銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

題名のない子守唄♪イレーナのまだ見ぬ子どもへの愛・・・・・。

2007-11-30 | 映画:ミニシアター

 

彼女のたったひとつの願い、それは生き別れになった子どもを見つけることだった。

 

10月26日、京都シネマにて鑑賞。この日は、この作品鑑賞後、「パンズ・ラビリンス」も鑑賞しました。どちらも悲しい映画だった。鑑賞から一ヶ月経ってしまい、少しづつ思い出して記事を書く事に。

 

映画の始め場面は、かなり衝撃だった。裸の女性が仮面をかぶり複数立っていて、どうも品定めをされているようだった。そしてその中でもきわだって美しい金髪の女性が選ばれる。何とその女性は

 

 

監督はイタリアの名匠ジュゼッぺ・トルナトーレ、あの「ニューシネマ・パラダイス」、そしてテム・ロス主演の「海の上のピアニスト」の監督なのだ。どちらの作品も鑑賞した。今も印象深い作品だ。

 

「ニューシネマ・パラダイス」では映画への愛を。「海の上のピアニスト」では音楽への愛を・・・・・。そして今回のテーマは母性愛。オープニングの衝撃からそれに続くサスペンスフルな展開は従来のトルナトーレ監督のイメージとはまったく違う。

 

 

ショッキングなシーンから一転して、寒々とした北イタリアに舞台は移る。この街に地味な服を着た女性が長距離から降り立った。もの悲しい表情に、思いつめた感じだ。たどり着いた場所は、高級レジデンス。このレジデンスの管理人にメイドの仕事はないか?と聞く。「ないね!」とそっけなく答えるも、管理人は見逃さなかった。一見地味な彼女の顔は、良く見ると美しい。急に「レジデンスの掃除ならあるよ」と態度が変わる。(男は美しいものには弱いのだ)名前はイレーナと話す。イタリア人じゃないね?と詮索する管理人。

 

イレーナはレジダンスの向かい側のアパートの部屋を借りて住む。ここからは窓越しに、ある家族の部屋の様子が伺えるのだ。その家族とは、アダケル夫妻と4歳の娘テアの3人。

 

実はこの家に入りこまなければならない理由があった。そのために、ジーナというアダケル家のメイドと親しくなるために近づく 。ある日、ジーナのかばんから、アダルケ家の鍵を盗み出す。そして合鍵をつくることに成功

 

ある家族の留守中、彼女は忍び込む何を探すためなのか?なのか?それとも家族の秘密?そもそも彼女とアダケル家の接点はあるのか?

 

手段のために、ある事故を!!!!

ジーナはレジダンスの階段を踏み外し脳に障害を持つ重症を負ってしまう。助けを求めるイレーナ。だがこの事故は故意のものとは誰も知らない。

こうして、イレーナはアダケル家のメイドになった。イレーナは家事すべて完璧にこなすアダケル夫人の信頼を得ることに。ただひとつ、ままならなかったのは、娘テアとの関係・・・・。テアは事故防衛本能に障害を抱えていた。もし倒れても、手をついて自らを守ることはできない。そのため、テアは消極的な子どもだった。そんなテアは自分とどこか似ているイレーナに、徐々に打ち解けていく。

誰も知らないところで、イレーナの計画は密かに進んでいった。そんなある日、イレーナに無言が~~~聞こえるのは荒い息遣いそのことで彼女が忘れようとしていた記憶が甦る彼女はかって東欧から南イタリアにやって来て娼〇をしていた。何台ものに乗せられ、仕事場に送られる女たち。のしかかる汗臭い男たちの重さ・・・・。もしかしたらはあの男ではないか売〇組織の元締め“黒カビ”と呼ばれる邪悪な男。あの時死んだはず・・・・・

 

このスキンヘッドの男が“黒カビ”

 

イレーナはジーナに償うべく、頻繁に見舞いに通う。そしてあることを・・・・・。それはかってジーナが望んでいたこと。テアのために、テア名義の預金通帳をつくり、プレゼントとしてお金を振り込むということだった。その願いをイレーナは彼女に代わって行う。ジーナへの侘びとして。四肢の不自由なジーナの手を添えて小切手にサインをさせる。

 

イレーナはアダケル夫妻の留守中、テアに防衛本能障害を克服させるため、訓練を行う。ゲーム感覚で、最初は楽しんでいたテアも訓練に耐えられなくなり「やめてひどいわ」と泣き叫ぶ抱きしめるイレーナ、許して・・・・。貴方に強くなって、幸せになって欲しいと。

