杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

あけましておめでとうございます。

2013-01-02 13:17:45 | 旅行記

 あけましておめでとうございます。2013年、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 昨年末のクリスマスイブ以降、ブログ更新を怠けてました。珍しくゆとりのない年末年始で、とうとう年賀状の準備も出来ませんでした。いつも元日にきちんと年賀状をくださる方には本当に申し訳なく思います。あ、でも、忙しいなんてことをいいわけにはできませんよね、みなさんもお忙しいのにちゃんと出されるんですから・・・。

 

 

 

 

 昨年末25~26日は京都へ行ってきました。国内旅行中の妹夫婦と26日に京都で落ち合い、案内する約束。一日早く京都入りし、25日はお買い物。三条の古い趣のある町家を改装してオープンしたというニューヨークのチョコレート専門店『マリベル』に寄ってみました。

 さすが日本初上陸の人気専門店、喫茶コーナーでいただいたガトーショコラは、今まで食べたチョコケDsc_0076ーキの中でも(そんなに食べているわけじゃないけど)屈指の美味しさでした。古都の町家でニューヨークのケーキを食べながら、買ったばかりのKindleで仏像ガイドを読んでいると、なんだかいろんな文化や文明の糧を同時にいただいているみたいで、不思議な贅沢感を覚えます・・・。

 

 

 夜は高麗美術館の片山真理子さんをお誘いして興聖寺の坐禅会に参加しました。12月はじめの接心(集中坐禅)での極寒体験にも懲りず・・・というか、やみつきになったというか、説明のしようのない不可思議な感覚ですが、身体にプレッシャーを与える経験は間違いなく自分の“芯”を図太くするなあと実感させられます。デスクワーカーにとっては、ふだん使わない筋肉や神経がビンビン刺激されるんですね、きっと。

 

 坐禅が終わった後は片山さんに案内していただいて、北山通りにあるタイ料理レストラン『Chang Noi(チャン・ノイ)』に。ホットスパイシーなトムヤムクンスープがしみじみ身体を温めてくれました。坐禅の後のトムヤムクン・・・これもちょっとした文明のクロスロード体験ですねw

 

 

 

 

 

 26日は京都駅で妹夫婦と落ち合い、まずは近鉄でひと駅の『東寺』へ。境内は迎春準備の工事用車両が動いていて、落ちついて散策する雰囲気ではなかったけれど、五重塔や金堂/講堂の仏像群はさすがの迫力。妹の夫ショーンは、屋根の軒下や瓦に刻印されている龍や鳳凰の模様が珍しいそうでさかんに写真を撮っていました。彼は大の愛犬家で、とりわけ狛犬がお気に入りらしく、あちこちで狛犬を見つけては「スマイリードッグ!」と喜んでいます。西洋人から見ると、東洋人を模写した仏像よりも、動物のモチーフのほうがわかりやすいのかなあ。

 

 

 

 

 この日は奈良在住の私の高校時代の親友の家で手作りランチを呼ばれました。彼女の娘・萌ちゃんがイギリスに留学中で英語堪能。年末休暇で一時帰国している萌ちゃんと、イギリスに住んだことのある妹夫婦で会話が弾むだろうという親友のはからいです。小学校からイギリスの全寮制の伝統校に通っている萌ちゃんの見事なクイーンズイングリッシュに妹夫婦も感心しきり。進路で悩んでいるという彼女の相談相手になっているようでした。中学英語レベルの私と親友は蚊帳の外(苦笑)。

 

 

 

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 食後は親友の車で唐招提寺と薬師寺へ。7世紀に建立された古寺の歴史や由来に目を丸くしていたショーン。今回の訪日で日本国内の世界遺産を観て廻るうちに、すっかり古い町並みや伝統家屋に魅了されたようです。

 加えて、アメリカで時々口にする和食もどきの料理と、ホンモノの日本食の違いが今回の旅でよく解ったとか。今まで食べられなかったアンコ系の和菓子や海苔&海草の類も食べられるようになったそうです。日本は、自国の文化を正しく伝える努力の余地がまだまだありそうだと、こちらもよく解りました。

 

 

 

 

 

 

