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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

本とインターネット(4)

2021-01-20 06:18:34 | 毎日コラム
4回目の今回の観点は、目的、である。

本とインターネット、その目的は何だろう。
それを一義的な回答で集約することは難しい。
ともに、言葉や画像など、さまざまな方法で伝える、メッセージであるからだ。
キレイな対比は取りにくいのは、これまでの観点と共通していることだ。

しかし、こういう言い方は通用するのではないかと考えている。
それは、本は内部に目的を持ち、インターネットは外部に目的を持つ、ということだ。
その対比は、本とインターネットが有料と無料とである程度線引きできることによっている。

すなわち、本は原則的にお金を出して買わなければ読めない。
図書館や古本、電子書籍など無料で読めるサービスはいくらでもあるが、原則的に有料であることからそれらのサービスも展開されている。
図書館に置いてもらうことを前提に書かれている本はない。
(最近無意味な文字の羅列を高価で図書館に送りつけてお金を得ようとするような記事をどこかで読んだが、それも例外だろう)
必然的に、読んでもらうことが本を出すことの最も基底的な目的になる。
なぜ読んでもらいたいのか、それは著作者によって異なるだろう。

けれども、無料で得られるインターネットの情報との対比は著しい。
インターネットは有料のサイトや記事ももちろんあるにしても、無料で瞬時に拡散されることが一つの特徴でもある。
それは逆説的に「外部に目的(利益)がある」ということに繋がる。
だから、インターネットの記事の大半が何かの「広告」である。

ゲームの攻略サイトも、料理の紹介動画も、映画の批評ブログも、結局はそれを「お金を出して買う」ことを前提に書かれている。
だから、他の記事でも書いたが、発信者は自ら広告化することで成り立つ。
本は信用できる、インターネットは信用できない、というような評価が下りやすいのもそのためなのだろう。
外部に目的があるので、インターネットには「何か裏がある」と思ってしまうわけだ。


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