知り合いに、日独混血の48歳の男がいる。
彼は、YMOとPerfumeの音楽を車の中でよく流している。
しかし、だからと言ってテクノサウンドが特別好きというわけでもないという。
普段家で聴いたり、iPodで聴いたりする音楽は、EnigmaやDeep Forestなどのヒーリング系の音楽だと言っている。
YMOやPerfumeの音楽は、絶えず目の前の景色が変わる車の中で聴くときにこそ、その音楽的価値があるというのである。
両方とも真面目に聴いたことがない私には、あまりピンとこない主張だが、好みは人それぞれなので、それを否定するつもりはない。
ただYMOの音楽に関しては、音が薄っぺらいな、と昔から思っていた。
その薄っぺらい音は、意図的に作ったものなのか、結果的にそうなってしまったのか、私としては、いつも判断しかねる部分だ。
テクノというのが、人工音だから、厚みを表現しにくいものである、という考え方もできる。
しかし、上記のEnigumaなどは、電子音やサンプリングを多用しても、厚みのあるサウンドを作っているし、日本での電子音楽の草分け的存在の冨田勲氏の音楽にも、重厚なものは感じられる。
ということは、YMOの薄さは、ポップなイメージを出すために意図的に作られたものかもしれない、とも想像できる。
ただ、それが意図的なものであれ、そうでないとしても、私には上質の音楽とは思えなかった。
だから、YMOは避けて通ってきた。
そして、そのはるか昔に、YMOのメンバーである細野晴臣氏が所属していた伝説のロックバンド「はっぴーえんど」の音楽も避けて通ってきた私だった。
しかし、先日、この日独ハーフの友人の家で、はっぴーえんどのCDを見つけた私は、避けて通ってきたアルバムを初めて聴くことになった。
そのアルバムは、その名も「はっぴーえんど」。
伝説的バンドのデビュー・アルバムである。
そのCDに手を伸ばして、すぐに聴いてみた。
どこがロックなのだろうか、というくらいスッキリしたサウンドが30数分間続いて、あっという間に最終曲まで聴き終えた。
私には、歌詞もメロディもフォーク(古い?)の延長としか思えないのだが、全体的なバランスを考えると、若干ロックの要素がかっているかもしれないなとも思った。
全11曲の中では、冒頭の「春よ来い」が秀逸である。
ロックは感じないにしても、音楽としてのバランスがいいし、流れるようなメロディが耳に心地よいのだ。
「松本隆・作詞/大滝詠一作曲」の楽曲は、どれもが安定感があって、メロディメーカーとしての大きな素質を伺うことができる。
この穏やかなメロディラインは、時を経ても違和感なく聴くことができた。
しかし、細野晴臣氏の作品になると、途端にクォリティが落ちる。
メロディに、活き活きとしたものが感じられなくなるのだ。
これは、かなり大きな差だと感じた。
つまり、バランスが悪くなる。
細野氏が、YMOの中で、どのような位置を占め、日本の音楽シーンの中で、どのような位置を占めているのかは判断しづらいが、少なくとも作曲家としての役割は、あまり大きくないのではないかと、楽曲を聴いて思った。
はっぴーえんどのデビューアルバムは、日本のポップスの歴史の中では、エポック・メーキングなものだとは思うが、私がこれを傑作だと言い切れないのは、楽曲のクォリティのバラツキが目立つからである。
ただアルバム一枚だけで判断するのは乱暴なので、今度は、評判のいい「風街ろまん」も聴いてみようかと思う。
色々と辛口の意見を書いたが、はっぴーえんどが、2枚目を聴いてみたくなるアーティストであることは、間違いがない。
彼は、YMOとPerfumeの音楽を車の中でよく流している。
しかし、だからと言ってテクノサウンドが特別好きというわけでもないという。
普段家で聴いたり、iPodで聴いたりする音楽は、EnigmaやDeep Forestなどのヒーリング系の音楽だと言っている。
YMOやPerfumeの音楽は、絶えず目の前の景色が変わる車の中で聴くときにこそ、その音楽的価値があるというのである。
両方とも真面目に聴いたことがない私には、あまりピンとこない主張だが、好みは人それぞれなので、それを否定するつもりはない。
ただYMOの音楽に関しては、音が薄っぺらいな、と昔から思っていた。
その薄っぺらい音は、意図的に作ったものなのか、結果的にそうなってしまったのか、私としては、いつも判断しかねる部分だ。
テクノというのが、人工音だから、厚みを表現しにくいものである、という考え方もできる。
しかし、上記のEnigumaなどは、電子音やサンプリングを多用しても、厚みのあるサウンドを作っているし、日本での電子音楽の草分け的存在の冨田勲氏の音楽にも、重厚なものは感じられる。
ということは、YMOの薄さは、ポップなイメージを出すために意図的に作られたものかもしれない、とも想像できる。
ただ、それが意図的なものであれ、そうでないとしても、私には上質の音楽とは思えなかった。
だから、YMOは避けて通ってきた。
そして、そのはるか昔に、YMOのメンバーである細野晴臣氏が所属していた伝説のロックバンド「はっぴーえんど」の音楽も避けて通ってきた私だった。
しかし、先日、この日独ハーフの友人の家で、はっぴーえんどのCDを見つけた私は、避けて通ってきたアルバムを初めて聴くことになった。
そのアルバムは、その名も「はっぴーえんど」。
伝説的バンドのデビュー・アルバムである。
そのCDに手を伸ばして、すぐに聴いてみた。
どこがロックなのだろうか、というくらいスッキリしたサウンドが30数分間続いて、あっという間に最終曲まで聴き終えた。
私には、歌詞もメロディもフォーク(古い?)の延長としか思えないのだが、全体的なバランスを考えると、若干ロックの要素がかっているかもしれないなとも思った。
全11曲の中では、冒頭の「春よ来い」が秀逸である。
ロックは感じないにしても、音楽としてのバランスがいいし、流れるようなメロディが耳に心地よいのだ。
「松本隆・作詞/大滝詠一作曲」の楽曲は、どれもが安定感があって、メロディメーカーとしての大きな素質を伺うことができる。
この穏やかなメロディラインは、時を経ても違和感なく聴くことができた。
しかし、細野晴臣氏の作品になると、途端にクォリティが落ちる。
メロディに、活き活きとしたものが感じられなくなるのだ。
これは、かなり大きな差だと感じた。
つまり、バランスが悪くなる。
細野氏が、YMOの中で、どのような位置を占め、日本の音楽シーンの中で、どのような位置を占めているのかは判断しづらいが、少なくとも作曲家としての役割は、あまり大きくないのではないかと、楽曲を聴いて思った。
はっぴーえんどのデビューアルバムは、日本のポップスの歴史の中では、エポック・メーキングなものだとは思うが、私がこれを傑作だと言い切れないのは、楽曲のクォリティのバラツキが目立つからである。
ただアルバム一枚だけで判断するのは乱暴なので、今度は、評判のいい「風街ろまん」も聴いてみようかと思う。
色々と辛口の意見を書いたが、はっぴーえんどが、2枚目を聴いてみたくなるアーティストであることは、間違いがない。