3月26日 経済フロントライン
安い外国産の農産物にどう対抗していくのか。
付加価値の高い商品の開発が始まっている。
普通の2倍以上の価格だが人気が出始めているタマネギ。
“血糖値の上昇を抑える成分が一般的なタマネギの2倍以上含まれる”とされ
健康志向の高い消費者に支持されている。
(タマネギを購入した八島依子さん)
「将来の病気が防げるのであれば逆に安い。」
このタマネギを開発したのは大手商社と北海道のベンチャー企業である。
(植物育種研究所 岡本大作社長)
「健康機能の高いタマネギが開発できれば
付加価値が高いタマネギとして差別化して販売できるのではないか。」
生産する農家も増え始めている。
今年の生産量は300トン。
去年の3倍に拡大する見通しである。
(タマネギ農家 宮下尚樹さん)
「安ければいい
どこの外国の野菜でもいい
そうではなく
皆さんが日本の野菜を手に取ってもらえるような方向になればと思って
作っています。」
日本の農業が抱える担い手不足という課題を
ユニークな技術で乗り越えようという試みも始まっている。
大手商社が設立した農業法人。
新たに導入した技術は“高床式砂栽培”。
使うのは高さ70センチほどのプランターである。
腰をかがめなくても作業ができるため体への負担が軽減できる。
「腰とか膝とか痛くないし楽しく作業させていただいています。」
プランターに敷き詰められているのは
川辺にあるごくふっつうの砂である。
砂の中に水と液体肥料をしみこませるだけで栽培できる。
専門的な知識は必要なく
初心者でも簡単に作業ができるという。
なかには自動車メーカーの関連会社から転職した人もいる。
(転職してきた菊池勘助さmm(28))
「マニュアルがあったりするので
それを見ながらできるのが大きかった。
未経験でもいけるのではと思って会社に入った。」
この農業法人では
主婦や高齢者、転職者といった幅広い人材を呼び込んで
競争力のある農業にしたいと考えている。
(大手商社「双日」の農業法人 本田欣之社長)
「人材を集めることが農業を盛り上げるポイントになる。
負担が少ないとか
特別な知識を必要としない
というのをもってすれば人を集められる。」