銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

カポーティ:CAPOTE

2006-10-12 | 映画:ミニシアター


京都シネマにて鑑賞。オードリー・へップバン主演の映画「ティファニーで朝食を」で有名な人気作家、トールマン・カポーティが、ある死刑囚と出会い、現代文学最高の傑作「冷血」を書いたこの映画「カポーティ」はその執筆する経過や体験などの苦悩を綴った物語である。そしてこの「冷血」以降、彼は一冊の本も完成さす事はなかった執筆中にカポーティが見たものは、いったいなんだったのか・・・・その体験が与えたものとは?と同時に奪ったものは?

お話1959年、カポーティは新聞の小さな記事に目を止めるカンザス州の田舎町で一家4人が惨殺されるという悲惨な事件興味を抱いたカポーティは、文学の新たな新境地を切り開くという野望のために、取材に向かう。保安官や発見者を訪ねたり・・・。遺体や現場も見てまわる。ついにこの事件の犯人2人も逮捕となり、何と接見するのだとりわけ、犯人の一人ペリー・スミスとの出会いは彼の創作意欲を刺激し・・・・壮大なノンフィクション作品へと繋がろうとしていた彼の中で、作品タイトル「冷血」にと構想も出来ていた裁判は進み、やがて彼らに「死刑」という判決が下される取材を重ねていくうちに、ペリーが、自分と同じ孤独で、傷つきやすい心を持っていること感じるお互いに社会的な存在は関係なく、心通わせたように見えたが・・・・この小説のクライマックスとなる、「殺人の動機」については、ペリーは語ろうとしないその上死刑確定なのに、執行の延期という思わぬ方向にその事では、小説の完成に繋がらないペリーの死を恐れると同時に、死刑執行を切望するカポーティの揺れ動く心

この結末はどうなるのかトールマン・カポーティを演じるのは、フィリップ・シーモア・ホフマン、今回の作品は彼自身が制作総指揮をとっている自身のプロダクションを設立した記念すべき第一作目だそうだ。最近作では「MiⅢ」でトム・クルーズと共演している。

さて、フィリップ・シーモア・ホフマン演じるカポーティの話術が何といっても面白い社交界の頂点に立っていた彼は、さまざまなパーティの席で話をして皆を大いに楽しませていた実際のカポーティがそうなのだ。誰もが「甲高い声」と語っている。そしていつも人とのキャッチボール的な会話ではない。もっぱら自分の話をする。そして自慢話なのだ不幸な事・失敗した事・幸せな事・成功した事、すべて自慢する。独特なしゃべり口調で、たえまなかったその裏には隠れた意図があるのかも?と・・・。不思議だったようだ。そんなカポーティの独特なジェスチャーやクセを徹底的に研究したホフマンは凄い俳優さんだ

※いまだに、あの高い声、喋り方が耳に焼き付いている

 

 

 公式サイト カポーティ

 

 

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太陽:the sun 悲劇に傷ついた、ひとりの人間

2006-10-09 | 映画:ミニシアター

京都シネマにて、鑑賞アレクサンドル・ソクーロフ監督、ロシア・イタリア・フランス・スイス合作作品、2005年、115分、カラー、何でも世界12ヶ国で絶賛されながらも、日本での公開は不可能ではないかと言われていた映画だそうだ。という話題性も高いのか、満席で立ち見も出る人気そんな事も気になり、連休の最中観に行った。

お話1945年8月、闇はまだ明けなかった。その時、彼は庭師のような質素な身なりをしていた。その人の名は昭和天皇ヒロヒトである。宮殿は戦火よって焼け落ち、待避壕か唯一被災から逃れた石造りの生物研究所で暮らしていた。彼を侍従たちは、神の子孫として崇めるも、「私は皆と変わりない体だ!」と話す。戦況は益々緊迫状態だが、彼には戦争を止める力はなかったその苦悩が悪夢となり・・・・のなかで、彼を苦しめる東京は焼け野原状態、失われる命このことで、彼は「私は誰からも愛されない」と呟く。そして、遠く疎開している皇后や皇太子たちののアルバムに唇をを寄せたやがて、アメリカ連合国占領総司令官 マッカーサーとの会見がの日が訪れる

