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家電開発に新風 “ぼっち家電”とは

2016-04-07 17:00:00 | 報道/ニュース

3月23日 おはよう日本

都内の家電量販店に設置された特設コーナー。
デザインと個性的な色合いが人気を集めている。
開発した中澤優子さんは20代で大手のメーカーを退職し
1人で会社を起ち上げた。
ひとりぼっちの家電メーカー
“ぼっち家電”と呼ばれている。
(中澤優子さん)
「みんなが
 なにそれ!すごい!って思えるモノ。
 普通のメーカーの規模ではできないものにチャレンジできる。」
ぼっち家電の特徴は個人の自由な発想を生かした独創的な製品。

秋葉原のビルの一角。
最新の工作機器が使える有料の施設。
約500㎡のスペースに40ほどのぼっち家電。
こだわりの製品開発に取り組んでいる。
光る靴。
ステップに合わせて音も奏でる。
そして
「ファッションとして楽しめるような義手を目指しています。」
この施設で製品開発の取り組む 山口譲二さん(38)。
システムエンジニアとして働いていた山口さん。
自らのアイデアを実現したいと
会社を辞めて1人で起業した。
(山口譲二さん)
「自分が作りたいものが世に出せなかった世の中は
 耐えられないと思ってチャレンジした。」
山口さんが開発しているのは犬の感情を読み取る製品である。
心拍数から
喜びなど犬の感情を色で教えてくれるという。
「うれしいというのを検知するとレインボーカラーみたいになる、」
こうした製品をどうやって1人で作るのか。
可能にしたのは3Dプリンターの普及である。
3Dプリンターはデータを入力するだけで部品を作ることができる工作機。
これによって1人でも簡単に試作品ができるようになった。
この日も山口さんは思い付いたアイデアを試していた。
データの入力からわずか3時間で新たな試作品が完成した。
「すぐに試せることは雑でもいいからすぐに試して
 効果があれば丁寧にやり直すことの繰り返し。」
山口さんたちぼっち家電の試作品の量産を担っているのは町工場の技術者たちである。
以前は大手メーカーの下請けだった町工場。
受注が減り新たな顧客を探していた。
そこで出会ったのが“ぼっち家電”。
新しいものを生み出そうという姿勢に共感したという。
(町工場社長 石村龍二さん)
「ぼっち家電の方々は熱意を感じられて
 我々も仕事の楽しみを共有できることが一番かなと考えている。」
工作機器の進化と町工場の後押しを受け
山口さんの独創的なアイデアが製品へと近づいていく。
(山口譲二さん)
「ビジネスの面もあるが
 それ以前に好奇心で動いている人たちが集まっている。
 今まで工作の域を出なかったものが
 一気に市販品として出る可能性が高まってくる。」

ユニークな発想を形にするぼっち家電の手法には
大手のメーカーも注目している。
近年ヒット商品をなかなか生み出せずにいる日本の電機メーカー。
個人の発想力を活用し
ヒット商品につなげようという動き出している。
かつてウォークマンなどヒット商品を生み出してきたソニー。
本社の1階に新たに設けられた工作スペース。
仕事を終えた社員たちが立ち寄り
思い思いのアイデアを形にしていく。
ソニーではこうして生まれた個人の商品提案を製品化する制度を整えた。
(ソニー新規事業創出部部長 小田島伸至さん)
「ソニーには昔から机の下で隠れて開発することがあって
 自分の小遣いで開発をして人に見せていく文化があって。
 仕組みを与えることでもっと合理的にピックアップできるようになる。」
この制度からすでに製品化へと動き出したアイデアがある。
香りを持ち運んで楽しもうという家電製品である。
提案をまとめた藤田修二さん(35)。
製品開発の権限を与えられたことに自分でも驚いているという。
(藤田修二さん)
「スタートアップ(ベンチャー企業)では当たり前のことだと思うが
 大企業ではなかなか難しい。
 エキサイティング。
 わくわくを提供すると言いつつ自分もわくわくしている。」
アイデアにさらに磨きをかけようと
藤田さんたちはネットからも意見を求める。
自分たち以上に独創的な発想はないか。
目を留めたのは
「ウォークマンと連動させ音楽に合わせた様々な香りを提供し
空間を演出できないか」
というアイデアである。
ソニーでは
会社の常識にとらわれた製品ではなく
個人の思いを形にする
ものづくりの原点に立ち返りたいと考えている。
(ソニー新規事業創出部部長 小田島伸至さん)
「企業が大きくなるとジェネレーションギャップや考え方の違いが生まれ
 コンセンサス同意を取るのが難しくなってくる。
 社員全体の起業能力を上げる。
 自立と自己責任という意識をより強化していく。」

