4月21日 Biz Sunday
約17万人が暮らす神奈川県秦野市。
公共施設の老朽化が大きな問題となっている。
今後40年間で公民館や学校、消防署などの建て替えや改修にかかる費用を試算したところ
総額758億円。
地方債を発行し借金しても346億円の財源が不足することが明らかになった。
その対策としてコンセッションの導入などを検討している。
(秦野市 公共施設再配置推進課)
「将来の市民に大きな負担を残してしまう。
民間の活用は必ずやらなければいけない。」
課題となっているのはどうやって民間の投資を呼び込むか。
老朽した施設の建て替えだけでは魅力的な事業にならない。
そこで市は中学校の体育館やプール、公民館などをまとめた
複合施設をつくるプランを考えた。
中学校の生徒が使う時間以外は
スポーツクラブやカルチャーセンターとして民間が使えるようにするものである。
こうしたプランに関心を示す企業がどれだけあるのか。
金融機関に依頼していた調査の結果をみると
民間の利用できる時間が限られ十分な採算が見込めないとして
積極的に手を挙げる企業は多くはなかった。
(日本政策投資銀行 地域企画部)
「民間企業は収益を上げるという原点に立ち返ると商圏としては小さい。
秦野市が考える思惑の実現は難しい。」
(秦野市公共施設再配置推進課)
「現実は甘くないとよくわかった。
内容をつめていかないとうまくいかない。」
秦野市では民間にとって魅力的なプランの検討をさらに進めることにしている。
コンセッション導入のもう一つの課題が法律の壁である。
愛知県では県の道路公社が管理する有料道路の運営を民間に任せたいと考えている。
合わせて3200億円の借金をして建設したが利用台数は計画通りに伸びていない。
民間が運営するようになれば通行料金が下がり
利用者の増加につながると周辺施設でも期待している。
(中部空港会社 総務グループ)
「空港料金が値下げされれば多くのお客様にお越しいただく機会につながる。」
しかし現在の法律では
有料道路の運営は自治体や公社などにしか許されておらず民営化できない。
愛知県の大村知事は国に対して規制の撤廃を求めている。
(愛知県 大村秀章知事)
「有料道路の運営権を民間開放することを法律上認めてほしい。
道路を使ったビジネスがより自由に創意工夫が生かせる。」
そういう枠組みを進めてもらいたい。」