リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

男前モッチー

2012-02-25 13:44:26 | オヤジの日記
ここで何度か書いているが、感情過多のバラード歌いが好きではない。

たとえば、MISIAのように歌手としての才能をすべて備えている人が、ここぞというときに魂を込めて声を張り上げるのは、説得力があるからいい。

しかし、ただ声量があるだけの歌手が、おのれの声量を誇示したいがために、やたらと声を張り上げる歌唱には、疑問を持つ。

「魂を込めて歌う」ことと、「ただ声を張り上げる」ことは、まったく違う。
声を張り上げて歌っている人は気持ちがいいかもしれないが、少なくとも私には、音魂がまったく伝わってこない。

だから、バラードの押し売りは、好まない。


ただ、Every Little Thingの持田香織さんの歌うバラードは、好きだ。

彼女の歌うバラードは、決して感情過多にはならない。

平坦な導入部から始まって、盛り上がるサビの部分でも、必要以上に力を入れることなく、重要な歌詞を噛み締めるように歌い上げる。
そのテクニックは、際立っていると思う。

それは、きっと持田さんの声の性質と彼女の性格が、そうさせるのではないかと私は勝手に思っている。

物事に必要以上にこだわる人ではないのだろう、と私は持田さんの性格を想像している。

きっと、男前の性格なのではないか、と。

そうでなければ、あそこまでサラッと恋愛をテーマにした曲は歌えないのではないだろうか。

恋愛ソングを思い入れたっぷりに歌われるのが好き、という人は女性に多いようだ。

バラードの性質として、その方が感情移入しやすいというのはわかるが、私はその方式が歌手のテクニックとしては、あまりにも安易なのではないかと思う男である。

悲しい歌を激情に任せるままに歌うのは、表現方法としては、稚拙である。
泣かんばかりの表情で声を振り絞って歌うのは、一種のごまかしと言っていい。

プロである以上、その種の安易な手段を使わずに、歌詞の世界を表現すべきだと思う。

そういった意味で、持田ネエさんの表現手法は大変優れている、と私は思っているのだ。

伝えるべき情景を最小限の感情表現で伝えるというのは、実はかなり高度なテクニックと言っていいのではないだろうか。


近年、声帯を痛めたせいか、高音が出づらくなった持田ネエさんだが、優秀なボイストレーナーに出会えば、また美声を取り戻すこともできるのではないか、と私は楽観的である。


そして、これからもずっと男前の歌声を聴かせてもらいたい、と思っている。