある。
大きく何かがあるというよりは,主人公とその周り、主人公と記憶の物語。
自分とは?記憶とは?何を信じて生きる?
又吉さんの錨なんだろうか?
<自分の記憶って誰のもんなんかな?188>
もう一人の自分。モラトリアム。
記憶:
◎ 記憶の核心
自分が把握している自身の記憶なんてものは、やはりほんの一部分でしかなく,おなじ人生であったとしても、どの点と点をむすぶかによって、それぞれ喜びに満ちた物語にも暗澹たる物語にもなり得るのかもしれないとおもった。282
0-0-0書き出し★★★★★↑
自分も含めて僕たちは人間をやるのが下手なのではないか。人間としての営みがつたないのではないかという疑問が影島の疾走以降頭から離れなかった。292
研究者たちもブータンシボリアゲハを目撃してたけど存在せえへんって決めつけてるから見えへんかったんかもな。自分がみたいようにみてただけで。231
事象には揺れがあるんやと。だから自分の目で見て感じた世界がすべてではないという事実からも俺たちは逃れられへんのかなとおもって。267
②-a★★★★★
◎ 自分
◎ 俺もおなじやねん。自分のなかになんかなんもない。結局何かに対する反応でやってる。
▲ここ★★★★★
◎なんにもないということは全部あるということです。263
私なんて誰でもないよ、ただの箱とかそういう、いや箱でもない。なにかを入れる額みたいなやつ。自分に意味なんてないから。自分ではない誰かの人生でいい。233
しんどいことなんて誰にでもあると思うねんけど,みんな平気そうな顔して暮らしてるから偉いよな。自分が弱いだけなんかな。219
最初に受けた痛みは薄まることがなく残ってんねん。消えたふりしても、自分のすべての行動に影響を及ぼしている。220
限られたことしか覚えてられへんくせに、いまという時間があることのすごさも忘れる。217
★ ★★★★自分が書きたいことを書けばいいのに,それでは需要がないから仕方ないと,どいつもこいつももっともらしいため息を吐くのだろうけど,結局は言い訳だろう。125
★ 均一化が進行すると、それぞれにあった個性が失われ,その繊細な変化に反応する嗅覚までも退化する。個人の抱える問題を考慮したりしない世界。181
★ 芸人が文化人と呼ばれるとき,必ずそこに蔑称のニュアンスが含まれていると俺は認識しているから腹立たしい。文化人なんて息苦しいだろ。180
昔の友人からの手紙:
踏むことのなかった犬のクソみたいな人生5
▲
仲野が批判した芸人が仲野に対して言った言葉
影島:芸人でありながら,芥川賞を受賞する。
「創造力と優しさがない奴は例外を認めずただの豚」115
カスミ:永山の新しい彼女的存在。玉に体が変異し老人になったりする。
仲野くんが大変なことになっている。
仲野は、主人公がかつて見下し,今は漫画家として活躍する人物。
「おまえは絶対になにも成し遂げられない」という言葉を放たれた人物。6
▼
影島:永山はどこか自分にかぶせ意識している。
⇒分身的な何かんなのか?
⇒影島は奥:ハウスの旧友?
核心:影島は永山が忘れたもの、捨て去ってしまったものを持っていた。
:拒絶したいはずの影山の言動や風貌に、なぜか懐かしさを感じることがあったから。かつては自分も持っていた感覚。生きていくために面倒だから捨てたもの。影島を見るたびに、「自分も同じようにできたはずだ」と言い訳のように自分おのが頭の中で響いていた。184
◎永山は影山に共感しているというより,影山の主張がそのまま自分一去っているように感じ得た。
★★★★★影島と自分の人生は無関係のはずだし,彼の情報を積極的に集めているつもりはなかったのに、影島の活躍を見聞きするたびに、創作における自身の高揚が削がれていくような気がした。世間いたいこうするための最後の手段である聖域が、彼の存在によって瓦解し,マスメディアによって破壊され尽くすような恐怖。120
ハウス:
学生時代学生がたむろする家
▲
仲野との出会い:
グループ展で永山の作品が注目され出版されることになり,飯島さんの盗作だと,出版社編集者に吹いて回っている。
永山は、仲野に「殺すぞ」87
飯島さん:リーダ的存在
めぐみ:絵本作家を目指す少女⇒永山は好意を寄せているのか?49
②-bモラトリアム★★★★★
モラトリアム・罪の意識:
⇒過剰な自己嫌悪に加えて、露骨に自分本位な世界の捉え方63
◎◎◎ここ
僕たち罪の意識は自分が凡人であることによるのではないかと思ったが,その言葉を口にする気持にはなれなかった。
罪と言う言葉が頭から離れなくなった。自分は絵を描くことが好きという他に,明確な目標があるわけではない。漫画家になりたいのか,イラストを描きたいのか自分でも分からなかった。絵を描いて認められたいという欲求がただ漠然とあるだけだった。34
▲
何ものかでありたいと願う感情よりも、常になにかを表現したいという欲求が先立っていることだけは疑ったことがない。
絵を描くということの他に自分を突き動かすことがなく,いつからか漫然と漫画を描いてみたいと思うようになった。44
◇ 永山の幼少期
子供の頃から誰かと比較され,無惨な敗北を繰り返して来た。39
世界が全く平等ではないこと。自分がのぞむ役割が与えられるとは限らないこと。40
◎ 才能
もしかしたら、才能ある奴なんて一人もいないのかもな
自分はなにかしらの存在であると自分自身を騙した人と,それ以外かもしれへんやん。正直、その可能性に賭けてるとこあんねん。58