♪お気に入りアーティスト56
ふと耳にした音楽がとても気に入って、すぐショップに買いに走ることってありますよね。たとえば、TOTOの「ホールド・ザ・ライン」を聴いた時のぼくがそうでした。ラジオから流れてくるそのサウンドのカッコよさに惹かれたぼくは、すぐ彼らのデビュー・シングルだった「ホールド・ザ・ライン」を買って何度も聴いていたものです。
TOTOはロサンゼルスのスタジオ・ミュージシャンとして活躍していたデヴィッド・ペイチとジェフ・ポーカロが中心になって結成されたバンドです。
結成時のメンバーは
☆スティーヴ・ルカサー(G,vo)
☆デヴィッド・ペイチ(keyb,vo)
☆ステイーヴ・ポーカロ(keyb,vo)
☆デヴィッド・ハンゲイト(b)
☆ジェフ・ポーカロ(drs)
☆ボビー・キンボール(vo)
の6人。メンバー全員腕利きのセッション・マンばかりです。
TOTOはいわゆる「AOR」や「産業ロック」の代表格のように揶揄されることもありますが、果たしてそうでしょうか。
確かに聴きやすいメロディーのヒット曲を多く持ち、商業的にも成功していますが、TOTOのサウンドを聴くと演奏能力の高さ、その音楽の質の高さ、スキのないアレンジなど、音楽的にも傑出していることが分かりますね。
メンバーそれぞれがスタジオ・ミュージシャンとして優れていただけあって、ロックをはじめ、ジャズ、フュージョン、ハード・ロック、リズム&ブルース、ソウルなどを消化し、そのうえでモダンでポップな作品を次々と作り上げていて、その音楽的要素は非常に幅広いものだと言うことができます。
『TOTO/宇宙の騎士』
デビュー作「宇宙の騎士」ですぐに高い評価を得たTOTOが1982年に発表したのが「TOTO Ⅳ」です。これは、バンドの代表作とされるばかりか、80年代のロックを代表する作品、とまで言われる質の高いアルバムです。
「Ⅳ」は、1982年度のグラミー賞で6部門、シングル「ロザーナ」の「レコード・オブ・ジ・イヤー」を含めると、7部門を獲得するという栄誉に輝きました。
『TOTO Ⅳ/聖なる剣』
非常に緻密に構築されているTOTOサウンドですが、ジェフ・ポーカロのドラムがその基礎となっていると言っていいでしょう。彼の叩き出す音はうねり、グルーヴし、バンド・サウンドに命を吹き込んでいるのではないでしょうか。
あるいはスティーヴ・ルカサーのギターです。彼のギターは決してテクニックに溺れることがなく、主張すべきところでははっきり音を出す、メリハリのついた演奏を行います。
もちろん、多彩な音色と的確なバッキングのキーボード群の活躍も見逃せません。
ジェフ・ポーカロ
スティーヴ・ルカサー
「TOTO」という一風変わったバンド名の由来には諸説があります。ヴォーカリストのボビー・キンボールの本名「トトーズ」をもじったものだとか、日本ではどこのトイレに行っても「TOTO」の文字が見られるため、日本では有名な単語だと思ったから、などと言われていますが、これらはどうやらメンバーによるジョークだそうです。
最も真相に近いとされるのは、映画「オズの魔法使い」に出てくる犬の名「toto」の意味を調べたところ、ラテン語で「Total」を意味することがわかり、これは数多くのセッションに参加し、どのような音楽にも対応できるバンドの能力にぴったりであることから、「TOTO」をバンド名にした、という説です。
TOTOももう結成30年になろうとしているベテラン・バンドになりました。現在のメンバーは、
★ステイーヴ・ルカサー(g,vo)
★デヴィッド・ペイチ(keyb,vo)
★グレッグ・フィリンゲインズ(keyb,vo)
★マイク・ポーカロ(b)
★サイモン・フィリップス(drs)
★ボビー・キンボール(vo)
の6人に変わっています。
昨年は久しぶりにスタジオ録音盤を出し、来日も果たしましたね。まだまだこれからも優れたアルバムを出し続けてほしいものです。
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