 

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“自由にリフォーム”DIY型賃貸住宅

2016-04-07 07:30:00 | 経済フロントライン

3月19日 経済フロントライン


DIY(Do It Youraself)型賃貸住宅
借りた人が好きなようにリフォームしてよい賃貸住宅である。
東京世田谷区にあるアパート。
入居している会社員の岩井満さん。
壁一面に岩井さんの手造りの装飾が施されている。
「森の中にある水辺のイメージを
 自作した植物を置けるような棚を作った。」
このアパートの家賃は周辺の相場とほぼ同しである。
壁に限っては
ペンキを塗ったり
ピンをさしたりするのも自由である。
かかった材料費は約5,000円。
(岩井満さん)
「自分の住む家なので
 何か自由に出来たらなと。」
このアパートを貸している大手賃貸不動産会社 レオパレス21。
DIY型にすることで入居者が長く借りてくれる効果があると考えた。
去年の契約件数は約2万5,000件にのぼっている。
(レオパレス21 賃貸事業部営業企画課次長 村山哲夫さん)
「狙いは長期の入居です。
 部屋に愛着を持ってもらい長く入居していただく。」
こうした物件を専門に紹介するサイトもできている。
これまでに登録されたのは全国600余の物件。
多くは築20年を超える建物だが
次々と借り手がついているという。 
(サイトを運営する 村井隆之さん)
「実際に生活する方のニーズが多様化しているので
 “古くても自分で壁を塗りたい”とか良さもあるので
 賃貸住宅の選択肢を広げる。」
一戸建ての古い家をDIY型として貸し出す動きも出ている。
東京杉並区の築40年の家は住人が退去して以来半年ほど空いたままになっていた。
リフォームするにも費用がかかると困っていたオーナーが
DIY型として募集したところすぐに借り手が見つかった。
借りたのは村上譲さん(31)。
壁を取り払い
2つの部屋をつないで広いリビングダイニングにした。
小さな窓も大人が座れるほどの大きな出窓に改装した。
リビングからそのまま出ることができるウッドデッキまで作った。
建築の設計をしている村上さんは
友人の協力も得て今回のリフォームを自ら行った。
リフォーム費用は約120万円。
オーナーには事前にリフォームの計画を示し了解を取るとともに
現状回復をしなくてもよいという契約を交わした。
(村上譲さん)
「僕みたいな若い人がお金なくても手が出せるという面白さがある。
 今まで借り手がつかなかった物件も
 自分で魅力を見つけて価値に変えていく。」
オーナーの叔母にアドバイスした森田隆広さん。
DIY型賃貸は
貸し手に取ってもリフォームの負担が減るというメリットがあるという。
(森田隆広さん)
「空き家もそれなりに増えるだろうし
 DIY型の貸し方をみんなが知れば
 こういう選択しがあるということでこの貸し方をしたい人も増えると思う。」
広がるDIY型賃貸住宅。
専門家は中古住宅市場の活性化につながるという。
(HOME’S総研 所長 島原万丈さん)
「住む人が自分の費用負担でDIYすることを促進することで
 今あるものを大切に使っていく
 中古の住宅をいかに活用し回していくかという市場に切り替える時期にきている。」

 

 

