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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

テクノロジーの発展とグローバリズムとは

2023-10-28 20:51:22 | 毎日コラム
テクノロジーが発展していくということは、【他者への依存性を高める】ことである。
テクノロジーとは、人間が本来身体の内部に持っていたものを、外部化することにある。
大きな荷物をもつのが大変だから、重機で運び、物を壊すために手でやるべきことを、鈍器という身体の外部に委託していく。
だから、それを作る者が生まれて、一人でやっていたことを誰かに、何かに、依存していくことになる。

私たちはそうして発展してきた。
経済や法律、社会、教育といった目に見えないものに関しても同じである。
だから、いざ何かイレギュラーが起こると、その脆弱さが露呈する。
電車は毎日同じ時間に走っているが、それはシステムという大きな他者に依存しているので、当然事故が起こると多くの人に影響が出る。
勉強は学校でするもの、と高をくくっていると、いきなり新しいウィルスで学校が休校になると途端に勉強ができなくなる。
しかし、そのことをもって、だから自立するべきだ、依存はいけない、という議論にはならないだろう。

こういう脆弱さは、もちろんリスクではあるにしても、人間同士が協力し合っているという証左でもある。
こういう依存関係がグローバリズムによって共有されるようになると、理論上は戦争が起こりにくくなる。
戦争が起こってしまうと、協力関係が成り立たなくなって、当事者だけではなく周りの国もしんどくなる。
よって、戦争を周りの国にも起こさないようにするべきだという力が働くはずだ。

核の抑止力、という側面だけで見れば、確かに核兵器の恩恵はあるのだろうが、テクノロジーという側面からみても、他者への依存度が高いことが戦争の減少に寄与していることは間違いない。

だが、そうならない場合もある。
その協力関係から孤立している国や地域は、戦争することのリスクが低い。
そして、協力関係がなければ、あらゆるものは他国から【奪う】しかなくなる。

他者を批判するだけで、犯人を捜すだけでは、国際関係は立ち行かない、ということだろう。

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