2011年は31本の映画を見た。
前半にかなりの本数を稼げたので40本は手堅いと思っていたが、結局例年並に収まった。
後半は心残りに終わったものの、前年に比べると充実した内容だった。
それは一つに、邦画をほとんど見なかったことが大きかった。
邦画で数を見ても、僕にとってはあまり楽しめるものはない。
経験則から言ってそうなのだが、いつも失敗していた。
その意味では今年は洋画に偏らせてよかったのかも知れない。
話を戻す。
今年はそれにしてもよい映画が多かった。
全体的には満足度が高い。
単館上映の映画をいくつも見ることができたことも、よかったのだろう。
さっそく、上位から順に見ていこう。
1位 「ミスター・ノーバディ」
DVDを購入した映画作品。
今年は二度映画館に行った作品が二本あるが、そのうちの一本。
最近、もう一度見直したが、やはり面白い。長いけど。
科学的な説明を挟みながら、無限に広がった物語が収束していく様は、鳥肌がたつ。
すべての物語は「もしも」を許さないものだが、この映画はその「もしも」を追求続けた映画だ。
もしも、僕が母親についていったら、もしもこの子に声をかけたら、そしてその全てに肯定してくれる包容力がある。
見ていない人は是非、見て欲しい。
ただし、体力と気力を要するので、気をつけよう。
2位 「ソーシャル・ネットワーク」
言わずと知れたマーク・ザッカーバーグのフェイスブック成功譚。
冒頭の99テイクに始まり、徹底した映像リズムの良さはぴかいちだ。
一見すると気付かないが、このリズミカルな映像は、新しいスタイルを築いた。
きっとだれも真似できないだろうが、台詞を圧縮せずに、時間を圧縮してそのテンポが映画のテーマそのものにも繋がっている。
もう褒めるしかない。
けれども、こちらも集中力がなければ話がわからなくなるだろう。
それくらいの覚悟をもって見るべき映画だ。
サントラ、DVDともに購入した。
それほど好きだ。
3位 「127時間」
こちらもやられた映画の一つだ。
90分程度の上映時間なのに、どっと疲れる。
本当に自分も岩に閉じこめられたかのような切迫感に襲われる。
ほとんどひとりで芝居しきったジェームズ・ブランコもすごいが、やはりこの映画も監督の手腕がすごすぎる。
見終わって、いつも通りの日常にすんなりは戻れないだろう。
これは好き嫌いを問わない映画だ。
ぜひ一度見るべきだろう。
4位 「未来を生きる君たちへ」
監督のスザンネ・ビアはデンマークの人だ。
「ある愛の風景」で、ここでも絶賛させてもらった、あの監督である。
タイトルがあまりにもライトな、あまりにも抽象的なものなので、それで損をしている気がする。
原題は「復讐」。
あまりにも重たいテーマだが、一見の価値がある。
徹底した人物描写と、その人物達が織りなす痛いほどの関わりが見事という他ない。
メッセージはそれほど目新しいものではないにしても、個人を描きながら、社会的で普遍的なことを描いている。
これも年間1位に推してもおかしくない完成度だ。
5位 「海洋天堂」
まさかの大健闘である。
ジェット・リー主演の「お涙頂戴映画」である。
大して期待していたわけでもないのに、映画館で号泣してしまった。
説明過多のお説教臭い演出を徹底的に排している。
その意味ではテーマをすんなり受け取れない可能性もある。
(もしくは僕が深読みしているのかもしれないが)
人を選ぶ作品であることは間違いないが、意外性と底に流れる普遍性にベスト5に含めた。
6位 「スリーデイズ」
このくらいからは印象に残っている、もしくは、好きな作品があがってくる。
「クラッシュ」ポール・ハギス監督の、フランス映画のリメイク。
「すべて彼女のために」というオリジナル作品も見たが、こちらのほうが好きだ。
しっかりとしたテーマ性を持ちながら、それでいてエンターテイメントとしておもしろい。
ラッセル・クロウの暗い感じがはまり役だった。
もうすぐDVDも発売するようだから、チェックしてみて欲しい。
7位 「ヒア・アフター」
薦められて強引に観に行った。
公開しばらくして東日本大震災の影響があり、津波の描写が強烈すぎて、公開が中止されてしまった。
物語はゆるやかに進み、収束されるころに、大きな救いがある。
超能力なんて、映画で扱われ尽くしているような感もあるものの、この映画はきっちりと物語に仕立て上げている。
マット・デイモンの悲壮な感じと、イーストウッドの監督の技量が観る者を引き込んでいく。
震災を体験した日本だからこそ、観るべきかも知れない。
8位 「ザ・タウン」
ベン・アフレックがメガホンを取った作品。