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北海道新幹線 観光客を呼び込め

2016-04-06 07:30:00 | 経済フロントライン

3月20日 経済フロントライン


都内にある旅行会社。
北海道新幹線を使った旅行プランを次々と打ち出している。
力を入れているのが函館と青森を結んだ周遊型のプラン。
売りは“朝市対決”。
新鮮な海産物を函館と青森の両方で味わってもらおうというのである。
行きは新幹線を使って青森で下車。
朝市や観光名所をめぐって1泊する。
次の日は北海道新幹線を使って函館まで行き観光。
帰りは飛行機で帰る。
1泊2日で1人 3万8100円~。
新幹線ならではのプランを提供し
観光客を呼び込もうとしている。
(日本旅行 広報室 木原秀和さん)
「新幹線なので途中下車ができる。
 観光して
 周遊して楽しむことが可能。
 もっと周遊の需要が増えてくると期待している。」
北海道に近い東北でも期待が高まっている。
岩手県にある花巻信用金庫。
この信用金庫は年金の口座を持つ顧客向けに
毎年親睦を深める旅行を企画している。
今年は北海道新幹線に乗って函館に行くことを決めた。
全国の信用金庫が行っているこうした旅行。
一度に参加する人数は多ければ数百人にもなる。
北海道と東北が双方に行き来すれば高い経済効果が見込めるという。
(花巻信用金庫 漆沢俊明理事長)
「我々の業界のお客様は非常にお金を落としていただける。
 行った先々で普通の旅行客の2~3倍の物を買いますので
 お互い交流する経済メリットはかなり大きい。」
地元の北海道がねらうのは外国人旅行者である。
JR北海道は開業の半年前 
東京で開かれた観光をテーマにした展示会にブースを設けた。
アジアをターゲットに20社以上の旅行会社とも商談。
台湾の旅行会社には“旅行の幅が広がる”と売り込んだ。
(台湾の旅行会社 担当者)
「今までは北海道だけのプランが多かった。
 函館に入って
 東北でちょっと遊んで
 また函館に戻って台湾に帰る。」
タイや中国などでもイベントを開催した。
各地で北海道新幹線に関するテレビや雑誌の特集が組まれたという。
さらに外国語に対応できるよう英語や中国語などを話せるスタッフを4割増員した。
無料で無線LANが使える駅を13まで拡大するなど
外国人旅行者に利便性をアピールしている。
(JR北海道 山本克己インバウンド専任課長)
「東南アジア 中国も含めて
 FIT(海外個人旅行)のお客様が増えている。
 どうやってレール使いしていただけるか
 工夫して取り組みをしている。」

 

 

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NYのセント・パトリックスデー LGBT25年ぶりに参加

2016-04-05 07:30:00 | 報道/ニュース

3月19日 キャッチ!


3月17日 St.Patrick's Day Parede。
アイルランドにキリスト教を広めたと言われる聖人のセント・パトリックを祝う日で
ニューヨークでは大きなパレードが開かれる。
250年ほど前にアイルランド系の移民たちが自分たちのアイデンティティーを示すために始めたが
今ではみんなが参加する。
これまでは主催者側がゲイのグループの参加を認めていなかったが
今年は歴史的な日になった。
沿道に集まる人は200万。
緑色はアイルランドのイメージカラーである。
アイルランド系にとって移民としての誇りと絆を確かめ合う大切な一日である。
そんなパレードでひときわ大きな注目を集めているグループがあった。
ラベンダー・アンド・グリーン・アライアンス。
アイリッシュのゲイ、レスビアンの人たちが起ち上げた団体である。
リーダーは長年ゲイの親権運動にかかわってきた ブレンダン・フェイさん。
(ブレンダン・フェイさん)
「きょうは歴史的な1日だ。
 とてもすがすがしいね。
 心がおどるような気持ちをみんなで分かち合いたい。」
ブレンダンさんは今から25年前に一度だけこのパレードに参加したことがある。
パレードに参加はできたものの
当時はエイズ問題も大きく
市民の反感をかった。
(ブレンダン・フェイさん)
「あの日のことは忘れない。
 観衆が“死ね”とか“エイズになれ”とか叫んでいた。」
カトリックが多いアイルランド系移民の間ではゲイを拒絶する雰囲気が続いてきた。
しかし去年同性婚が認められるなど
性的少数者の受け入れは次第に変化している。
こうしたなかでブレンダンさんたちのグループも
今年25年ぶりにパレードへの参加が認められた。
(ブレンダン・フェイさん)
「移民としてニューヨークにやって来て
 自らのコミュニティーから阻害されるのはつらかった。
 でもみんなで支え合って一緒にパレードを歩くことで
 偏見や差別を乗り越えることができる。」
パレードの当日ブレンダンさんの仲間や友達が300人集まった。
デブラシオ市長も応援に駆け付けいよいよパレードが始まる。
セントパトリック大聖堂の前にさしかかると
パトリックの司教たちもブレンダンさんたちを優しく迎え入れてくれた。
沿道の観衆も大きな声援を送る。
(ブレンダン・フェイさん)
「偏見と差別をなくす運動が一歩前進した。
 大勢の人たちが応援してくれニューヨークがひとつになれたよ。」


