銅版画制作の日々

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私が、生きる肌(2011)*LA PIEL QUE HABITO

2012-06-08 | 映画:シネコン

 あなたは、これを愛と呼べるか――

好き度:+5点=85点

ノルウェーまだ~むさんのお薦めで、鑑賞して来ました。5日東宝シネマズディということでこの日は1300円。

久しぶりに凄い映画を観た!って感じです。ところがその後が、良くなかった(>_<)ちょっと調子が悪いなあと思ったら風邪

「トーク・トゥ・ハー」「ボルベール <帰郷>」の鬼才ペドロ・アルモドバル監督が、ティエリ・ジョンケの原作を大胆にアレンジして描く愛と狂気の官能ミステリー。う~んこれは最初から面白そう(笑)

一体この美女は誰なのか?何故に監禁されているのか?ワケがわからない場面から始まりますが。次第にどういうことなのかがちょっとづつ解明されていきます。

人工皮膚の開発を進める整形外科医・ロベルは、自宅にベラという美女を監禁して彼女の肌に手を加えているらしい。ある日、訪問してきた初老のメイド、マリリアの息子セカにベラはレイプされるが、ロベルはセカを射殺する。


マリリアの息子セカはトラのコスチューム。何だかこの人が登場しただけでこれから何かが起こるのでは?という感じだったんだけど。

意外にもあっけなく殺されてしまうんだよね。

べラは何度か隙を見てこの場所から逃げようとするんだけど、ロベルの力に押さえられて逃げることが出来ない。そもそも何故に捉えられているのか?単に皮膚の実験だけではなさそうな気もしたり。そのあたりは過去にさかのぼる場面で少しづつその理由も。

一見紳士的なロベル。学会での発表シーンを見ている分には分からないけど、一旦自宅戻るとその行動はちょいとヤバそうな。


一体何故こんな人工皮膚を開発する目的があるのか?

謎だらけでとても興味深いところがこの作品の見どころかな。さて物語は過去へとさかのぼり、私たちは衝撃の事実を知ることに。

ここからネタばれしています。

その事実とは、ロベルには、交通事故で大やけどを負った妻を助けてやれず自●に追いやった上に、一人娘までレイプされ自ら命を絶った過去があった。娘への思い、妻への思いはやがて彼にとんでもない行動を起こさせることになる。

娘に手をかけた男への異常までの執念はやがて復讐と化するのだが、その復讐は半端じゃあない。これを復讐というべきなのかどうか?殺すという行為なら、まだましかもしれない。まさにべラじゃないけど生き地獄といった方がいいのかもしれない。

手をかけた男はビセンテという青年だった。ビセンテはバイクに乗って出かけた。その後をつけて来たのがロベルである。彼のバイクを車で倒し、拉致する。そこからが凄まじい。鎖に繋がれたビセンテを軟禁状態とするのだ。

そしてここからがとんでもないことになる。彼もついにロベルの実験の対象となるのである。まさかここまでするか!とびっくり。

これ酷いわ!と声をあげたくなる。確かに娘に手をかけたビセンテはいけないかもしれないけど。拉致してこここまでの仕打ちをするべきなのかと疑問を持つ。

つまり彼は全身性転換手術を受けることになる・・・・・。女性となるのだ。ここまで言えばその女性化したのは誰なのかが分かると思う。

 
そうべラこそ、ビセンテの生まれ変わりなんですね。そっくり亡き妻と同じように整形されてしまったのです。

これで謎は解けました。しかし整形した後のべラを亡き妻同様に愛してしまうというのがどうも納得がいかない。あくまでも元は男性です。どうしてそんな気持ちになるのでしょうか?


軟禁され、彼の愛情を受けなければならないべラ。憎しみや怒りによって人間を全てそっくり変えてしまうなんてあまりにも残酷な話です。

異常までの行動にただ衝撃でした。人の人生をどう思っているのか?いくらその相手に憎悪があったにしろ、こんな無茶苦茶なことをするロベルの心理はまさに異常としか言いようがありません。

あらすじ(allcinemaより)

トレドの大邸宅に暮らすロベル・レガルは、最先端のバイオ・テクノロジーを駆使した人工皮膚開発の権威としても知られている世界的な形成外科医。そんな彼の屋敷の一室には、初老のメイド、マリリアの監視の下、特殊なボディ・ストッキングをまとった美女ベラが幽閉されていた。彼女はロベルの妻ガルに瓜二つだった。しかし、実際のガルは12年前に交通事故で全身に火傷を負い、非業の死を遂げていた。以来、失意のロベルは愛する妻を救えたであろう“完璧な肌”を創り出すことに執念を燃やしていく。そして6年前、ある忌まわしき事件が、ついにロベルを狂気の行動へと駆り立ててしまうのだった。

ラストについては語りませんが、まあこんなことをしたらこうなるんだろうねとしみじみ思いました。今年観た中での衝撃の1本でした。


マリリア役には、「オール・アバウト・マイ・マザー」のマリサ・パレデス。

解説(goo映画より)

「ボルベール 帰郷」などで知られるスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督が「レジェンド・オブ・ゾロ」のアントニオ・バンデラス、「この愛のために撃て」のエレナ・アナヤ主演で贈る、愛を巡る問題作。亡き妻への愛情から“完璧な肌”の創造を企む天才外科医と、彼に幽閉された女性を中心に、謎めいたドラマが展開する。

メディア 映画
上映時間 120分
製作国 スペイン
公開情報 劇場公開(ブロードメディア・スタジオ)
初公開年月 2012/05/26
ジャンル ドラマ/ミステリー/サスペンス
映倫

R15+

 
ボディスーツがなめかしいです。                緑のジャケットの人が監督さん

オフィシャル・サイト
http://www.theskinilivein-movie.jp/
 
 
 
 
 
 

 

Comments (9)
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