リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

トヨタのCM

2013-09-08 08:24:59 | オヤジの日記
よく意味がわからないCMがある。

以前からシリーズで流しているトヨタの「ReBORN」だ。

見るたびに、違和感が湧いて出る。

色々なタレントが出てきて、それぞれに役どころがあるようだが、何を言いたいのか、何を表現しているのか、まったくわからない。

特に、北野武氏と木村拓哉氏が、豊臣秀吉、織田信長の役名で出ているものなどは、ただ有名人を揃えたかっただけなのではないか、と勘ぐってしまうほど、お二人の良さが全く出ていない映像だ。

滑舌の悪い、こもった声で、超有名人がボソボソ喋るのを見ることによって、そこから何を感じ取ればいいのだろうか。

おそらく、彼らが行った場所に何か意味があって、そこから日本の再生を始めましょう、と言いたいのかもしれないが、それなら歴史上の偉人の存在はいらない。

信長は風習や文化を壊した人だし、秀吉は戦国武将の本能のままに、ビジョンなく領土を広げようとした人だ。
ともに天下統一という野心はあっても、野心の延長線上に、結果として「日本国」があったという意識しかなかったと思う。

新しい日本国を作ったという意味では、信長は最大の偉人だが、「再生」のシンボルではない。

ただ、時間的な制約のあるCMの中で、明確な意味を求めるというのは、野暮というもの。
お気に入りの俳優さんたちが出ている姿を楽しむだけでいい、意味なんかいらない、と捉える人の方が多いだろう。

どうせ、30秒程度で終わってしまうのだから。


しかし、今回のCMを見て思ったことがある。

北野氏、木村氏は、あんなに滑舌が悪かっただろうか、ということ。
(私は北野氏、木村氏の演じる姿をほとんど見たことがないので、意外だった)

あれは、演出なのだろうか。

くぐもった声でボソボソと喋るから、余計滑舌が悪いように聞こえるのかもしれない。

私は、個人的に、プロの俳優は明瞭な発音で聞きやすい声で演じるべきだと思っているので、不明瞭な台詞を受け付けないところがある。

だから、このCMに違和感を持ったのかもしれない。

うまい、と思われている俳優さんでも、体の演技ができない人が多いような気がする。
感情を込めることを、ただ単に大声を出すことだと勘違いしている人が、意外と多い。
悲しみの表現は、ボソボソと呟くだけ、という場合も多い。

体の演技こそが重要なのに、場面を声の大小だけで表現しようとするから、重要な場面が「セリフ読み」だけで終わってしまう。

目と体で表現できない人を、「俳優」と呼んでいいのかどうか。


たとえば、若手の俳優さんでは、小栗旬氏、山田孝之氏、藤原竜也氏、神木龍之介氏、佐藤健氏などは、目と体の表現が上手いから、セリフが聞きやすい。

プロの俳優さんなんだな、と思う。


彼らが、信長、秀吉を演じたら、トヨタのCMに違和感を持つことはなかったかもしれない。


信長と秀吉は、たとえ密謀のときでも、あんな沈んだような声で喋らなかったと思うよ、それに、「再生」を謳いたいなら、もっとはじけた表現にしろよ、と私はあのCMを見るたびに毒づいている。


しかし、お二人とも、大物ですからねえ。

きっと、まだまだシリーズは続くんでしょうね。



まあ、嫌なら見なければいいだけのことですが。