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中国で人気高まる“日本の伝統食”

2016-04-04 07:30:00 | 報道/ニュース

3月19日 おはよう日本


中国南部の大都市 広州。
所得の向上に伴って健康意識が高まり
有機栽培の野菜などが売れている。
そして人気が高まっているのが日本の納豆である。
陳列棚に整然と並べられた納豆。
流通網が広いため商品の多くは冷凍にして販売されている。
3個入り1パックが日本円で200円~500円と決して安くはないが
あるスーパーでは半月余りで500パックが売れるなど
暮らしに余裕がある人を中心に浸透し始めている。
「食べたことはないけれど体によいとテレビで言ってたね。」
「日本旅行のお土産でもらいましたが
 匂いは全然気になりませんでした。」
納豆をこよなく愛する人たちも増えている。
広州の郊外に家族4人で暮らす 何潔紅さん。
冷蔵庫を開けるとすべての棚が納豆で埋め尽くされている。
(何潔紅さん)
「1週間に何度も食べるので
 食べ終わったら買い足しています。」
何さんは納豆が健康にいいと聞いて3年前から食べ始めた。
母親も納豆を食べるようになってから体の調子が良いという。
「納豆のにおいが苦手でしたがだんだん食べられるようになりました。
 私は高血なんですが症状が改善したんです。」
納豆人気の先駆けとなったのが広東省にある日系の食品メーカーである。
中国国内で売られている納豆の半分以上がここで生産されている。
責任者の松原一之さん。
12年前から中国で生産された大豆を使い
日本の製法で納豆を作り続けている。
豆腐を発酵した液体に漬けた
若者に人気の臭豆腐という食べもの。
中国ではもともとこうした発酵食品や大豆を用いた料理が庶民の味として広く親しまれてきた。
その中国であれば日本の納豆も受け入れられるのではないか。
松原さんのメーカーは当初主に中国在住の日本人だったターゲットを
中国の人たちへと広げる戦略に打って出た。
(日系食品メーカー 松原一之さん)
「大豆製品は中国の方々はもともと大好きだと思う。
 日本の伝統食品 納豆を食べていただいて
 元気になってほしい。」
独特な匂いがある日本の納豆。
それが苦手だという中国の消費者向けに改良を加えることにした。
匂いが少ない納豆菌を使い
タレを10種類以上の候補の中から厳選。
ごはんと納豆を混ぜ合わせて食べる人が多いことから
日本のものよりもしょっぱい味付けに仕上げた。
さらに遺伝子組み換えではない大豆を使用。
日本と同じ安全基準に基づいて農薬管理を徹底していることも
インターネットなどで積極的にPRしたのである。
その結果 ここ数年生産量は毎年10%程度のペースで増え続け
去年には初めて200万パックを突破。
売上高は販売を始めた12年前と比べて2,5倍に伸びている。
中国から日本を訪れる観光客が増えている今こそ
日本に関心のある中間所得層を中心ににもっと納豆ファンを掘り起こしたい
このメーカーでは2月末日系の商業施設のオープンに合わせて開かれた
日本の商品を紹介するイベントに出店した。
店頭には中国人が好む梅しそやトウガラシのタレを付けた納豆4種類を並べた。
会場を訪れた人は2日間で約6万人。
納豆は初めて、という人も
試食して気にいるとその場で買い求めていた。
「食べてみたらおいしかったです。」
「やみつきになりそうね。」
日本を代表する発酵食品 納豆。
その人気は13億人を抱える巨大市場中国でも着実に広がりつつある。



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ラグビー女子“夢も生活も諦めない”