 

 

クリスマスが近づいた日、イレーナは路地裏で男たちに暴行を受ける瀕死の状態で彼女は管理人に助けを求める。地下室にかくまってもらうことに。傷だらけの体に、腫上がった顔ではアダケル家には行けない。

突然イレーナがいなくなり、テアは動揺「どうして来てくれないの?」とにかけて、訴える。眠れないテアにいつか歌った子守唄を聴かせる。見知らぬ国の子守唄が地下室に響いた

 

傷も癒え、再びアダケル家を訪れるが、夫人は、テアをてなずけたイレーナに嫉妬と疑いの念を抱き始めた。アダケル家の周辺で起こる不審な出来事はすべてイレーナのせいだと・・・・・。ついにイレーナを解雇にする

 

同じ頃、死んだはずの“黒カビ”がイレーナのアパートに現れる「殺せると思ったのか?」と不気味な笑いをみせる“黒カビ”。「「盗んだ金をかえしてもらおう」とイレーナに迫る。その時、アダケル夫人もこの部屋を訪れる。彼女は「一体何が目的なの?」と問いただす。テアの写真が部屋に飾られているのを見たアダケル夫人は「何のつもり娘を誘拐するの!私の娘よ、誰にも渡さない」やはりテアは養女だったのだ

 

翌朝、アダケル家のが港から引き上げられた。中からはアダケル夫人の遺体が““黒カビ”の仕業だ。今度こそイレーナは何とか“黒カビ”から決別しなければと思った。金の在処は郊外に埋めてあると、“黒カビ”を呼び出したイレーナはもみ合ううちに、遂に殺害した。しかし黒カビはちゃんと死ぬ前にイレーナに罠をかけていた。イレーナがアダケル夫人を殺したという証拠を示唆していた。

 

イレーナは逮捕・・・・。尋問の最中、彼女は語り始める。アダケル家に近づいた理由や忌わしい過去について。

 

題名のない子守唄 公式サイト

 

母の愛は、いつどんなときも 強く、ゆるぎのないものなのです。

ジュゼッぺ・トルナーレ 2007年5月29日 ローマにて

 

※引き裂かれた子どもへの思いを胸に、イタリアへ・・・・。でもその一途な思いを邪魔する忌わしい過去からの魔の手によって、掻き乱されるのだ。イレーナのテアへの思いはどうなるのか?悲しい母の思いが伝わる涙なくしては、観れない。

 

 

 

 

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坂爪厚生銅版画展☆平安画廊

2007-11-30 | 銅版画関連

メゾチント作品で有名な坂爪厚生さんの展覧会が今京都寺町の平安画廊にて開催されています。初日の夕方早速鑑賞して来ました。あつかましくも、自分のハンドルネームをこの技法から拝借しているのが、何か申し訳ない気がします。それほど、見事な作品の数々で・・・・・。驚きと感動ばかりでした。作品によっては、かなり白い部分の多い作品もあるので、どのようにされているのか?気になっているところ、ご本人が会場に来られ、直接話を聞くことができました。

もちろんすべてベルソーで版を黒くされているわけですが、一端黒くしたところを耐水ペーパーで磨き、白くされるそうです。なるほど!白の部分もまったくベルソーで黒くしなかったら、ただの白い部分のみで、黒い部分と別物になるからというのは納得です。耐水ペーパーでつぶしたところは微妙な白さが残り、なんともいえない風合いがあるのだと・・・・。

作品にかかる日数は?と質問すると、ひとつの作品に三ヶ月くらいかけて製作されるということでした。素地つくりに使われるベルソーは手で直接せず、深沢幸雄さん考案の機械を参考に独自の機械を作られて、それで素地を作られるようです。どの作品もかなり大きいものなので、大変な作業のようです。

さてこの作品に使われるベルソーは数万円、今使用されているものは、アメリカ製のEDWARD LYONSのものらしいです。直接購入すれば、日本の代理店を通すより、半額(送料こみ)で買えるらしいので、そういうかたちをとられているようでした。

色々お聞きできて、参考になりました。でもここまでの大作を作られる凄さは、やはりご本人の才能と技術力。刺激と落ち込みの二つを感じ、帰ってきました。

 

坂爪厚生さん シロタ画廊での作品展2002年

 

会期2007年11月27日(火)~12月9日(日)12:00~20:00(最終日19:00迄)

 

 

 

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