昨日(20日)は、島田市の大村屋酒造場事務所2階のサロン若竹で開催中の『そそぐ器、のむ器、日比野ノゾミ陶展』を観に行きました。
酒蔵のギャラリーで酒器の陶芸展なんて、最高のコラボですよね。大村屋酒造場はJR島田駅から近く、旧東海道筋にあって、ちょこっと立ち寄るにも最適。蔵元の事務所の扉を、一見さんが開けて入るなんて、特別な用事でもなければなかなかできないことですが、大村屋さんは事務所2階に「サロン若竹」というオープンスペースを作ったときから、街中の酒蔵の役割、みたいなことを、きちんと考えておられて、「地域の皆さんに支えられる酒蔵だから」と市民に開放しています。今回も、若い陶芸家の初めての作品展に無料でスペースを提供されたのでした。
若い陶芸家・・・といっても、日比野ノゾミさんは、実は大村屋さんとは切っても切れないご縁があります。このブログでもたびたびご登場の、副杜氏日比野哲さんの奥さんなんですね。
夫が酒造り職人で、妻が陶芸家なんて、酒飲みから見たら絵にかいたような理想の夫婦!(笑)。哲さんとノゾミさんは、結婚前からちょくちょく「しずおか地酒研究会」に参加してくれていて、みんなでお似合いのカップルだねぇと冷やかしていたのでした。
ノゾミさんから、陶芸を、趣味ではなく職業として本格的に取り組むと聞いた時は、杜氏や愛飲家の気持ちを一番身近にいて理解しているはずだから、きっと使いやすくてしっくりくる酒器を作ってくれるだろうと期待していました。
そして昨日から始まった初めての作品展。初めて手に取ったノゾミさんの酒器は、ご覧のとおり、釉薬を使わない素朴な焼き締めで、渋い色調。形状はモダンシンプル。ノゾミさんを知らない人が見たら、女性の作品とは思わないかもしれません。
・・・でも、器が必要以上に存在感を強調せず、それでいて、酒をしっかりと受容し、酒の持つ味わいを存分に引き出してくれるだろうことは、手に取っただけでも想像できます。
早くも売り切れ寸前だった土色と白色のぐい飲みを1個ずつ予約しました。
土色のは、陶芸を志したノゾミさんの初心を表すような色。白色はパッと見たとき、洗いたての酒米の色を想像し、そうか、酒造りの道を究めようとする哲さんの決意を受けとめた色なんだなぁと思いました。「いつかは哲さんが作った酒を、ノゾミさんの器で味わうサロンを企画してね!」とおねだりしておきました。
夫婦で醸す、酒と器の世界。ぜひみなさんものぞいてみてください!
8月23日(日)まで。10時~17時。
場所=島田市本通1丁目1-8 大村屋酒造場事務所2階「サロン若竹」
*JR島田駅より徒歩5分 TEL 0547-37-3058