筒井康隆のほうを後に読んで、こちらを先に読んだ。
だから「愛のひだりがわ」についてはパンチに物足りないと思ったのかもしれない。
村上龍と村上春樹は同時期に、そして同じ名字で比べられることが多いようだ。
どっち派? というような言われ方がよくされる。
私は春樹をたくさん読んでいたので、龍についてはあまり触れる機会がなかった。
それではそろそろ、と思っているところに、職場の雑談の中で龍の名前が出てきた。
「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだ後の、二作目だ。
(「限りなく透明に近いブルー」は数年前に読んでいるが)
中年のおっさん小田桐が気づくと、林の中を歩いていた。
囚人の隊列ような、軍隊の捕虜のような行進だった。
連れてこられたのは、人工的なトンネルの中で、そこでは面接が行われていた。
聞き慣れない単語ばかりが交わされ、次第にその場所が日本でありながら日本ではない別の世界であることがわかってくる。
もし第二次世界大戦が続いていたとしたら、日本はどうなっていたのか。
その問いに対して答える形で、世界観が構成されている。
その設定は非常に社会的で、歴史的な視座をもつものだが、とにかくおもしろい。
ただ単純に流れるように文章に引き込まれていく。
いくつか戦闘の場面が描かれているが、まさに手に汗握るような展開だ。
タイムスリップして自衛隊が戦国時代にいくなんていう脳天気な映画を撮るのではなく、これくらいの設定で撮ってみればいいのに、と思う。
どの時点で五分過ぎてしまったのかわからないが、歴史のタラレバを問うた作品として興味深い。
今読んでも全く古くさくないし、今読んだ方が説得力がある気がする。
テレビ番組でも日本の良さを説く特集がよくされているが、もっとはっきりと日本人の良さを描いていると思う。
興味がある人は是非。
だから「愛のひだりがわ」についてはパンチに物足りないと思ったのかもしれない。
村上龍と村上春樹は同時期に、そして同じ名字で比べられることが多いようだ。
どっち派? というような言われ方がよくされる。
私は春樹をたくさん読んでいたので、龍についてはあまり触れる機会がなかった。
それではそろそろ、と思っているところに、職場の雑談の中で龍の名前が出てきた。
「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだ後の、二作目だ。
(「限りなく透明に近いブルー」は数年前に読んでいるが)
中年のおっさん小田桐が気づくと、林の中を歩いていた。
囚人の隊列ような、軍隊の捕虜のような行進だった。
連れてこられたのは、人工的なトンネルの中で、そこでは面接が行われていた。
聞き慣れない単語ばかりが交わされ、次第にその場所が日本でありながら日本ではない別の世界であることがわかってくる。
もし第二次世界大戦が続いていたとしたら、日本はどうなっていたのか。
その問いに対して答える形で、世界観が構成されている。
その設定は非常に社会的で、歴史的な視座をもつものだが、とにかくおもしろい。
ただ単純に流れるように文章に引き込まれていく。
いくつか戦闘の場面が描かれているが、まさに手に汗握るような展開だ。
タイムスリップして自衛隊が戦国時代にいくなんていう脳天気な映画を撮るのではなく、これくらいの設定で撮ってみればいいのに、と思う。
どの時点で五分過ぎてしまったのかわからないが、歴史のタラレバを問うた作品として興味深い。
今読んでも全く古くさくないし、今読んだ方が説得力がある気がする。
テレビ番組でも日本の良さを説く特集がよくされているが、もっとはっきりと日本人の良さを描いていると思う。
興味がある人は是非。
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