イッセー尾形が昭和天皇の特徴を上手く掴んで、演技に臨んでいる。特にマッカーサーとのやりとりの中には緊張感が漂う。通訳する副官を挟んで国の違いのギャップなども絡み、司令官の苛立ちも敗戦国だという意識で腹を括る天皇ヒロヒトの姿は何ともいえない。そして天皇はこんな事を、司令官に伝える。皇太子に手紙を書きました。内容は「戦争に敗れた国は傲慢だったからです。戦争と平和の件に関して、怒りは良き助言者ではありません。傲慢は不適切です」その後彼は、日本語で話だす。軍隊を進撃させたことへの誤算、財政に対する無知さなどを・・・・。次第に司令官は天皇に対して少し気持ちが和らいだような感じが子供のようなところがあると、副官に話す。

アメリカのメディアが、天皇の写真撮影にやってくる場面がまた印象的であった。国家の象徴である彼の姿に「チャーリー!」と呼ぶ。実は象徴の前に一人の人間だということなのだろう。これは天皇自身も肯定しているし・・・・。彼にとっても良かったことなのではないだろうか。


場面展開もかなりゆっくりなため、ちょっと状態になる事もありましたが・・・・。戦後生まれの私にとって、戦争のある側面を知る一つのきっかけになったのかもしれません。果たして昭和天皇の行動や思いはこの映画と重なっていたのか事実は分かりませんが。

     公式サイト 太陽 the sun

  追記:イッセー尾形が演じる、天皇ヒロヒトの返事「あっ、そう・・・」は確かに印象
     ありますね。タイトルを平気の平左さんが使っておられたので思わず、笑っ
     てしまいました

 

 

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月桂冠大倉記念館と十石舟へ・・・・・。

2006-10-08 | お出かけ

京都・伏見といえば、やはり日本酒昔ながらの酒蔵もたくさんあります。その中でも有名なのが、「月桂冠」木曜日に外出支援で、見学に行ってきました。写真は月桂冠大倉記念館の中庭・・・・。記念撮影をパチリ携帯での撮影なので、あまり上手く撮れませんでしたが記念館の中は酒作りの工程や創業当時の様子等が展示されています。販売はもちろん試飲もさせてくれます。入館料は300円で、お酒のお土産付

記念館を出たところで、テレビの撮影をされていました。NHKのようでしたレポーターの方が何度も歩きなおしておられました。

記念館を出た後、十石舟に乗ることに・・・・。大倉記念館裏より三栖閘門資料館まで往復45分の乗船です。名古屋からの団体さんと一緒になりましたYさんのことを皆さんが可愛いと言って声をかけて下さいました。乗り降りの際、ゆれる事があり・・・少々ビビっていたYさんでしたが、楽しかったようです。乗船料金は大人:1000円、小人500円です。

月桂冠大倉記念館のパンフレット

  詳しくはこちらからどうぞ月桂冠ホームページ

 十石舟については、月桂冠HPからリンクで「伏見夢工房」をご覧下さいね

 

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レディ・イン・ザウォーター:水の精

2006-10-05 | 映画:シネコン

MOVX京都にて、「レディ・イン・ザウォーター」を鑑賞。このところ・・・映画を観まくっています何かこの状況から抜け出せない状況になっていますこの映画を観ようと思ったのは、この女の人の顔になんとなく惹かれてお話の舞台は、平凡なアパート《コープ・アパート》、管理人クリープランド(ポール・ジアマッティー)は世間に背を向けて、廊下の掃除・電球の取替えといった雑用に明け暮れる毎日ある日、アパートの中庭にあるプールで奇妙な水音を耳にするある夜、クリーブランドの前にプールの水中から美しい女性が現れる彼女の名前はストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)、正体の分からないえたいの知れない何かに追われて、暗い冷たい水路に身を隠しているらしい・・・・。彼女は何者何処から来たのか何故アパートに・・・・?彼女の出現によって、クリーブランドの平凡な毎日が、変わり始める。そして次第に平凡な住人たちも昔お伽話を聞いた韓国人の女性の話このお話はまるでストーリーの事のようだクリーブランドは一生懸命、お話の続きを聞こうとする。青い世界からやって来たと言うのも、お話どおりだそして彼女が追われている何かも次第に謎が解明され、彼女を救うべくクリーブランドは、更に謎解きを進めるのだ

監督は「シックス・センス」のM・ナイト・シャラマン、彼もこの映画に俳優として出演している。クリーブランド役のポール・ジアマッテイは「シンデレラマン」でお馴染みの俳優さんだ。髭とめがねで分からなかったがストーリー役のブライス・ダラス・ハワードは何と監督ロン・ハワードの娘さんらしいそれからアパートの住人役の一人、ジェフリー・ライトは「ブロークン・フラワーズ」でお馴染みである