日本ではあまり話題にならなかったのは、物語に流れている「街」が捉えにくいからだろう。
エンターテイメントとしても十分面白いので、僕はもう一度レンタルしたいと考えている。
9位 「キック・アス」
2011年の年始、公開終了間際に観に行ったので、2010年に書くべきかも知れないと思い、この位置にした。
面白さはぴかいちだ。
ちょっと教育的でない描写や台詞が多いので、小さいお子さんと観る場合には注意が必要かな……。
なんといっても見所は、ノーギャラで仕事を受けたのではないかと疑いたくなるほど楽しそうに演じているニコラス・ケイジだ。
流れているテーマも大まじめだ。
僕もそろそろヒーローになる準備をしようかな。
でも体中にパイプを入れるのは嫌だな。
10位 「私を離さないで」
すごく迷った。
ランク外に置いた作品も見逃したくないよい作品が多いからだ。
その中でも、このSFは面白かった。
あり得ない設定だと思いながら進んでいくと、ラストではそれが普遍性のあるテーマを描いていることに気付く。
こちらも体力と気力がなければ観られないほど、冗長ぎみな映画だが、もう一度観たいと思わせる。
ランク外にしたのは、「スーパー8」、「ザ・ファイター」の二本。
他にも上げられそうだが、とりあえずこの二本は一見の価値はあるだろう。
逆にワースト映画を上げるのは、容易だ。
「トランス・フォーマー」、「英国王のスピーチ」、「ウォール・ストリート」の三本も捨てがたい。
けれども、やっぱり「グリーン・ホーネット」がダントツだ。
キャラクターが見えないヒーロー物は苦痛でしかない。
アメコミがやたらと映画化されているけれども、やはり量より質でしょう。
今年(2012年)の目玉の映画は、もうすぐ公開の「ドラゴン・タトゥーの女」。
そしてなんといっても「ダークナイト・ライジング」である。
今からわくわく。今年も良い映画と出会いたいな。
前半にかなりの本数を稼げたので40本は手堅いと思っていたが、結局例年並に収まった。
後半は心残りに終わったものの、前年に比べると充実した内容だった。
それは一つに、邦画をほとんど見なかったことが大きかった。
邦画で数を見ても、僕にとってはあまり楽しめるものはない。
経験則から言ってそうなのだが、いつも失敗していた。
その意味では今年は洋画に偏らせてよかったのかも知れない。
話を戻す。
今年はそれにしてもよい映画が多かった。
全体的には満足度が高い。
単館上映の映画をいくつも見ることができたことも、よかったのだろう。
さっそく、上位から順に見ていこう。
1位 「ミスター・ノーバディ」
DVDを購入した映画作品。
今年は二度映画館に行った作品が二本あるが、そのうちの一本。
最近、もう一度見直したが、やはり面白い。長いけど。
科学的な説明を挟みながら、無限に広がった物語が収束していく様は、鳥肌がたつ。
すべての物語は「もしも」を許さないものだが、この映画はその「もしも」を追求続けた映画だ。
もしも、僕が母親についていったら、もしもこの子に声をかけたら、そしてその全てに肯定してくれる包容力がある。
見ていない人は是非、見て欲しい。
ただし、体力と気力を要するので、気をつけよう。
2位 「ソーシャル・ネットワーク」
言わずと知れたマーク・ザッカーバーグのフェイスブック成功譚。
冒頭の99テイクに始まり、徹底した映像リズムの良さはぴかいちだ。
一見すると気付かないが、このリズミカルな映像は、新しいスタイルを築いた。
きっとだれも真似できないだろうが、台詞を圧縮せずに、時間を圧縮してそのテンポが映画のテーマそのものにも繋がっている。
もう褒めるしかない。
けれども、こちらも集中力がなければ話がわからなくなるだろう。
それくらいの覚悟をもって見るべき映画だ。
サントラ、DVDともに購入した。
それほど好きだ。
3位 「127時間」
こちらもやられた映画の一つだ。
90分程度の上映時間なのに、どっと疲れる。
本当に自分も岩に閉じこめられたかのような切迫感に襲われる。
ほとんどひとりで芝居しきったジェームズ・ブランコもすごいが、やはりこの映画も監督の手腕がすごすぎる。
見終わって、いつも通りの日常にすんなりは戻れないだろう。
これは好き嫌いを問わない映画だ。
ぜひ一度見るべきだろう。
4位 「未来を生きる君たちへ」
監督のスザンネ・ビアはデンマークの人だ。
「ある愛の風景」で、ここでも絶賛させてもらった、あの監督である。
タイトルがあまりにもライトな、あまりにも抽象的なものなので、それで損をしている気がする。
原題は「復讐」。
あまりにも重たいテーマだが、一見の価値がある。