2016-04-03 08:00:00 | 報道/ニュース

3月18日 おはよう日本


去年11月リオデジャネイロ五輪への出場を決めた7人制女子ラグビー。
代表の愛称は「サクラセブンズ」。
あるメンバーは会社員
あるメンバーは小学生のお母さん
そして二十歳の女子大学生。
仕事や学業、子育てとオリンピックの夢を両立する選手たち。
女子ラグビーは歴史も浅く
日本の競技人口はわずか3,500人ほどである。
プロのリーグは無く
ラグビーだけで生計を立てられる選手はほとんどいない。
3月上旬 埼玉県熊谷市で行われた日本代表候補の強化合宿。
練習相手は男性である。
朝6時から夜8時半まで断続的に練習を行う日もある。
多くの選手が他に仕事を持ちながらラグビーを続けている。
その1人 桑井亜乃さん(26)。
身長1m71cm
恵まれた体格を生かした突破力が持ち味である。
桑井さんは熊谷市にある百貨店の人事総務部で働いている。
ラグビーとの出会いは桑井さんの人生を大きく変えた。
学生時代陸上部で円盤投げをしていた桑井さん。
卒業後は地元北海道で体育の教師になろうと考えていた。
そんなときリオデジャネイロ五輪から7人制ラグビーが採用されることを知った。
(桑井亜乃さん)
「ピンときたというか
 ラグビーでオリンピックを目指したいとそのときにピンときた。」
オリンピックに向けて強化選手を募集しているという知らせを聞き
決まっていた就職先を直前に辞退。
本格的にラグビーを始めることにした。
その後ラグビーと両立できる仕事をさがしてきた桑井さん。
去年 競技への理解があるこの百貨店に就職することができた。
(桑井亜乃さん)
「ラグビーに出会ってやりたいと純粋に思ったことにチャレンジしただけ。
 何か迷っていることとかやりたいことがあるのなら
 自分に賭けてみるのもいいのでは。」
ラグビーと子育てを両立させている選手もいる。
合宿に参加した12人の中で結婚と出産をしているただ1人の選手
兼松由香さん(33)。
去年11月オリンピック出場を決めた試合。
歓喜の輪の中に一人娘の明日香ちゃん(8)の姿があった。
名古屋市で会社員の夫と娘の3人で暮らしている兼松さん。
合宿や遠征などで月の半分以上家を留守にすることもある。
家のいるときは洗いものや買い物などなるべく娘と一緒の時間を過ごすようにしている。
(兼松由香さん)
「家族全員が理解してくれてサポートしてくれている。
 おかげで頑張れる。」
しかし娘の複雑な気持ちを知ることになった出来事があった。
合宿で足の怪我をして予定よりも早く帰宅したときのこと。
娘は「怪我が治ったらまたラグビーやれるよ」と励ましてくれたが
実家の母親からは別の話を聞いたのである。
(兼松由香さん)
「『母ちゃん早く帰ってくるよ』と娘が喜んでいたと聞いた。
 私の前では見せないようにしてくれているんだなと
 すごく切ない気持ちにもなりますし
 逆に頑張らないといけないという気持ちにもなりました。」
合宿中兼松さんは娘に電話をしないことにしている。
「お母さんの声を聞くと寂しくなる」と言われたことがあるからである。
合宿や遠征先に必ず持っていくものがある。
明日香ちゃんが書いてくれた手紙である。
かあちゃん
いつもありがとう
あーちゃんはいつもおうえんしているよ
(兼松由香さん)
「自分のラグビーだけじゃなく娘の夢でもあるし家族の夢でもある。
 出産や結婚をしてもラグビーって続けられるんだよとみんなに伝えたい。」
仕事や子育てなどをしながらラグビーに打ち込む選手たちの姿が
後輩のメンバーに大きな刺激を与えている。
メンバーの1人 東京学芸大学に通う小出深冬さん(20)。
オリンピック出場が決まってから練習や遠征がさらに増えた。
スケジュールは予定でびっしり。
ピンク色に塗ったのはラグビーのトレーニング
黄色はテストなど学業の日程。
両方ともおろそかにできない。
そんな小出さんは先輩の選手たちの姿を見ていて
自分もやりきることができると思えるようになった。
(小出深冬さん)
「先輩たちの進路の決め方とか参考にして
 成長していくなかで自分の好きなことをできる環境を探していきたい。」
様々事情と折り合いをつけながら夢に挑むサクラセブンズ。
たくましく生きる現代の女性たちを象徴しているようである。

 