監督が娘たちに聞かせたベッドタイム・ストーリー、プールの下に妖精が住んでいるというところから始まるお話は、やがて壮大な美しいドラマに・・・・。それがこの「レディ・イン・ザウォーター」だそうです

   詳細は レディ・イン・ザウォーター

 

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ロフト・LOFT:私にかけられた呪いは「愛」

2006-10-03 | 映画:ミニシアター

先日、京都シネマにて映画「ロフト」を鑑賞。主演は中谷美紀、「嫌われ松子の一生」での松子役が印象に残っています。相手役は豊川悦司、最近では「フラガール」でのいい演技西島秀俊は「メゾンドヒミコ」とダブってしまいます。今回も嫌なやつで・・・・登場お話は春名礼子(中谷美紀)という女性作家がスランプに陥り、担当編集者木島(西島秀俊)の勧めで、東京郊外の洋館に越してきます。ある日向かいにある建物に出入りする一人の男を目撃する。男は吉岡誠(豊川悦司)という名の大学教授で、千年前に沼に落ち、泥の成分でミイラ化した女性を極秘に保管していた。ある時、吉岡からミイラを、ニ三日預かって欲しいと頼まれる。そのことから吉岡と礼子は急接近それ以降礼子の周りでは不思議な現象が起きる吉岡・木島の不可解な行動そして礼子の体の変調洋館の謎、さまざまな事象がミイラによって繋がっていく幾重にも連鎖その事が恐るべき事件に

ということだが・・・正直分かりずらいストーリー洋館には以前の住人の荷物が残っているし、それは若い女性の物で、そしてその女性の消息が分からなくなっているらしいどうも、その女性は木島の知り合いのようだ木島との関係は・・・う~ん何かあるようだそして吉岡はその事を知っているみたいそしてその若い女性の消息も知っているはず謎の失踪とミイラの呪いの接点は何なんだろう最後までわからずでも、豊川悦司はこの暗い役ぴったり西島秀俊も優柔不断で嫌な役もあっていた消息不明の女性役は安達祐実で・・・。幽霊のように立ち尽くすのですが・・・ちょっと可愛いタイプなので、あまり恐怖感は感じませんでしたね。中谷美紀はそこまでインパクトはなかったかも・・・。やはり嫌われ松子の方が良かったですね。何だか支離滅裂な感想になりましたが・・・・ミステリー・サスペンス・ラブストーリーがミックスされた映画だと監督黒沢清の弁ですが、何か物足りなさ・分かりにくさという印象が残った映画でした。

    LOFT公式サイトです

 

 

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日本以外全部沈没!!

2006-10-01 | 映画:ミニシアター

京都みなみ会館にて、小松左京の代表作品「日本沈没」のパロディ版、『日本以外全部沈没』を鑑賞。タイトルから分かるように、日本以外の世界全土が沈没するというお話である。筒井康隆の原作

2001年の9.11から10年後の2011年、アメリカ全土が原因不明の大規模な天変地異によって、一週間で沈没ところがその後も次々と世界各地が沈没とうとう日本だけが残るという奇想天外な状況となる数週間での出来事だ・・・・。世界中から命からがら外国人が非難その事によって小さな日本は外国人の難民だらけとそれだけではなく、物価の高騰・食料不足・失業率も急上昇とうとう外国人による犯罪も驚異的に増えるそこで政府は超法規的措置を・・・。GATという組織(外人アタックチーム)をつくり、不良外人を検挙そして国外追放日本人は特権階級を助長し、外国人をこき使いだす

かって日本を制圧していたアメリカ・中国・韓国の元首相たちは日本の首相の顔色をうかがい、ご機嫌をとり言いなり状態となる。世界が沈没して3年、外国人たちの不満のマグマは爆発寸前となる。

世界の人たちが観たら、怒るのではないだろうか外国人たちが、ホームレスのように公園でテント生活をしたり、日本人の召使となり・・・媚びる姿

登場人物も、実在する首相・官房長官、はたまた外国人の有名俳優や監督などの名前の真似も・・・・。途中首相のもあったりで、何か妙なのりであるといって面白いかというと今一つである。沈没という凄い出来事なのだが・・・何故か緊迫感もないし

村野武範・藤岡弘・寺田農とベテラン勢、そうそう「キャプテン・ウルトラ」の中田博久も出演懐かしい若手は小橋賢児・柏原収史・松尾政寿、異色なところでは、キチュこと松尾貴史、デーブ・スペクター、つぶやきシロー(しばらくご無沙汰)そして原作者筒井康隆も特別出演とバラエティーには富んでいる。

 公式サイト  日本以外全部沈没

 

 

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