栗の渋皮煮の思い出
秋になるとなんとなく思い起こすことがあります。
それは7年前のこと・・・当時息子の幼稚園の同級生の母Oさんが、
栗の渋皮煮を作って持ってきてくれたのです。
それまでOさんとはほとんどお話したことがなかったのだけれど、
その数日前に園の保護者の行事で、うちの車にOさんも乗ってもらったので、
そのお礼に・・・ということで、くださったのです。
お礼なんて別にいいのに~と思いながら、
家に着いてパックの蓋を開けると、
なんとも艶やかに大きな栗が六個並んでいます。
早速ひとついただき、ただただおいしいと感激に浸ったのでありました。
息子の幼稚園は徒歩通園ということもあり、近くに住む子が多い中で、
Oさんは少し遠いところから通っておりました。
息子さんにはあるこだわりがあり、近くに通えるところがなく、
我息子が通う、おおらかな幼稚園に通園することとなったようです。
そんな遠いところを、自転車にも車にも乗らず、
たいてい歩いてOさん親子は通ってきており、普通の人なら、
「時間がもったいないから子供を無理やり自転車に乗せちゃうわ」
と思うのだろうけど、Oさんはいつもにこやかに登園してくるのです。
とはいえ、時には登園時間に間に合わないこともあります。
そういったことや、息子さんのこだわりを含めて、
中にはOさんのことを問題視する人もいたようですが、
私はOさんの子供に対するおおらかな姿勢が羨ましかった・・・。
羨ましいというか、見習いたかった・・・遠くから見ているだけでしたが。
そうした中、栗の渋皮煮をいただき、
次に会ったときに、ものすごくおいしかったと伝えたら、
その次に会ったときには「栗の渋皮煮」のレシピを書いてきてくれました。
しかし、私は料理はあまり得意ではない
だけれども、私にとって、不得意を乗り越えるおいしさが
栗の渋皮煮にあったのであります。
その年、Oさんほどの出来ばえではないにしろ、
おいしいと思える渋皮煮を作ることができました。
~続く~