 27日から31日までは、終日、お寺のアルバイト。朝からひっきりなしで暮れの挨拶にやってくる檀家さんの対応、大掃除、迎春準備に加えて急なお葬式なんかも入ったりして、年末のお寺がこんなに忙しいなんてビックリでした。本堂、薬師堂、庫裏が2つ、書院、檀家用祭事ホール、墓に庭・・・と、街中ながら大きなお寺で、注連飾りやお供え餅の数もハンパない数。仏さまと神さまでは注連飾りの種類が違うとか、お供え餅の敷き紙の折り目の方向や置き方とか、和尚さんに叱られながらいちいち勉強させてもらいました。自国の文化を正しく伝えようったって、自分自身、日本のしきたりをろくに理解してないじゃん・・・!と反省しきりです。

 注連飾りを飾る風習は年々減っているようですが、こういうことを正しく伝える先達が減ってしまうのはまずいなあと実感します。

 

 

 

 

 そんな余裕のない中で、28日・29日には酒友たちに妹夫婦を加えての忘年会。28日は先月15日に妹夫婦を喜久酔と磯自慢の酒蔵見学に連れて行ったときに一緒にお誘いした吟醸王国しずおかの会員さん宅のホームパーティでした。

 15日の酒蔵見学は蔵元の青島さん、寺岡さんのおかげで、仕込み最盛期にもかかわらず、懇切丁寧に案内していただき、参加者は大感激。興奮冷めやらぬうちに反省会をやろうと急遽決まった忘年会ながら7人が集まり、ホスト夫妻を加えた9人で盛り上がりました。英語堪能なゲストが多かったおかげで、ホスト夫婦と妹夫婦を囲み、日本の酒や食や茶道など、さまざまな文化論に花が咲き、大いに会話が楽しめた大人のホームパーティーらしい忘年会でした。

 

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 東静岡駅前の超高層マンションの最上階にあるホストのお宅からは、静岡市内でおそらく最も美しい富士山の眺望と夜景が楽しめます。この夜はあいにくの雨天で富士山の夕景は見られなかったのですが、静岡市街地の夜景はバッチリ。バイト疲れで眠たい&中学英語レベルの私はキッチンで食器洗いに専念してましたが(苦笑)。

 

 

 

 29日は、日中時間のない私に代わって、夏に妹夫婦のトレーラーで一緒にアリゾナ旅行をした平野斗紀子さんが、妹夫婦を有東木のわさび田にドライブに連れて行ってくれました。夜に3人と合流し、平野さんの友人で通訳コーディネーターの増田圭子さんが加わってグロウストックとビールのヨコタをハシゴ。途中で上川陽子さんの事務所スタッフから事務所忘年会のお誘いコールが入り、陽子さんいきつけのカラオケスナックへ合流しました。選挙直後に当選したばかりの国会議員に会えるなんて運がいい!と妹夫婦は大喜び。カラオケ初体験のショーンは平野さんやノリのよい事務所スタッフさんたちと一緒にビリー・ジョエルやイーグルスを熱唱し上機嫌でした。アメリカでのカラオケは舞台に立ってスポットを当てられるステージショーみたいなしきたりらしく、苦手だったそうです。

 

 

 

 

 31日は夕方、バイトが終わった後、家族で年越しをする焼津松風閣へ。毎年、6月に松風閣で開催される志太6蔵の新酒イベント『志太平野美酒物語』でお世話になっているホテルスタッフ坪井さんのおかげで、なかなか予約がとれない大晦日の宿泊が叶いました。

 坪井さんは昨年大病を克服され、今はホテル1階売店でがんばっておられます。志太美酒常連のみなさん、松風閣でのあの素晴らしい新酒イベントは、ひとえに、長年の坪井さんの地酒愛が結実したものです。松風閣をご利用の節は、ぜひ坪井さんに一声かけてあげてくださいね。

 

 

 

 

 

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大晦日夜はロビーで餅つきやビンゴ大会、2階で年越し蕎麦を楽しませていただきました。松風閣は全室オーシャンビューで、元旦の初日の出も部屋からバッチリ。雲が多かったものの、美しい朝焼けと富士山の絶景が楽しめました。

 

 

 

 

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 元日は三保の松原と御穂神社、久能山東照宮と日本平ホテルをはしご詣しました。富士山ビューをこれでもか!と堪能した妹夫婦は、i-phoneで動画や写真を撮ってはせっせとフェイスブックにアップデート&ダウンロード。こうして静岡の情報が瞬時に世界中に発信されるんだなあ、中途半端な街おこしはできないなあと、今更ながらしみじみ思いました。Imgp1101

 

 

 

 

 

 

 

 

 以上、駆け足の年末年始の動向ご報告でした。年始は今日(2日)しか自宅でゆっくりできず、また更新が滞ってしまうかもしれませんが、今年も『杯が乾くまで』をどうぞよろしくお願いいたします。