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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

普通で良い、と言えない社会で

2023-11-17 22:16:11 | 毎日コラム
子どもが小学生になって、宿題の多さに親の方が圧倒されている。
私は本業の都合もあって、ほとんど奥さんに子どもの宿題をみてもらっているが、驚いている。
スピードも速く、毎日新しいことをやっては、復習、というのを繰り返している。

私が子供の頃、こんなにも宿題をしていたのか、と感じている。
そう考えながら、いつもテストがあれば聞いてしまう。
何点?と。
小学生のテストなんて、と思う。
けれども、これに順位がつき始めると、と思うと怖くなる。
それまで絶対評価だった我が子への評価が、数値にされることで他人の子との比較になってしまうからだ。

「普通でいい」と思って抱き上げた初めての日、社会に出る前には「普通以上」を求めてしまう。

それは大人の世界が、普通以上を常に求める世界だからだろう。
1億総中流といわれた時代は遠い昔で、常に普通以上、平均以上、より良い自分、他人より優れた能力を求められる。

日本の経済が世界にさらされるようになってその目に見えない危機感は、我が子を見る視点にまで蔓延している。

それでも、私は普通であることは素晴らしいと思いたい。
約束を守る、朝起きて学校に行く、人の話を聞く、興味あることに真っ直ぐである、そういう普通を追求することが、結果尊い「普通でない」自分だけの人生を歩むのではないか、と。

非凡であること、多才であること。
普通である非凡、基本を徹底できる非凡さが、社会でも認められるべきだと思う。
それが日本の非凡さだと、そんな気がするのだ。

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