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杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

災害救助犬静岡を訪問

2008-11-16 10:31:01 | NPO

 昨日(15日)は静岡県NPOネットワーク情報誌『ぱれっとコミュニケーション』の取材で、菊川市のNPO法人災害救助犬静岡を訪問しました。

 

 

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 今夏、富士山麓のオートキャンプ場で行方不明になった幼児の発見・救出に貢献した救助犬ピピのことは、ニュース報道等でも耳にされたと思いますが、ピピが所属しているのがここ。発足は、阪神淡路大震災の年なので、かれこれ12年余、活動している団体ですが、私自身、ピピのニュースを聞くまで、静岡県で救助犬を養成している団体があることを知りませんでした。

 

 

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 地震や洪水といった大災害はもちろん、地域で起きるさまざまな行方不明事故に出動しながらも、ニュースになることがほとんどないそうで、応対してくれた専務理事の清水隆さんは「今回、ピピの活躍によって注目していただけたことは、長年活動に携わってきた者として本当に嬉しい」と実感を込めて語ります。清水さんの表情は、この手の活動が生半可な気持ちでは続けられないということを如実に語っていました。

 

 

 救助犬が警察犬と基本的に違うのは、一般の家で飼われているペットであるということ。災害救助犬静岡は現在、会員が60名ほどで、うち、犬を飼ってここで救助犬訓練を受けている人が20名ほど。毎週土曜日、菊川町にある訓練施設に集まって、飼い主が愛犬を訓練させるのです。一般的な躾ではなく、ガレキや倒壊家屋に見立てた場所に、サポート役の人が隠れて、それをひたすら探し出すという、あくまでも救助能力を鍛える訓練です。

 

 

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 警察犬の場合は、ある特定の臭いをひたすらかぎ分け、その痕跡を追うという訓練をしますが、救助犬の訓練は、生命反応があって、なおかつ身動きできない人の気配を探すというもの。動き回る人には反応しません。ピピに発見された坊やも、あちこち動かず、一ヶ所でじっとしていたことが発見につながったそうです。

 そして、うまく見つけたときには、これでもか!というぐらい褒めてやって、犬が喜ぶボールや餌を与えます。

 

 

 

 当たり前のことですが、ワンちゃんたちは人間を救出するぞ!なんて高尚な精神で危険な現場に足を踏み入れるわけではなく、見つけたらご主人さまに褒められる、ご褒美がもらえる!という目的のため、ひたすら探し続けるわけですね。他の犬より要領が悪かったり、時間がかかると、「お前はホントにバカ犬だなぁ」とこづいたりする人も、無事、発見できたときは、顔をくしゃくしゃにして「よーしよしよし」と全身で抱きとめる…。

 

 昨日は、静岡朝日テレビの取材クルーとバッティングしてしまったので、訓練の様子を遠巻きで眺めていただけですが、犬というのは、人からこんなにも愛情を注がれる対象なんだ…と改めて思い知らされました。「がんばればご褒美がもらえる」という人への信頼と服従が、犬は他の動物よりもケタはずれに強いからなんですね。

 

 

 

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 そんな、人と犬との絆の深さがしみじみ伝わる救助犬訓練。菊川の訓練施設には、西は三重県や愛知県、東は裾野や御殿場あたりからも会員が通ってきます。

 そして捜索要請があれば、会員は一般の災害ボランティアと同様に、現場まで自費でかけつけ、すべて自前で活動します。

 報酬といえば、生存救出に成功した際にいただく感謝状ぐらい。といっても、生き埋めになった人の救出は時間との勝負なので、現場で犬が捜索活動を始めるまでタイムラグがあると、当然、救出率は低くなります。救助犬の活動があまりニュースにならない、スポンサードしてくれる人も少なく、活動運営も楽ではないというのは、そういう事情もあるようです。

 

Dsc_0008  ちなみに、警察犬や救助犬と聞くと、シェパードやゴールデンレトリバーといった大型犬を想像しますが、コーギーや柴犬みたいな小型犬でも大丈夫。大型犬は広くて高い場所、小型犬は狭くて低い場所を捜索するというように、災害現場で想定されるあらゆる捜索個所に応じられるよう、どんなサイズの犬でも受け入れています。

 

 いろんな犬と一緒に訓練するので、ちゃんと躾ができていないと、訓練どころじゃなくなりますが、ひととおりの躾はちゃんと付けてある!と自信のある愛犬家は、一度、見学に行かれてはいかがでしょうか? もちろん、躾からお願いしたいという場合は、会に所属している訓練士さんに個別依頼することもできるそうです。

 

 

 私はペットを飼った経験はありませんが、愛犬の秘められた能力を引き出し、それが社会貢献につながるなんて、想像するだけでも素敵なこと!

 何より、茶畑に囲まれた広々とした訓練所で、ワンちゃんが得意そうな障害物をかいくぐって思う存分走り回っている姿だけでも、見る価値ある!と思います。

 

 


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