銅版画制作の日々

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ノーカントリー: NO COUNTRY FOR OLD MEN

2008-03-19 | 映画:シネコン

  

第80回アカデミー賞 4部門受賞作品 「ノーカントリー」

 

今までに観たことがない殺人鬼、ハンニバル・レクター以上に凄い男をハビエル・バルデムが演じています。そしてこの役で彼は見事、最優秀助演男優賞をゲットしたわけです。

 

3月18日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。アカデミー賞受賞したこともあって、公開前から、気になっていた作品です。そしてあのコーエン兄弟が監督・脚本しているということもあって、非常に興味がありました。

溜りに溜まった鑑賞作品の記事も後回しにして、この「ノーカントリー」のレビュー・感想などをつらつらと書きたいと思います。

追っ手の男、アントン・シガー(ハビエル・バルデム)は冒頭から凄い殺しをやっちゃいますここでわぉ~~

 

 警官に逮捕されるのですが、いきなり背後から手錠した手で、警官の首を、ぐいぐいと締めつけて殺すのです。いやぁいきなりこのシーンはびっくりもんですあれよあれよという感じなので。緊張感と怖さはあるものの、じっくり見据えてしまいましたね。息思わず息を呑みます。

 

 モス(ジョシュ・ブローリン)

「プラネット・テラーinグラインドハウス」では医師ブロックを演じる。また「アメリカン・ギャングスター」にも出演、悪な警官を演じていた。1968年、米カリフルニア生まれ

 

1980年代のアメリカのテキサス、メキシコ国境に近い砂漠に、複数のが放置されている。ルヴェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)は狩りをしていたところ、見つけたものは、何と車の周りには多くの死体、そしての荷台にはヘロインが大量に載せられ、数メートル先の木の下には死体との中には何と200万ドルという大金も残されていた。お金を見つけたモスは目がくらんでしまい、つい奪ってしまうそしてこれがモスの人生を大きく変えてしまうことになるのだ。追っ手は彼の置き去りしたの検査証プレートが見つけ持っていってしまい、モスの身元はばればれ状態。身の危険を感じたモスは愛する妻カーラ・ジーン(ケリー・マクドナルド)を実家に戻し、自分は金の入ったとともに逃亡の旅に出る。

 

アントン・シガー(ハビエル・バルデム)1969年、スペイン生まれ。女優の母、監督のファン・アントニオ・バルデムを叔父に持つ。2001年「夜になるまえに」でキューバ人の詩人レナルド・アレナスを演じてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

 

警官を殺害したアントン・シガーはで逃走するが、途中車を見つけると、停止させて、静かな口調でしかも低い声で「降りてください」と話しかける。相手の質問には答えず、ただその言葉を繰り返す。そして・・・・。何が起こるか?わかるのだが、この緊迫した瞬間がなんともいえない一種の恐ろしさを観ている者に与える。彼はガスボンベのようなエアガンで一瞬にして殺害する。

今までにはない殺人鬼のタイプだ。彼は消えた金を取り戻すため雇われた殺し屋だが、心があるのか?ないのか?選択するときは、コインの裏・表で殺しを決めることもある。さてシガーは途中で盗んだ車で、現場へと向かう。そして現場でモスのことや、状況を確認すると、案内役の麻薬密売人をも始末。消えた金には発信機が取り付けられている。その受信装置を手がかりに、モスの行方を追い始めるのだ

 

エド・トム・ベル保安官(トミー・リー・ジョーンズ)

1946年、テキサス、サン・サバ生まれ。父親と油田で働いた後、ハーバード大学で英語の学位を取得して優等で卒業。以後本格的に演劇活動に打ち込む。1970年の「ある愛の詩」で映画デビュー。「逃亡者」でアカデミー賞助演男優賞をゲット!2005年「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」では監督・主演をつとめた。私はこの作品、大好きです。

 

翌朝、エド・トム・ベル保安官と部下のウェンデル(ギャレット・ディラハント)が現場検証にやって来た。検証プレートの外されたモスのと無残に横たわる死体の山を見たベル保安官は、モスが事件に巻き込まれたのではないか?と考える。と同時にモスの命も危ないと思った。何とかモスの身柄を保護するため、また殺し屋を捕らえるために彼らの行方を追う。

 

逃亡の始まり

 

