とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『時間の言語学―メタファーから読みとく』(瀬戸賢一著)

2018-08-26 17:00:43 | 読書
 勉強になる本です。この本を読んでたくさんのことを考えさせられました。

 私は最近言語学の一つの分野である認知言語学を少し勉強しています。認知言語学というのはメタファー(隠喩)を主として研究します。従来メタファーは文章技巧とされてきたのですが、メタファーは単なる文彩ではなく、我々の基本的な認知能力のうちのひとつ(概念メタファー)である、と捉えなおされました。たとえば「時間」というのは本来存在しないものです。だから「時間は流れる」というイメージはメタファーです。しかしこのメタファーは科学を発展させました。多くの科学者も時間を「流れるもの」という感がを取り入れることによって科学を進歩させたと言ってもいいのではにかと思います。

 この本において筆者は丁寧に時間に関するメタファーを説明し、時間と言うものを明らかにしていこうという試みています。読者は難解な思考の入り口に誘われ、考えることの楽しさを知ることができます。を認知能力言語学入門として、そして哲学入門としての役割を果たしてくれる本です。人間とは何かを考える上でも重要な視点となると思います。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« キス天 | トップ | 折々のことばより「私たちは... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事