その手を誰も忘れなかった。
※深刻な話なのでこれを好きかどうかで判断するのはどうか?と思い今回は好き度という評価はしないことにしました。
“児童移民” 初めて聞いた言葉。
この作品を観るまで知らなかった。しかも実話ということで驚き!それも国あげての事業だというのだからえぇ~うそでしょう?そしてそんなことが最近まで行われていたなんて、、、、。
イギリスの名匠ケン・ローチの息子ジム・ローチが初長編映画デビューとなった作品。原作はマーガレット・ハンフリーズの『からのゆりかご 大英帝国の迷い子たち』を映画化。
この移民事業は何と19世紀から1970年まで続いたそうです。しかも幼い子どもの年齢は3歳だそうで、、、、、。
その恐るべき実態は、延べ13万人もの子供が強制移民させられ、カトリックの施設などで過酷な労働を強いられ、レイプまでされていた実態なんです。バックボーンは慈善団体や教会だそうです。そんな組織が裏でそんな卑劣なことをやっていたとはね。本当にショックとしか言いようありません。
ジム・ロ―チ監督と本物のマーガレット・ハンフリーズさんです。
マーガレットさん直撃インタビューの詳細はこちらから→ココ 映画化の経緯なども触れています。
さてあらすじ(goo映画より)
イギリス、ノッティンガム。1986年。ソーシャルワーカーのマーガレット・ハンフリーズ(エミリー・ワトソン)は、ある夜、見も知らぬ女性シャーロットから「自分が誰なのかを知りたい」と訴えられる。シャーロットはノッティンガムの児童養護施設にいた4歳の時に、数百人の子どもたちと一緒に船に乗せられ、オーストラリアに送られたという。最初はその話を信じられなかったマーガレットだが、さらに別の女性ニッキーからも興味深い話を聞く。数年前届いた“多分、僕はあなたの弟です”と伝える手紙。彼女の弟ジャック(ヒューゴ・ウィーヴィング)も、シャーロットと同じようにオーストラリアへ連れて行かれ、姉の居所をようやく探し出して手紙を送ってきたのだ。それをきっかけにマーガレットは調査を開始。すると、死んだと聞かされていたシャーロットの母がまだ生きている事実を発見。しかも、シャーロットの母は、娘はイギリスの養父母にもらわれたと信じていて、オーストラリアに送られたことなどまったく知らなかった。ジャックに会いにオーストラリアへ向かったマーガレットは、そこにジャックやシャーロットと同じ境遇の人たちが大勢いることを知る。彼らはオーストラリアに到着すると、過酷な環境で働かされたり、虐待されたり、苦しい人生を歩んでいて、自分が誰なのか、母親がまだ生きているのかを知りたがった。マーガレットは、イギリスとオーストラリアを往復し、彼らの家族を捜し出す活動を始める。オーストラリア。マーガレットのもとには、沢山の人が相談に訪れ、長蛇の列ができた。最初の相談者に付き添って来た男性レン(デイヴィッド・ウェンハム)は、「あんたに何ができる」とマーガレットに突っかかるが、実は彼も児童移民で心の底では母親を見つけたがっていた。やがて、マーガレットの活動はマスコミの注目を集めはじめ、イギリスが子供たちを植民地に送った<児童移民>が、政府の政策によって行われていた事も明らかになる。そして彼女の調査は、しだいに政府レベルの大きな組織をも揺らし始めていった……。
エミリー・ワトソンがマーガレット役を演じ。事の真相解明をして行く。
観客の私たちはその真実を彼女とともに知って行く事に、、、、。
喜怒哀楽は抑え気味の演技でなかなか素晴らしいエミリー・ワトソン。一生懸命にこの問題に正面からぶつかっていく姿にも感動。時としてナーバスになる事も。知りうることによって彼女を襲う恐怖も。そのおかげでPTSD状態に。
しかし彼女はそんなことに負けず、、、、。恐怖を相手にさらに調査を進める。
ヒューゴ・ウィーヴィングも登場。
解説(goo映画より)
英国最大のスキャンダルともいわれる“児童移民”の事実を明らかにしたイギリスのソーシャルワーカー、マーガレット・ハンフリーズの物語。監督は、ケン・ローチ監督を父に持ち、本作が長編映画デビューとなるジム・ローチ。出演は「脳内ニューヨーク」のエミリー・ワトソン、「パブリック・エネミーズ」のデイヴィッド・ウェンハム、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」のヒューゴ・ウィーヴィング。
メディア | 映画 |
上映時間 | 106分 |
製作国 | イギリス |
公開情報 | 劇場公開(ムヴィオラ) |
初公開年月 | 2012/04/14 |
ジャンル |
ドラマ |
http://oranges-movie.com/
児童移民とは、養護施設の子供たちを長い間イギリス連邦の旧植民地に移住させた事業。作中におけるオーストラリアでは収容施設での重労働、暴力、性的虐待がはびこったが、教会により長く隠されてきた。児童移民の数は13万人を上回ると推計され、2009年11月にオーストラリア首相が、2010年2月にイギリス首相が事実を認め、正式に謝罪をしている。
マーガレット・ハンフリーズさんは原作の印税をもとに基金を設立し、現在も児童移民だった人々の家族を探す活動を続けている。