モスは別の町のモーテルにチェック・インし、金を隠して用心を重ねていた。しかしシガーはすぐに居場所をかぎつけやってきた。慌ててモスは別のホテルへと隠れ場所を移動しかしまたしても、居場所をつきとめられる。一体何故なのかそこでようやくの中に発信機が仕掛けられていることに気づく

 

このドアの向こうには、あのシガーがいるはず・・・・・。

 

しかし時すでに遅し。シガーはもう目の前までやってきていたのだシガーはあのボンベのエアガンでモスの隠れる部屋の錠のシリンダーを打ち抜いたシリンダーはモスの腹に命中し、モスの腹から血があふれだす。激痛に耐えながらも金を持って、部屋から脱出したモスはシガーと銃撃戦の末かろうじてその場を切り抜けるモスは金の入ったを国境にかかる橋の上から河川敷に投げ捨て、メキシコへと逃げ込む。モスが次に目を開けたのは病院のベッドだった。そこには、カーソン・ヴェルズ(ヴッディ・ハレルソン)と名乗る別の殺し屋が座っていた。

 

ウェルズは「素直に金を返せば命は助けてやる」とモスに取引を申し出る。

 

いよいよ運命のクライマックス 

モスは病院からウェルズにをかける。しかしそのにでたのはシガーだった。「おれに会いに来い。金を渡せば、女房は見逃してやる。でないとふたりとも死ぬことになる。これが最後の取引だ」 妻をという弱みを握られたモスは「分かった」と答えるしかなかった。しかしベトナム戦争を体験して生還したモスは金を奪い、殺し屋から逃れる自信があった

 

一方のシガーは金は自ずと自分の手元に戻ってくる運命にあり、自分から逃れられる者はいないという自信があった。

 

 

そのころ、ベル保安官は実家に戻ったカーラの元を訪れていた。モスの置かれている危険な状況を話し、彼の居場所が分かり次第、連絡するようにと説明する。おさまらない胸騒ぎを抱えながら、町を離れると、まもなく彼女から一本のが入る。居場所がわかったとのこと。すぐさまモスの元へを走らせる。冷静な目を持つ法の男ベル保安官は昔ながらの秩序と正義が悪に勝つという自信があった。

はたしてモスを救うことはできるのか?モスは逃げ切れるのか?そしてシガーはモスを射止めることができるのか?それぞれの思惑と自信が絡み合いながら、男たちは意外なクライマックスを迎えることになる。

 

やはり結末は・・・・・。時遅しって感じでした。でもここで終わりません。もう少し続きます。(少々ネタばれかな。)ベル保安官もやばいのでは?とハラハラする場面もありましたが、シガーは何故か?彼を殺そうとしなかった。ベルには手を出さないのは一体何でなのでしょうか?

 

お話の半ばで、シガーはモスに足を銃で撃たれます。かなりひどい負傷場面でした。しかし彼は独自に治療をするのです。医療品も手元にない彼は、薬局で盗むんだけど、何と店の前に駐車されていたを爆破させ、人の気を逸らした隙にやっちゃうんです。はじめは何をしようとしているのか?と思いきや・・・・。きました。傷で歩けないはずのシガーは常に冷静かつしゅうとうにこのようなことをやってのける。この凄い精神力はどこから?まさに超人的な人間なんですね。

 

今までのホラームービーに出て来る殺人鬼とは違います。何がどう違うのか?言葉での表現は難しいですが、生きている人間なんだけど、心のないロボットのような感じとでもいいましょうか。冒頭の警官殺害シーンでの表情は狂気的な表情で、うわ~~と震えがくるものを感じましたね。こいつは人間なの?って・・・・。

 

追記:何かあのおかっぱ頭のハビエル・バルデムの印象がかなり強く、いまだにあの声と無差別に人を殺害するシーンが、脳裏から離れません。ジョシュ・ブローリンもかなり癖のある役者さんですが、それ以上にこのおかっぱ頭のシガー役のバルデムのインパクトがありすぎて・・・・。トミー・リー・ジョーンズ演じる保安官が、いい人なので、ちょっとホッとする気分にさせてくれたのが、救いですね。ヴッディ・ハレルソン、出番は少なかったけど、この人も味のある役者さんでですね。

 

ノーカントリー 公式サイト

 

 

 

Comments (4)
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