年度末にかけて、急にバタバタと駆け込み仕事が入ってきました。日程が重なってしまって泣く泣くお断りした仕事もあり、ヒマなときにバランスよくいただけないものかな~と愚痴りつつ、まだかろうじて、ライター鈴木が世間様から需要があることにホッと手を合わせています。
18日(金)夜は、静岡ライオンズクラブさんの2月第2例会にお招きをい ただき、地酒のお話ときき酒ゲームを楽しんでいただきました。
静岡ライオンズで酒の話をするのは13年ぶり。13年前はしずおか地酒研究会を始め、ガイド本『地酒をもう一杯』を出版した頃で、自分自身、修業途中でしたので、静岡を代表する経済人を前にただ舞い上がってしまって、何を話したのかまったく記憶にありません。当時の私のことを覚えておられたメンバーさんから「あの頃は高校生ぐらいだった?」な~んて冷やかされて、恥ずかしいやらなんやらで・・・ でも自分の歩みを見守ってくださる方が地元にいるって、本当に心強いですね。
18日は、メンバーさんの中にも仕事や酒の会等でお世話になった方が多く、エラそうに地酒の講釈をするよりも、みなさんに「日本酒ってじっくり飲み比べると美味いな~」「奥が深いな~」と実感していただこうと、きき酒クイズをメインにしました。
用意した酒は、
◆白隠正宗(沼津) 純米吟醸(兵庫山田錦50%精米・静岡酵母NEW-5)
◆天虹(静岡) 純米吟醸無濾過原酒(滋賀美山錦55%精米・静岡酵母NEW-5)
◆小夜衣(菊川) 純米吟醸(静岡山田錦50%精米・協会酵母1401)
の3種。各テーブルに3種1本ずつ置き、ピッチャーに入れたなぞの酒を1本。このなぞの酒が、3種のうちのどれかを当てていただく、地酒まつり等ではおなじみのゲームです。
ライオンズクラブのメンバーさんは『開運』『磯自慢』『喜久醉』なんかは接待の宴席等で飲み慣れていると思い、あえて小規模の、蔵元杜氏のこだわりの酒を県東・中・西部からピックアップし、地酒研メンバーである丸河屋酒店さんと相談しながら決めました。
米の産地の違い、米の種類の違い、酵母の違い、原酒と加水酒の違いなど、データでみればかなり差別化されていると思うんですが、いざ 飲み比べてみると、やっぱり静岡県の中で違いを見極めるって、そんなに簡単じゃないんですね。9テーブルのうち正解は5テーブルでした。『天虹』は原酒で色がちょっと着いていたので、白いテーブルクロスの上でグラスに注いで見たら分かりやすかったかも。不正解テーブルはいずれも『白隠正宗』と『小夜衣』をミスっていました。
正解テーブルのお席の方には、吟醸王国しずおかオリジナルおちょこをプレゼント(おちょこは事前にライオンズクラブさんに買い取っていただきました。感謝感謝です!)。はずれの席の方にも、お帰りの際、お土産にお持ち帰りいただきました。
ゲームが終わった後、改めて乾杯と食事タイム。乾杯用には丸河屋さんが君盃酒造さんにかけあって、『君盃 純米吟醸無濾過生原酒』を特別に用意してくださいました。静岡酵母の味とは違う、重厚でインパクトのある香味で、食事(中華)にはよくマッチしたんじゃないかな。
他愛もないクイズゲームで終始し、みなさんにとって貴重なお時間を割いてまで参加しがいがあったかどうか自信はありませんでしたが、閉会のあと、「なかなか面白かったな~」「こういう会もいいなぁ」という声をうかがえてホッとしました。「吟醸王国の入会申込書、後でファックスするよ」とリップサービスしてくださった方も。
何より嬉しかったのは用意した4種類の酒が「どれも美味しい」「まったくハズレなし」とみなさんから評価され、静岡にはレベルの高い酒がたくさんあることを実感いただけたこと。余った酒も、すべてお持ち帰りいただいたようです。
美味しい酒を楽しい雰囲気でいただく場こそ、日本酒には必要だと改めて実感した夜でした。
静岡ライオンズクラブのみなさま、当日ボランティアでお手伝いに来てくれた静岡経済研究所の高橋晴美さん、パーフェクトな状態でお酒を用意してくれた丸河屋酒店の河原崎吉博さん、本当にありがとうございました