徹底した人物描写と、その人物達が織りなす痛いほどの関わりが見事という他ない。
メッセージはそれほど目新しいものではないにしても、個人を描きながら、社会的で普遍的なことを描いている。
これも年間1位に推してもおかしくない完成度だ。
5位 「海洋天堂」
まさかの大健闘である。
ジェット・リー主演の「お涙頂戴映画」である。
大して期待していたわけでもないのに、映画館で号泣してしまった。
説明過多のお説教臭い演出を徹底的に排している。
その意味ではテーマをすんなり受け取れない可能性もある。
(もしくは僕が深読みしているのかもしれないが)
人を選ぶ作品であることは間違いないが、意外性と底に流れる普遍性にベスト5に含めた。
6位 「スリーデイズ」
このくらいからは印象に残っている、もしくは、好きな作品があがってくる。
「クラッシュ」ポール・ハギス監督の、フランス映画のリメイク。
「すべて彼女のために」というオリジナル作品も見たが、こちらのほうが好きだ。
しっかりとしたテーマ性を持ちながら、それでいてエンターテイメントとしておもしろい。
ラッセル・クロウの暗い感じがはまり役だった。
もうすぐDVDも発売するようだから、チェックしてみて欲しい。
7位 「ヒア・アフター」
薦められて強引に観に行った。
公開しばらくして東日本大震災の影響があり、津波の描写が強烈すぎて、公開が中止されてしまった。
物語はゆるやかに進み、収束されるころに、大きな救いがある。
超能力なんて、映画で扱われ尽くしているような感もあるものの、この映画はきっちりと物語に仕立て上げている。
マット・デイモンの悲壮な感じと、イーストウッドの監督の技量が観る者を引き込んでいく。
震災を体験した日本だからこそ、観るべきかも知れない。
8位 「ザ・タウン」
ベン・アフレックがメガホンを取った作品。
日本ではあまり話題にならなかったのは、物語に流れている「街」が捉えにくいからだろう。
エンターテイメントとしても十分面白いので、僕はもう一度レンタルしたいと考えている。
9位 「キック・アス」
2011年の年始、公開終了間際に観に行ったので、2010年に書くべきかも知れないと思い、この位置にした。
面白さはぴかいちだ。
ちょっと教育的でない描写や台詞が多いので、小さいお子さんと観る場合には注意が必要かな……。
なんといっても見所は、ノーギャラで仕事を受けたのではないかと疑いたくなるほど楽しそうに演じているニコラス・ケイジだ。
流れているテーマも大まじめだ。
僕もそろそろヒーローになる準備をしようかな。
でも体中にパイプを入れるのは嫌だな。
10位 「私を離さないで」
すごく迷った。
ランク外に置いた作品も見逃したくないよい作品が多いからだ。
その中でも、このSFは面白かった。
あり得ない設定だと思いながら進んでいくと、ラストではそれが普遍性のあるテーマを描いていることに気付く。
こちらも体力と気力がなければ観られないほど、冗長ぎみな映画だが、もう一度観たいと思わせる。
ランク外にしたのは、「スーパー8」、「ザ・ファイター」の二本。
他にも上げられそうだが、とりあえずこの二本は一見の価値はあるだろう。
逆にワースト映画を上げるのは、容易だ。
「トランス・フォーマー」、「英国王のスピーチ」、「ウォール・ストリート」の三本も捨てがたい。
けれども、やっぱり「グリーン・ホーネット」がダントツだ。
キャラクターが見えないヒーロー物は苦痛でしかない。
アメコミがやたらと映画化されているけれども、やはり量より質でしょう。
今年(2012年)の目玉の映画は、もうすぐ公開の「ドラゴン・タトゥーの女」。
そしてなんといっても「ダークナイト・ライジング」である。
今からわくわく。今年も良い映画と出会いたいな。
妙に仕事に追われている今日この頃です。
ずいぶん仕事量は減ったはずなのですが…。
今も仕事をしながらの書き込みです。
あーやだやだ。
>地デジさん
書き込みありがとうございます。
「ミスターノバディー」はほとんど周りに話が出来る人がいなくて残念です。
単館上映のサガですね。
四本あげていただきましたが、残りの三本が全くわかりません。
「宇宙人ポール」はたしかまだ公開していたように思いますが……。
DVDでチェックしてみます。
いきなり「ドラゴンタトゥーの女」を見てきました。
批評はまたアップします。
今年も良い映画に出会いたいですね。
次いで「夏の終止符」、「宇宙人ポール」、「Life in a day」ですね
夏の終止符はDVD化あるんだろうか
昨年はロシア映画の良さを知れた年でした。