とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

演劇『アンチゴーヌ』をテレビで見ました。

2020-04-27 05:55:52 | 演劇
 新型コロナウイルスの感染予防のために生の芝居が見ることができなくなってしまいました。しょうがないのでテレビで放送されて録画していたものを見ました。

【作】ジャン・アヌイ
【翻訳】岩切正一郎
【演出】栗山民也
【出演】井優、生瀬勝久、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵、塚瀬香名子

 この作品はソフォクレスの『アンチゴヌ』という作品を下敷きにしています。『ソフォクレス』というのは有名な『オイディプス』の作者です。そのオイディプス王の次の世代の物語です。

 『アンチゴヌ』というのは次のような話です。
 
 ギリシア神話の英雄オイディプスの娘アンチゴヌは、父とイオカステの母子婚によって生れ,オイディプスが盲目となりテーベから追放されると,最後まで彼の手を引いて放浪生活に付添った。7将によるテーベ攻めが失敗したあと,戦死したエテオクレスに代り王となった伯父のクレオンの布告にそむき,兄弟のポリュネイケスの遺体に土をかけたところを発見されて捕えられ,クレオンによって生きたまま墓に入れられ,餓死させられることになった。彼女は墓室の中で首を吊って自害し,これを知ったクレオンの息子でアンチゴネの婚約者であったハイモンも,彼女の遺体のそばに行き自殺をとげ,さらにクレオンの妻エウリュディケまで息子のあとを追って,クレオンを悲嘆のどん底に陥れたという。

 『アンチゴーヌ』は、上記の『アンチゴヌ』を下敷きにフランスの J.アヌイが書き上げた戯曲です。『アンチゴーヌ』では、人間的な心を一番に考えるアンチゴーヌと、社会全体の安定を一番に考えるクレオンの対立が作品の主題になります。ふたりの対立は単なる意見の相違ではありません。お互いにお互いの心を理解しながらも、最後の一線で相容れることができないのです。紙一重の違いしかないのにもかかわらず、この対立はお互いに極限まで追い詰めます。深い心の葛藤が見るものに迫ります。

 蒼井優と生瀬勝久の迫真の演技に圧倒されました。

 テレビでは役者の表情はしっかりと見ることができていい面もありますが、さすがに集中力が落ちてしまいます。はやく生の演劇が見ることができる状況ににもどることを願っています。


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