友情、母性、恋愛、そして希望・・・・・・
人生という名のパイはいろんなピースでできている
隠し味や秘密のスパイスが個性を引き出す
ひとつだって同じものはない
ジェンナの甘くてちょっぴりほろ苦い物語を召し上がれ
3月1日、京都みなみ会館にて鑑賞。ちょっと気になっていた映画「ウェイトレス」。上映期間も短かかったので、急いで行って来ました。実は気になっていた理由はこの作品の監督・脚本を手がけたのは若干40歳の女性だったこと、そして残念ながら、06年に亡くなられたということです。女優としても、登場しているのも必見ですね。
キャストはほとんど知らない顔ぶれ。だけど、皆さんそれぞれキャリアは長いようですが。
さてさて、どんなお話か?
主人公はジェンナ(ケリー・ラッセル)という可愛い女性、田舎町の小さなダイナーで働くウェイトレス。素敵な出会いに心ときめかせたり辛い現実に心が乱れたときに自分の気持ちを込めたオリジナル・レシピでパイを焼く。ジェンナのパイには、不思議な力が宿っている口に入れた瞬間、誰もがおいしさに魅了され、優しく心温かくなるのだ
パイ作りにかけては、天才のジェンナだが、人生は失敗続き嫉妬深い夫アール(ジェレミー・シスト)に夢も、お金も、自由も取り上げられている。(何か暑苦しくて、しつこい男なんですよね)こんな男に束縛されているジェンナがお気の毒密やかに家出を計画立てていたんだけど・・・・・。不運なことに、赤ちゃんがお腹にいることがわかって。計画は上手くいかなくなる落ち込むジェンナの前に現れたのは産婦人科の医師ポマター先生(ネイサン・フィリオン)。ジェンナのお手製のパイがふたりの心が急接近アールにばれたらえらいことだ望まない妊娠との葛藤、現実逃避への不倫(ポマター先生との逢瀬)で一時的には安らぐものの、彼女の心には不安がよぎる。そしてこれから生まれてくる子どもの良い母になれるか?という自信もなければ、資格もないと思う日々。
一芸に秀でるものは全てに秀でているはずなのに、人生がうまくいかないパイ作り名人のウェイトレス。予定外の妊娠や産婦人科医との不倫などなど、迷走する人生を夫のせいにしているヒロインは、まさに優柔不断。だが、平面的な構図や脱力系のトーンや会話はそんな彼女の悩みを描くのにピッタリ。しかも、そうして描かれるユルい笑いのなかに、決して勝ち組とはいえない人生をそれなりに謳歌している人々の強さが浮かびあがる。 とはいえ、そこは自身も母親である女性監督シェリー。ほんの少しの勇気を出せずに生きてきたヒロインの背中を後押しするのが“母性”というのはストレートすぎる気もするが、同時にこの作品はものすごいお伽話でもあったりするわけで。結局、女にはリアルな強さもファンタジーも必要だという真実がそのへんにチラリ? ヒロインのオリジナルパイも、女心をくすぐる代物。次々と映しだされるパイを見ながら、パイ生地はもう少し艶があったほうが美味しそうなのになどと考えながらも、帰りはどこでお茶するかを考えずにいられないのも事実。でも、この作品のいちばんの魅力は、ヒロインを温かく見守るダイナーの老オーナージョー(アンディ・グリフィス)。充実した人生には、粋な先輩が必要なのよね。(杉谷伸子)(eiga.com)
オーナー、ジョーとの掛け合いも絶妙彼は辛口だけど、彼女の素晴らしさを知っていた。ただのウェイトレスじゃない。そして自分の良さに気づいていない。正しい選択をするべきだってね。
そして生命誕生は、ジェンナの人生をおおきく変える!それが“母性”なんだよね。母は強しってよくいったものだ。そうなると地に足をつけて大きく立ち向かえるのだ。不倫相手との逢瀬も、嫌いな夫との生活もくそくらえてなもんです。はい
※ところでジェンナの赤ちゃん役のおこちゃまは実は、エイドリアンの実娘です。
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解説: サンダンス映画祭など各国の映画祭で大絶賛され、アメリカで公開されるやいなや予想を上回る大ヒットを記録したハートフル・ストーリー。田舎のダイナーで働くウェイトレスが、突然の妊娠をきっかけに自分自身に目覚めていく姿を描く。監督は2006年に他界した女性監督エイドリアン・シェリー。ヒロインのウェイトレスを「フェリシティの青春」のケリー・ラッセルが演じる。ほろ苦くもおかしい独特の語り口と、登場するおいしそうなパイの数々がポイント。(シネマトゥデイ)
というアメリカで話題の映画だそうです。エイドリアン・シェリー監督、最期の作品になってしまい、非常に残念ですが。