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中国の景気減速 米経済への影響は

2016-04-03 07:30:00 | 報道/ニュース

3月17日 おはよう日本


ワシントン州シアトル。
全米有数の貿易港である。
最大の輸出先は中国。
輸出額は年間1兆4,000億円。
日本向けの3倍にのぼる。
しかし中国の景気減速が地域産業に影響を及ぼしている。
地元大手の木材会社 トム・リーズ社長。
多くの木材が中国でビルや住宅の建築資材に使われてきたが
需要が伸び悩み
この2年で約30%輸出が減った。
(木材会社 トム・リーズ社長)
「中国市場は厳しい。
 急速な経済成長は終わり力強さがない。
 ここ数年は今のままだろう。」
製造業にも影響が広がっている。
原油の掘削装置を作る社員30人の中小企業。
製品の半分を輸出しているが
原油安で油田の開発に急ブレーキがかかり注文が減っている。
(機械メーカー 副社長)
「受注は毎月減っている。
 要因は中国のエネルギー消費の伸び悩みだ。
 世界中の石油・ガス業界にとって厳しい1年になっている。」
一方 中国経済が減速するなかでも好調なのが不動産市場である。
中国から資金を移す動きが続いているのである。
シアトル一の高さを誇る76階建てのビルは
去年 香港の投資会社が約800億円で買収して話題になった。
郊外の高級戸建て物件の実に40%は中国人の富裕層が購入したというデータもある。
中国人との取引が専門の地元の不動産業者 CL・タンさん。
スマートフォンで物件を撮影し中国に住む客に送信。
(不動産業 CL・タンさん)
「ここが台所でリフォーム済みです。
 すべて大理石です。」
こうした動画のやり取りだけで数億円の高級物件がまたたく間に売れてきたという。
去年約2億円で住宅を購入した女性。
夫のアメリカ転勤をきっかけに家族全員で移住。
北京のマンションを売り払ってドルに換え
アメリカに資金を移したことは正しい判断だったと振り返る。
「中国の株式市場が大きく動揺し
 多くの友人が資産を失った。
 株式市場に投資するのではなくここで家を買ったのは良い判断だった。」
しかしその不動産市場にも不透明感が広がり始めている。
資金が中国国外に流出するのを警戒して
中国政府が最近海外への送金について監視を強めているというのである。
(不動産業 CL・タンさん)
「中国経済が変調し
 中国政府は最近海外への資金移動を簡単に認めない。
 中国経済の減速で米の不動産価格が下がらないか不安が広がっている。」
シアトルから見えてくる中国経済の不透明感。
FRBは今後どのように利上げを進めていくのか
その判断にも影響することになりそうである。



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われは草なり

2016-04-02 07:30:00 | 編集手帳

4月1日 編集手帳

 

 11打数0安打5三振。
野村克也さんのプロ野球人生1年目である。
拝み倒して撤回してもらったものの、
シーズンの終了後には解雇を通告されている。
その人が戦後初の三冠王になり、
名監督になった。

新国劇の名優とうたわれた島田正吾さんは駆けだしの昔、
舞台で『千葉周作』の寺小姓を演じた。
たった1行ながら、
新聞の劇評欄に初めて名前が載った。
〈島田正吾、観(み)るに堪えず〉

山中伸弥さんが執刀すると、
20分の手術が2時間かかった。
足手まといの“ジャマナカ”という異名を先輩医師からもらい、
臨床医になる夢をあきらめた。
その人がノーベル賞で研究医の頂点を極める。

きょうが入社式という若い人も多かろう。
希望に燃える門出には要らざるお世話にちがいないが、
何十年か前のわが身を顧みれば日々、
挫折と失意と狼狽(ろうばい)と赤面の記憶しか残っていない。

高見順に『われは草なり』という詩がある。
〈われは草なり
 伸びんとす
 伸びられるとき
 伸びんとす
 伸びられぬ日は
 伸びぬなり…〉。
草の丈が伸びぬ日もあろう。
そういう日は、
大丈夫、
見えない根っこが地中深くに伸びている。


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どんな獣が潜んでいるか知れない都会の密林

2016-04-01 08:00:00 | 編集手帳

3月29日 編集手帳

 

 名探偵、明智小五郎の初登場は関東大震災の翌々年、
江戸川乱歩『D坂の殺人事件』である。
探偵業の成り立ちは古き東京の町並みが灰になったことと関係が あると、
評論家の川本三郎さんは言う。

〈東京が都市社会化し、
 隣りに誰が住んでいるか分からないという匿名性が生まれてからだろう〉
 (平凡社『ミステリと 東京』)。
住まいの防音効果が格段に上がった昨今、
隣人の匿名性は大正時代の比ではあるまい。

