銅版画制作の日々

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太陽:the sun 悲劇に傷ついた、ひとりの人間

2006-10-09 | 映画:ミニシアター

京都シネマにて、鑑賞アレクサンドル・ソクーロフ監督、ロシア・イタリア・フランス・スイス合作作品、2005年、115分、カラー、何でも世界12ヶ国で絶賛されながらも、日本での公開は不可能ではないかと言われていた映画だそうだ。という話題性も高いのか、満席で立ち見も出る人気そんな事も気になり、連休の最中観に行った。

お話1945年8月、闇はまだ明けなかった。その時、彼は庭師のような質素な身なりをしていた。その人の名は昭和天皇ヒロヒトである。宮殿は戦火よって焼け落ち、待避壕か唯一被災から逃れた石造りの生物研究所で暮らしていた。彼を侍従たちは、神の子孫として崇めるも、「私は皆と変わりない体だ!」と話す。戦況は益々緊迫状態だが、彼には戦争を止める力はなかったその苦悩が悪夢となり・・・・のなかで、彼を苦しめる東京は焼け野原状態、失われる命このことで、彼は「私は誰からも愛されない」と呟く。そして、遠く疎開している皇后や皇太子たちののアルバムに唇をを寄せたやがて、アメリカ連合国占領総司令官 マッカーサーとの会見がの日が訪れる

イッセー尾形が昭和天皇の特徴を上手く掴んで、演技に臨んでいる。特にマッカーサーとのやりとりの中には緊張感が漂う。通訳する副官を挟んで国の違いのギャップなども絡み、司令官の苛立ちも敗戦国だという意識で腹を括る天皇ヒロヒトの姿は何ともいえない。そして天皇はこんな事を、司令官に伝える。皇太子に手紙を書きました。内容は「戦争に敗れた国は傲慢だったからです。戦争と平和の件に関して、怒りは良き助言者ではありません。傲慢は不適切です」その後彼は、日本語で話だす。軍隊を進撃させたことへの誤算、財政に対する無知さなどを・・・・。次第に司令官は天皇に対して少し気持ちが和らいだような感じが子供のようなところがあると、副官に話す。

アメリカのメディアが、天皇の写真撮影にやってくる場面がまた印象的であった。国家の象徴である彼の姿に「チャーリー!」と呼ぶ。実は象徴の前に一人の人間だということなのだろう。これは天皇自身も肯定しているし・・・・。彼にとっても良かったことなのではないだろうか。


場面展開もかなりゆっくりなため、ちょっと状態になる事もありましたが・・・・。戦後生まれの私にとって、戦争のある側面を知る一つのきっかけになったのかもしれません。果たして昭和天皇の行動や思いはこの映画と重なっていたのか事実は分かりませんが。

     公式サイト 太陽 the sun

  追記:イッセー尾形が演じる、天皇ヒロヒトの返事「あっ、そう・・・」は確かに印象
     ありますね。タイトルを平気の平左さんが使っておられたので思わず、笑っ
     てしまいました

 

 

Comments (11)
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