金曜日、朝起きたら、な~~んか変だなと思って、かかりつけの医者に行った。
ヘモグロビンの数値が9まで落ちていた。
「救急車を呼びましょうか。病院で輸血をしてもらった方がいいと思います」
医者に行って診てもらって、救急車を呼びますかって、おかしくないですか~。
大丈夫です。タクシーで行きますから。
そう嘘をついて、娘の大学に行った。
卒業式だったからだ。
私は息子と娘の学校の行事を休んだことはない。
すべて参加した。
だから、大事な卒業式を欠席するなんて無理。
娘の晴れ姿を見たとき、こみ上げて来るものがあった。
「夏帆のお父さん、泣いてない?」「他の人は誰も泣いてないよ」「変な親父だねえ」
娘のお友だちに笑われた。
え? 卒業式は泣くものではないのか? 泣いて何で笑われなければいけないのだ。
だてに白髪が増えたわけではないぞ。この日のために、白髪を蓄えたのだ。大学の卒業式は、親父の白髪と親父の汚い涙が必須だろう。笑うんじゃない。
「おまえ、顔色が・・・」と娘に言われたが、「シー」と言いながらウィンクをして黙らせた。
子どもの一生に一度の大学の卒業式。出なかったら、一生後悔する。
娘は手間のかからない子だ。
高校3年のとき、担任から「MARCHレベルか、その上も狙えます」と言われたが、レベルを落として受験した。
「ボクは特待生を狙っているんだよね」
我が家が超絶なほどのビンボーだと理解していた娘は、親に学費を出させるのを遠慮して、授業料が無料になる方法を選んだのだ。
娘の目論み通り、1年のとき一度も授業を休まず、Sのフルマークを取った娘は2年から特待生になった。だから、2年以降の授業料はかからなかった。
「授業料がないって、いいよな」
本当にありがたい。
娘には感謝しかない。
「ただなあ、ひとつ残念なお知らせがあるんだ」と娘。
娘の通う大学では、卒業時に、学部で一番の成績を残した人を表彰するらしい。
4年間、Sのフルマークを取った娘だったが、学部で一番にはなれなかったというのだ。同じゼミにSのフルマークを取った子がいたという。
同じフルマークだが、娘は大学3年の後期、協定留学で韓国に行ったため、1位の子より単位が4少なかった。だから、同じフルマークでも2位扱いだったのだ。
それは、仕方ないんじゃないのかな。1位と同じだよ。俺は、そう思うぞ。俺が表彰するぞ。
「まあ・・・おまえなら、そう言うと思ったけどな」
卒業。
尊敬する祖母の世話をしたいと願った娘は、社会福祉学部のある大学に入った。
しかし、祖母は先日亡くなった。祖母は、生前言っていた。
「夏帆ちゃんには、好きな生き方をしてほしいの。私は、夏帆ちゃんの気持ちだけで充分だからね」
介護関係の会社の内定を貰った娘は、4月から、もう一つ内定を貰っていた鉄道関係の会社に勤めることに決めた。
「いいんだよな、これで」と娘に聞かれた。
いいともー!
「おまえ・・・・・それは、痛々しいぞ」と呆れられた。
卒業、おめでとう。
酒でも飲もうか。
「それより、他にやることがあるだろ。病院に行けよ。顔、真っ白じゃないか」(メイクを頑張りすぎたか?)
病院に行きました(笑)。
点滴と輸血。鉄剤の補給。
今日は朝から牡蠣フライを食う予定。
少し良くなったら、娘とカラオケボックスに行って「愛しさと切なさと心強さと」を熱唱するつもり。
これは娘とバカ親父のテーマソングだ。
早く歌いたいなあ。
昨日、大親友のミーちゃんと香港に卒業旅行に行った娘。
「おまえ、鬱陶しいから付いて来るなよ」と言われたけど、羽田まで見送りに行ったもんね~。
父ちゃんは、飛び立つ飛行機を見ながら、「愛しさと切なさと心強さと」を口ずさんでいたぞ。
もうお身体の調子は大丈夫でしょうか。
大変でしたね。
ヘモグロビン9でも輸血してくれる病院あるんですね。
私はトイレで倒れてヘモ7でも輸血してもらえませんでした。
輸血してくれるなんて良い病院ですね。
お大事になさってくださいませ。
ありがとうございます。
病院によって、対応が違うようですね。
今回は、あらかじめ、かかりつけの医師が病院に連絡してくれたので、車椅子まで用意して待っていてくれました。
ありがたいことです。
常習犯なので、流れ作業のようになっているのかもしれません。
ぱくぱくるんるんさんもお体にお気をつけ下さい。