外見も物腰も「ごく普通」とあれば、
なおさらである。
名探偵の明察をもってしても犯罪に気づくのは容易でなかろう。
女子中学生を2年間もアパートの自室に監禁していた男(23)である。

思い出す五行歌がある。
〈「どごさ行(い)ぐの?」「銀行…」
 「ふ~ ん、積むの? 下ろすの?」
 下町の
 大きなお世話の中で
 暮らす〉。
いまや夢物語の世界とは承知しつつ、
虐待やいじめも含めて隣近所の異変に口出しする “大きなお世話”の世話役でありたいと念じている。

きのうの朝、
駅に向かう道でふと何度か立ち止まった。
すぐそばにどんな獣が潜んでいるか知れない都会の密林に、
人は生きている。

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ミャンマー最新報告 ③女性企業家の挑戦

2016-04-01 07:30:00 | 報道/ニュース

3月18日 キャッチ!


ミャンマーで多くの人々が巻き付けている巻きスカート。
伝統的な民族衣装ロンジーである。
男性も女性も様々な上着に合わせて着用している。
このロンジーにいま変化が起きている。
去年1月 ヤンゴンにオープンしたロンジーの専門店。
伝統的なデザインを現代風にアレンジし
若い世代を中心に人気を集めている。
金色の糸をふんだんに使ったきらびやかなものなど
種類は1,000を超える。
ロンジーは通常布の端を結んで着るが
着崩れしやすく
きれいに着ることは容易ではない。
このためひもで結んで簡単に着られるタイプも販売している。
ロンジー専門店を経営する サン・ピュー・ピューさん。
ロンジーの将来性に目をつけ
オリジナルのデザインで売り上げを伸ばそうとビジネスを起ち上げた。
(ロンジー専門店 経営者 サン・ピュー・ピューさん)
「ミャンマー人は冠婚葬祭を大切にしていてロンジーは欠かせません。
 そしてアウン・サン・スー・チーさんがロンジーの人気を高めています。」
2011年に軟禁状態から解放されて以降
多くのメディアで取り上げられるようになったスー・チーさん。
どこへ行くときもロンジーをまとっている。
そのデザインや色などへのこだわりが女性たちに注目されるようになったのである。
サン・ピュー・ピューさんは新しいデザインを素早く取り入れるため
店で扱うロンジーの一部を自分の工場で生産している。
商品の品質を高めようと
性能の良い機械の購入に3千万円を投資した。
サン・ピュー・ピューさんはインターネットなどで海外の様々なデザインを参考にしながら
伝統と調和した新しいデザインを常に考えている。
(ロンジー専門店 経営者 サン・ピュー・ピューさん)
「さまざまなスタイルを探さなければなりません。
 どう組み合わせたらうまくいくか
 先駆けにならないと成功しません。」
民主化の進展に伴い
ミャンマーでは外国人観光客が急増している。
そのニーズに目をつけて土産物店を開いた女性もいる。
店頭に並べられているのは
イギリス植民地時代だった19世紀のミャンマーの人々などをモチーフにした商品。
昔の写真や絵画などを組み合わせたり色を付けたりして作られている。
雑誌やネットで取り上げられ
外国人観光客の人気を集めている。
(アメリカ人 客)
「とても面白いアートだわ。
 色もきれいだし
 これまで見たことがないわ。」
(カナダ人 客)
「いいデザインで目を引くね。
 古きビルマの風景がとてもいいよ。」
店を経営する27歳のティン・ティンさん。
フランス人や韓国人の友人とともに去年5月に土産物のブランドを起ち上げた。
ある番目にしたミャンマーの古い写真が商品を作るきっかけだったという。
(ヤンゴングッズ 共同経営者 ティン・ティンさん)
「外国人に古きミャンマーの姿を伝えようとアイデアが出たんです。
 それでこの仕事をやることに決めました。」
好調な売れ行きを背景に
ティン・ティンさんたちはいま新しい商品の開発を進めている。
コースターやバッグのタッグなど商品の種類を増やすとともに
男性向けの商品も手掛けたいと考えている。
3月にオープンした国際空港の新ターミナルへの出店や
海外への輸出も目指している。
(ヤンゴングッズ 共同経営者 ティン・ティンさん)
「外国人は強い関心を示しています。
 国外でも私たちの商品を売り出したいと思っています。」



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