銅版画制作の日々

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デザート・フラワー(2009)

2011-03-26 | 映画:ミニシアター


宿命のうえに咲き誇る
──彼女は今を生きるシンデレラ

京都シネマにて鑑賞。シンデレラですか、、、。いやあこれは衝撃的な内容でした。というのか自分があまりにも無知なので情けなかったです。こんな慣習があるということを、まったく知りませんでした。

凄いですね。恐ろしいです。同じ女性として、何か憤りを感じました。そんな酷いことをやっているなんて、、、。もうもうたまりません!

割礼という言葉も初めて知りました。

さて割礼とは宗教上の理由で男子の性器の包皮の一部を切除することらしいです。

女性性器切除は主にアフリカ中心に行われているようで、これは女性虐○だと批判されているらしいです。まさにその通りですよね(怒)

目的を読むとまたびっくりです。ワリスがこの風習を撲滅させようとしていますが、現在もアフリカの28の国で実施されているそうですから、完全に無くなることは難しい現状ですね。

映画の話に戻らないといけません。

ソマリアから逃げ出したワリスの生い立ちは最初はまったく分からず、、、、。いきなり路上生活者となったワリスの姿が映し出されます。何故?彼女がこんな運命を辿ったのか?
そんな出だしなので、一体どういう経過でこんな状況になったのかなと思って見ていたら、ようやく過去の彼女の生い立ちにきり変わるんですね。

 幼いころのワリス。
ワリスはソマリアの遊牧民の娘だった。13歳のとき、お金と引き換えに60歳の男性の4番目の嫁にさせられかける。そのため、家族の元から逃げることに。広大な砂漠を歩いて首都まで辿り着く。

裸足ですよ!いやあこれって厳しいよ。でも勝手に決められた人生を歩みたくない。そんな気持ちで一心に歩き続けたのだろうね。

 

それにしても人間の底力って凄いね。 こんな果しない砂漠を一人で何日もかけて歩き続ける。ようやく車の通る道路に出た。ヒッチハイクでトラックに。。。。安堵したと思ったら、彼女を襲うおっさん。そばにあった石で殴ってしまった、、、、。間一髪で回避。
危うい中、ようやく祖母の家に着いた。

しばらくして、ソマリア大使である叔父がイギリスに駐在することを知ったワリスは、メイドとして憧れのロンドンへと旅立つことになる。
ロンドンでの生活する時間はあっという間に過ぎて行き、、、。任期を終えた叔父とともにソマリアに帰国する日を迎えるが。しかしワリスは故郷に戻ることを拒み、大使館を抜け出して、たった一人、大都会ロンドンで孤独な路上生活を始めることになる。

こういう下りです。そんなとき、あのアパレルショップで店員のマリリンと出会うんだ。

 マリリンには、サリ―・ホ―キンス
初めは困っていたマリリンだったけど、、、、。彼女はワリスを自分の下宿に泊めてくれる。仕事先も紹介してくれ、バーガ―ショップで働くことになる。

運命的な出会い。

バーガ―ショップの常連客で、一流ファッションカメラマンのドナルドソンが現れる。彼からモデルにスカウトされ、やがてワリスはその美しさと魅力で瞬く間にトップモデルへと劇的な転身を遂げる。

 とてもスレンダーなワリス
モデルとしてのウォークをマリリンから教わる。

 カメラマン、ドナルドソンにはティモシー・スポール
写真の撮影に圧倒されるワリス。何もかもが目新しい世界だ。

いよいよ海外デビューとなる!ところがワリスの身にトラブルが舞い込む。パスポートの有効期限が切れていたため違法滞在者として拘束されてしまった。

周囲の人々に助けられ、無事に釈放されたが、この先無制限滞在許可を得る必要があった。そこで以前からワリスに気持ちを寄せていた下宿人のニ―ルが彼女の事情を理解した上での偽装結婚を提案。ワリスはその提案を受け入れる。

やがて無制限滞在許可が認められ、NYに渡る。名実ともに世界的トップモデルになったワリスだったが、華やかな外見とはうらはらにその胸中にはさらなる衝撃の過去が秘められていた。

衝撃的な過去。話は前後するが・・・・。このシーン


マリリンに告白したワリス。慣習は自分の生まれた国で行われているという現実を知り、茫然となる。

ワリスはセッ○スに興じるマリリンに「女のたしなみ」を説き、お互いに下着をおろして見せ合うシーンはとても印象的だった。

 単なるサクセスストーリーではなかった。歴史は文化の違いはあるにしても、こんな凄い風習がまかり通るということに改めて知る事が出来ました。アフリカは少年兵士も多いですね。大人になり切れていない幼い子どもが銃や武器を持って戦っているなんてその現実にももっと直視しなければいけないでしょう。再度書きますが、、、。この如何わしい風習にもメスを入れないと。

人間が人間らしく生きなければいけない!

Female Genital Mutilation ←是非読んで下さい。

メディア 映画
上映時間 127分
製作国 ドイツ/オーストリア/フランス
公開情報 劇場公開(エスパース・サロウ=ショウゲート)
初公開年月 2010/12/25
ジャンル ドラマ
映倫 PG12

解説(allcinemaより拝借)

 世界的トップモデル、ワリス・ディリーのベストセラー自伝本『砂漠の女ディリー』を映画化した衝撃と感動のドラマ。ソマリアの遊牧民家庭に生まれたワリスが世界的トップモデルになるまでの華麗なサクセス・ストーリーに秘められた波瀾の道のりと、彼女の勇気ある告白で世界の人々に知られるようになったアフリカに今なお残る過酷な現実を描き出していく。主演は自身も世界的トップモデルのリヤ・ケベデ。共演にサリー・ホーキンス、ティモシー・スポール。監督はこれが日本初公開作となる女性監督のシェリー・ホーマン。

 

 

 

右が実際のワリス・デイリー、左はワリスを演じたリヤ・ケべデ

オフィシャル・サイト
http://www.espace-sarou.co.jp/desert/

 

 

 

 

 

Comments (4)
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